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「あ!拭くのはどうしましょう……」
我に返ったフローラは途方に暮れた。
旅立つ前にルドマン邸の執事は如才なく紙を馬車に積み込んでおり、
フローラもこれまで小水を終えたあとはそれで拭いていたのだが。
「あの紙がなくなったらどうするのかしら……?
いえ、そんなことより先決なのは、いまここにある危機ですわ」
葉っぱで拭くという下賤な選択肢は初めから思考の埒外だった。
「仕方ありませんね。今回はこれでしのぎましょう」
彼女が選んだのは、半ば茶色に染まった最高級のショーツだった。
「これだと、の、ノーパンで馬車に戻ることになりますわよね……
もし中を覗かれてしまったら……もう、何言ってるのかしら、私ったら」
羞恥やら爽快感やら興奮やらでナチュラルハイ気味のフローラは、
汚物にまみれたショーツを片手にふるふると身をくねらせた。
フローラは中腰になり、指に汚物がつかないように慎重に
絹のショーツを扱い、尻にこびりついた排泄物をぬぐっていく。
さすがに小さなショーツでは全ての汚物を取り去るのは不可能だったが、
ともかくも一通りぬぐい終えたその時。