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夫に連れられ旅立ってからはや5日、
フローラは自身の限界が近いことを自覚していた。
腹部を苛む硬質な膨満感と肛門を責める熱い圧迫感は
歩を進めるごとに強くなり、形の良い白い額にうっすらと汗が滲む。
その時、馬車の右前輪が道端の石に乗り上げて音を立て、
側を歩いていたフローラの細い肩がびくりと震えた。
プウウゥゥ――ッ
驚いた拍子にフローラの形の良い尻から、可愛らしくもよく透る放屁音が溢れ出た。
馬を引く夫は思わず肩越しに振り向き、
彼の隣に付き従うキラーパンサーは鼻をひくひくと動かした。
抜けるような青空は、たちまち泥のような沈黙に塗りつぶされた。