【あつあつご飯】 明太子・めんたいこ

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487ななしの珍味
〜うそつき会社と認定された 福岡の悪徳めんたいこ会社「やまや」〜 


■バレる嘘に地元産業の行く末を憂う--めんたいこに規定以上の添加物

 「無添加めんたいこに添加物!」というニュースには驚かされました。
福岡市の大手辛子めんたいこメーカーが出荷・販売した「無添加辛子明太子」に、
発色剤などとして使われる食品添加物、亜硝酸ナトリウムが検出され、
食品衛生法で定める残存基準を超えていた事件です。
私は10年前福岡市の東保健所に勤務していたことから、
この事件がとても他人事と思えず、事情を探ってみました。

<参照記事>: 「やまや」を営業停止処分 福岡市、食品衛生法違反で :共同通信 2003年10月6日

辛子めんたいこは、博多のおみやげのトップ品目です。私が勤務して当時から管内には
辛子めんたいこの業者がたくさんありました。ちょうど食品添加物表示の改正があり、
その指導で少しこの業界とお付き合いがありました。この業界は亜硝酸ナトリウムの問題は
非常に敏感なはずです。

亜硝酸ナトリウムは赤血球の色素(ヘモグロビン)や筋肉細胞の色素(ミオグロビン)と結合して、
加熱しても安定した赤色を呈します。その亜硝酸ナトリウムとアミン類が結合すると、
強力な発ガン性をもつニトロソアミンという物質ができます。一方で、エリソルビン酸ナトリウムや
アスコルビン酸が一緒にあると、ニトロソアミンができないことも分かっています。
そのため、辛子めんたいこにはアスコルビン酸類を加えています。

亜硝酸ナトリウムの研究が進み、人が摂取する量を調べたところ、その大部分は唾液に含まれる
硝酸が変化した亜硝酸であることが判明しました。その唾液に含まれる硝酸は
どこから来たかというと、ごく普通の食べ物からです。特にその多くは野菜からでした。
発色剤由来の亜硝酸塩は、わずか2〜3%であると考えられています。

結局、亜硝酸ナトリウムは天然の食べ物(特に野菜)由来のものが圧倒的に多いため、
ハム類や辛子めんたいこを悪者にしてもあまり意味がないということになります。
また、亜硝酸ナトリウムはボツリヌス菌の繁殖を抑える効果もあります。ただし、亜硝酸ナトリウムなどの
発色剤には使用基準が定められ、食品への使用量が厳しく規制されていますので、
むやみやたらに使われているわけではないのです。

同じく無添加の辛子めんたいこを作っているかねふく(福岡市東区)の研究室に出向き、
辛子めんたいこについてお話を聞いてきました。辛子めんたいこは、冷凍のスケトウダラの魚卵を
塩漬けして塩蔵たらこを作ります。普通は、その工程で発色剤を使用します。また、店独自の
味付けを施すのもこのときです。亜硝酸ナトリウムを使わない無添加の辛子めんたいこは、
鮮やかな色が出ませんので、原料の持つ色目が大事にしなければなりません。

かねふくは外国船籍の漁船に社員を乗せて、収獲後のスケトウダラの魚卵の処理の指導に
当たっています。その冷凍のスケトウダラの魚卵の中から色目の良い物を選んで、
無添加の辛子めんたいこの原料とするのです。旨味調味料などを使わないため、
市販の食塩では塩味が強くなるので天然塩を使います。昆布やカツオ、シイタケの調味液は、
抽出の際にアルコールなどの溶剤を使ってないものを選んで使用しています。
このように、原材料を厳選しますので、コストが掛かります。その割に出来上がった商品は、
黒っぽく見た目はあまり良くない物です。コストと手間が掛かるため、数量限定とならざるを得ません。

問題のやまやの商品はピンク色をした綺麗なものです。無添加のかねふくの商品と比較すれば、
発色剤を使用している辛子めんたいこであることがすぐに分かります。このように、商品知識のある人が
見たらすぐ分かるような商品を市場に出しているということは、無添加と表示しておけば
売れるからという理由で作為的に表示していた偽装表示だと思います。

