新日がWWFに買収された場合

辻「今夜のワールドプロレスリングは衝撃の幕開けであります。
昨夜の団体対抗イリミネーションマッチにおいて、あの武藤が
新日本を裏切り、全日本ＵＷＦ連合軍に寝返ってしまいました！
クロスウィザースが、掟破りのダブルクロスを演じてしまった
わけであります！」

木村「辻さんねぇ、武藤は昔からそうなんですよねぇ。
何を考えてるのかサッパリわからないんですよね。だから
天才だと言われるんでしょうけどねぇ」

辻「このあと、武藤敬司が自らの真意を語ります！」

辻「さあ、やってきましたよ！全日本プロレスの馬場元子社長、
ＵＷＦの新オーナー長州力、そして連合軍コミッショナーに
就任した前田日明を帯同して、バッデスト・ジーニアス、
武藤敬司の登場であります！」

観客「ハーゲ！ハーゲ！ハーゲ！ハーゲ！ハーゲ！ハーゲ！」

武藤「何度もＩＷＧＰ王者になって、今は三冠王者。
そんな武藤敬司に足りないものは何か、お前ら判るか？
それはさ、"大事にされる"とか"尊敬される"って
ことなんだよね。リスペクトってやつだな」

辻「武藤、いきなり何を言い出すのか？」

武藤「俺さ、ずっと新日本のために尽くしてきたじゃない。
対抗戦や格闘技戦、海外遠征とか、いろいろやったよ。
新日本を盛り上げるためにさ・・・だけど、今はどうよ？
社長の藤波さんは、俺に内緒で永田と抱き合ったりしてる。
俺に隠れて電話もしてるだろ。電話の相手が誰なのか、
黙ってたってわかるよ。ＮＯＡＨの秋山だろ！」

観客「あ〜き〜やま！あ〜き〜やま！あ〜き〜やま！」

武藤「ほら、やっぱりそうだ！誰も俺に声援なんか
くれねぇじゃん！俺のことなんて、もうどうでもいいんだよな。
だから、俺のことを大事にしてくれて、尊敬もしてくれる
グループを選んだわけ。元子さんは"自由に道場を使ってね"って
言ってくれるし、長州さんは"武藤、お前アレだ"以外は
余計なこと言わないでくれるし、前田さんは毎晩飲みに
連れてってくれるし、徹夜麻雀にも付き合ってくれる。
"プロレスＬＯＶＥ"の気持ちは変わらないけど、新日本への
ＬＯＶＥは消え失せたよ。改めて言わせてもらうよ。
グッバイ・ニュージャパン！」

木村「辻さんねぇ、僕はもう言葉がありませんよ」

辻「たったそれだけの理由で、新日本を捨て去って
しまったというのか、武藤敬司！？」（END）