「ノンちゃん雲に乗る」(昭和22、1947)、「三月ひなのつき」(昭和38、1963)などの
優れた児童文学の創作と、A.A.ミルン原作「クマのプーさん」、
B.ポター原作「ピーターラビットのおはなし」など数多くの翻訳を通して、
児童文学の発展と子どもの読書活動推進に大きな功績を残した
石井桃子さん(明治40−平成20、1907−2008)が、先年惜しくも亡くなられました。
石井さんは若き日には編集企画者として良質な英米児童文学、
絵本の紹介、翻訳に携わり、戦後は創作児童文学でめざましい活躍を始め、
児童文学作家の第一人者となります。
また、執筆活動のみにとどまらず、昭和33(1958)年には自宅を
家庭文庫として開放し、本によって子どもの豊かなこころを育てる
活動に自ら取り組みました。
石井桃子さんの没後初の回顧展となる本展覧会では、
作品と貴重な資料を通じて、子どもと大人のどちらにとっても宝ものである
石井桃子さんの仕事と、子どもの本の世界での活躍を幅広くご紹介します。
>>2に続きます