今回の事件は、1社に収まる問題ではなく、地元の辛子めんたいこ業界全体に大きな打撃を与えました。
「食の安全・安心」が揺らいでいます。信頼を取り戻す事は大変です。信頼回復に向けて、業界挙げて
自主的な取り組みが必要な時です。(食品衛生コンサルタント 西村雅宏)
http://web.archive.org/web/20041124211227/biotech.nikkeibp.co.jp/fs/kiji.jsp?kiji=59
488ななしの珍味:2009/07/17(金) 04:40:21 ID:v1GCZsJU
■「やまや」を営業停止処分 福岡市、食品衛生法違反で 
共同通信 2003年10月6日

辛子めんたいこメーカー大手、やまやコミュニケーションズ(福
岡市)が出荷・販売した「無添加辛子明太子」に発色剤などで使わ
れる食品添加物の亜硝酸ナトリウムが混入していた問題で、福岡市
は6日、食品衛生法違反(表示義務違反など)で、同社の本社第一
工場を7日から2日間の営業停止処分にした、と発表した。

同市生活衛生課は「なぜ亜硝酸ナトリウムが混入したかは特定で
きていない」としている。

同課は、9月に東京都と茨城県が行った食品検査で亜硝酸ナトリ
ウムを検出したとの連絡を受け、立ち入り調査。同社が自主回収し、
市が検査した20検体のうち17検体から亜硝酸ナトリウムが確認
され、うち5検体が食品衛生法で定める残存基準(1キロ当たり0
・005グラム)を超えていた。(共同通信)

[10月6日22時28分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031006-00000275-kyodo-soci
489ななしの珍味:2009/07/17(金) 04:42:05 ID:v1GCZsJU
お詫びとお知らせ
お客様各位

平素は弊社商品をご愛顧賜り厚く御礼申し上げます。
報道機関等で、既にご存知と思いますが、この度弊社商品 「無添加辛子明太子」の
一部から添加物(亜硝酸ナトリウム)が検出されました。
報道されました内容は事実であり、今まで弊社を信頼して下さった多くの
お客様に対しまして、伏してお詫び申し上げます。

この亜硝酸ナトリウムという添加物は、通常のたらこ製品や辛子明太子に含まれている
使用が認められた食品添加物で、通常のたらこで5ppm、魚肉ソーセージなどでは50ppm、
生鮮食料品、例えばほうれん草には7ppm天然由来として検出されております。
しかしながら、認められた添加物とはいえ、数ある明太子の中から弊社の無添加に
ご期待いただき、お買い求めいただきましたにもかかわらず、ご期待に添えない結果と
なってしまいましたことをこの場をお借りして深くお詫び申し上げます。

添加物が入っていた該当商品につきましては、9月26日をもって、全品自主回収をさせて頂きました。
問題となりました、無添加辛子明太子以外の弊社明太子(無着色、有色)、
たらこ等に関しましては、安全性を確認した上で通常どおり、販売させていただいております。
もし、万が一該当の無添加辛子明太子がお手元にあるお客様は、下記に記載しております、
1.対象商品 をご覧下さいます様お願い申し上げます。

今後このような事故が発生しないよう生産体制及び品質管理の一層の強化を、
弊社商品をご愛顧いただいておりますみなさまに誓い、全社一丸となって取り組んでまいります。
多大なる不安とご迷惑をおかけいたしましたことを心からお詫び申し上げます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。 平成十五年十月二日
株式会社 やまやコミュニケーションズ
代表取締役社長 山本正秀
490ななしの珍味:2009/07/17(金) 04:45:35 ID:v1GCZsJU
メーカーのサイトにはおわびのページもあります。
http://www.yamaya.com/yamaya1024.html
http://web.archive.org/web/20040810050142/http://www.yamaya.com/yamaya1024.html

辛子明太子の原料はもちろんタラコです。タラの卵だからタラコ
というのでしょうが、タラは朝鮮語ではメンタイというので、メン
タイコと呼ぶのだそうです。

博多の名物ですが、実は原料は博多のものではありません。日本
ではタラコは北海道でしか生産されていないと思ってよいのです。

タラコの親はタラといってもスケソウダラで、普通店頭でみかけ
る魚ではありません。私は昔、旅行中に定置網の漁師からこの魚を
一匹もらったことがあるのですが、宿泊先のおばさんから、この魚
はまずいので普通は食べないのだ、などといわれました。

