しばらく来ないうちに、随分スレが伸びたね。これなら1000も夢ではないか。
随分間が空いてしまったが、北伐の可能性について
>>418の続きをやらせても
らうよ。
法正は先主に漢中攻略を勧めたとき、漢中を得た場合の利益を次のように示
している。
上可以傾覆寇敵尊奨王室
中可以蚕食雍涼広拓境土
下可以固守要害為持久之計
上手くいけば曹操を倒して漢室復興も可能であり、普通でも雍・涼州を漸次
切り取って領土を広げられ、悪くても守るのに有利な地形を頼みにできると
いうわけだ。
まあ、これはセールストークだから幾らか割り引く必要があるし、その後色
々あって(進言した法正自身やこれを受け入れた先主の死も含め)、諸葛亮
が北伐を開始した時点で、蜀にとって事情はずっと不利になっていたことを
先に頭に置こう。
北伐について魏延の考えが具体的に伝わっているのは、「魏略」の長安奇襲
案のみなので(「魏略」は資料としてあまり信頼されていないが)、まずこ
れを検討してみたい。
夏侯[木矛木]為安西将軍、鎮長安、亮於南鄭与群下計議、延曰「聞夏侯[木矛木]
少、主婿也、怯而無謀。今仮延精兵五千、負糧五千、直従褒中出、循秦嶺而
東、当子午而北、不過十日可到長安。[木矛木]聞延奄至、必乗船逃走。長安
中惟有御史、京兆太守耳、横門邸閣与散民之穀足周食也。比東方相合聚、尚
二十許日、而公従斜谷来、必足以達。如此、則一挙而咸陽以西可定施矣。」
亮以為此縣危、不如安従坦道、可以平取隴右、十全必克而無虞、故不用延計。
もし長安を占領し、さらに渭水の対岸にある咸陽を確保できたなら、咸陽の
東を流れる水を盾に、それ以東の魏の領土を切断することが一応可能と思
われる。
ただし、最低でも以下の条件を全て満たす必要があるだろう。
1)魏延の奇襲隊と諸葛亮の本隊がそれぞれ予定通り到着すること
2)長安を守る夏侯ボウが魏延の見込み通り逃走、配下の士卒も逃散した長安
を占領できること。
3)関中に駐留するその余の魏軍の抵抗を早期に排除すること。
4)洛陽方面から来襲するであろう魏の大軍と決戦し、大勝すること。