知事引退表明/「汗と知恵」が支えた24年
中沖豊県知事は今秋の知事選に出馬せず、今期限りで引退を表明した。六期二十四年に
わたる県政の舞台から降りることになる。県のトップとして政治や行政をけん引してきた
知事の労を心からねぎらいたい。
臨時県議会での引退表明では、北陸新幹線富山−金沢間の着工、上海便の定期航路開
設、国連機関事務所設置など当面する課題にめどがたったことをあげた。今年一月に脳梗
塞で倒れ、その後回復したものの、健康問題も考慮した。
昭和五十五年、中田幸吉知事の病死に伴う選挙で初当選した中沖知事は、手堅い行政運
営とともに積極的な施策を展開してきた。職員に「汗と知恵を出す」ことを求め、人づく
りや郷土づくり、産業づくりに努め、「アイデアをつかみ人を動かす」知事として、全国
から注目された一人でもあった。
引退表明の中で「数多くの事業が実現し、県は大きく発展、全国トップクラスの住みよ
い県として評価されるようになった」と述べたが、知事就任以来、県民生活の充実を図る
ためハード、ソフト両面で数々の実績を積み上げてきた。