しかしスケソウダラは漁業資源としては重要な魚です。かまぼこ
などの練り製品の原料は主にこの魚のすり身なのです。すり身は遠
洋の母船式船団で漁獲後すぐに加工・冷凍されることが多いそうで
す。

タラコもこうした船で遠洋でとれたものもありますが、主力は産
卵前に北海道近海でとれ、生のまま漁港にあがったスケソウダラか
らとるのものです。

一月ころからすこしの間、北海道の沿岸はタラコ生産で忙しい時
期を迎えます。タラコの卵が一番熟しているものを「真子」と称し、
この真子を塩漬けしたものがよくみかけるタラコで、塩タラコとい
います。

この塩漬けのとき、亜硝酸塩を発色剤として使っているのです。
まっ赤なタラコはその上、着色料も使っていることが多いです。

最近ではまっ赤ではない、自然な色のタラコも増えてきたと思い
ます。でも、まっ赤ではないからといって、亜硝酸塩不使用だとは
限りません。

辛子明太子は北海道でいったん塩タラコにしたものを、現地でま
たは博多に運んで、調味液に漬けたものです。

「無添加辛子明太子」から使用基準を上回る亜硝酸塩が出たとい
うのは大問題です。「無添加」ではないものから出ても、やっぱり
違反になるのに、それを「無添加」といって売っていたのですから。

亜硝酸塩の混入ルートは不明ということですが、今回の事件では
メーカーの製造時に発色剤を使ったというより、原料の段階で発色
剤を使用したタラコを原料にしてしまったという可能性が高いよう
に思います。どこかかから怪しい原料をつかまされた、といったと
ころでしょうか。

それから、塩タラコや辛子明太子はそのまま生で食べますが、案
外細菌数が多いものです。冷蔵庫で長期間保存したりするのはやめ
ておいた方がよいと思います。

辛子明太子の作り方を書いているサイトを紹介しておきます。

メーカーのサイト
http://www.santoku-net.co.jp/oishii/sono1.html
家庭での作り方
http://www.ajiwai.com/otoko/make/mentaiko.htm
491ななしの珍味:2009/07/17(金) 04:47:32 ID:v1GCZsJU
■めんたいこ大手「やまや」 「無添加」商品に添加物 福岡市が立ち入り 3万個自主回収
西日本新聞 2003.10.02掲載

辛子めんたいこメーカー大手のやまやコミュニケーションズ(福岡市)が本社工場で製造し、
主に首都圏で販売していた「無添加辛子明太子」から食品添加物の亜硝酸ナトリウム(亜硝酸塩)が
検出され、同社が商品約三万パックを自主回収していたことが一日、分かった。
福岡市は食品衛生法(表示義務)違反の疑いで工場を立ち入り調査した。同社は「何らかの事故で、
たらこをつけ込む調味液の中に亜硝酸塩が混入していた」として、原因究明と再発防止に取り組む。

亜硝酸塩は通常の辛子めんたいこの製造過程で発色剤として使われている。
同社は「やまや」ブランドで辛子めんたいこを全国に出荷しており、「無添加辛子明太子」は
食品添加物を一切使わない商品として三年前に発売、主に首都圏のスーパーなどに出荷していた。

ところが、東京都と茨城県が九月に実施した食品検査で、同商品から原材料名の表示にない
亜硝酸塩を検出。茨城県が検査した二検体は、食品衛生法で定められた使用基準
(一キロ当たり〇・〇〇五グラム)を超える〇・〇〇七二グラムと〇・〇〇六六グラムだった。

両都県から通報を受けた福岡市は、九月二十五日に立ち入り調査した。同社も独自に
調査を行った結果、六月に製造した無添加商品からも亜硝酸塩を検出、工程検査で
調味液そのものに亜硝酸塩が混入していたことが分かった。このため、取引先約四十社の
店頭や在庫として残っていた対象商品のほぼ全量を回収した。

492ななしの珍味:2009/07/17(金) 04:50:57 ID:v1GCZsJU
雑誌 週刊金曜日 第260号 1999年3月26日

 (連載) 買ってはいけない 第89回

      やまや 辛子明太子  (執筆者:渡辺雄二)

 http://www2.kinyobi.co.jp/old/mokuji_oldf/260