41 :
ななしの珍味:
母親は我が子が胎内に宿ってから10ヶ月かけて、少なからず母性が目覚めるそうである。
しかし、父親は10ヶ月の間殆どその生活を変えることはない。せいぜい育児雑誌を読んだり、出産後の準備をする程度である。当然と言えば当然だが、母親とは決定的に違うのだ。
日本の父親像のモデルはどうも希薄なものに感じる。想像出来ますか?こんなのが父親だ、これが父性というものだ。
日本古来の家父長制に父親のモデルを見るかもしれないが、ちょっと違う気がする。
家父長制は封建的な制度でしかないと感じる。
私には父親はいない。実の父親は殆どと言っていいほど、思い出したくもない記憶ばかりで、父性のかけらも感じた事がなかった。育ての親は母方の祖父で、私を大切にしてくれてはいたのだが仕事一筋であった。教育は祖母に任せきりで、何かを教わった事もない。
来春、そんな私も父親になる。父性に関して考える事が多くなったが、誰かのお手本や考え方に頼りすぎる事は危険だという事も知っている。
まだまだ、暗中模索の日々だ。