>>43さん
まずはドグマチールの基本的な情報ですが検討してみましょう。
ただその前にkyupin先生のドグマに対する文章を記載・転載してみます。
<ドグマチール>
一般名:スルピリド
精神科でこの薬ほどいろいろな疾患に処方されているものはないと思われる。
一般には軽度のうつ状態や分裂病に処方されている。
食障害やボーダーラインのような神経症範疇の疾患やてんかんなどでさえ、
処方されないわけではない。精神科医からすれば、とりあえず失敗が少ないし
効果が比較的早く出るので、非常に便利な薬といえよう。
非常に健康な人が服用した場合、少し眠い。他の薬を服用している場合や、
長く精神疾患を患っている人には眠さが感じられないことも多い。
ドグマチールはほんの数年前まで、非常に精神科外来でウエイトが高い
向精神薬だった。特に頻度の高い軽度のうつの場合、とりあえずこの
薬で軽快する確率はかなり高かった。
現在でもなお有用であると思うが、ごく近年に限れば、少し様相が変わ
って来ていると思う。その原因と思われるのは、デプロメールやパキシ
ルなどのSSRIの発売と、インターネットの普及だ。
ドグマチールは欠点が少ないが、重要な副作用に、高プロラクチン血症
およびそれにともなう女性の乳汁分泌、無月経がある。男性ならば、
インポテンツや性欲低下などが出現する。
近年はインターネットで情報交換が可能となり、こういう副作用も見過ご
されなくなった。(患者さんの副作用に対する意識が高まった)
重い分裂病ならともかく、軽度のうつ病や神経症で、無月経を放置してまで
この薬を続けるのは、10年前ならともかく現代社会では問題かもしれない。
実はプロラクチンというホルモンは研究が遅れていて、高プロラクチン血症
を放置した場合、どの程度の有害作用があるのか現在でも十分わかっていない。
ただ過去において、精神症状が悪化するためやむなく継続するという選択肢は
あったのだ。高プロラクチン血症を治療するため、パーロデルという薬物が
使用されることがある。しかし、この薬は元の精神症状を悪化させることが
あるし、こういった風に多剤併用になるのはお勧めできない。
ドグマチールはSSRIの発売以来、その価値は低下してきていると思う。
ドグマチールはフランスで開発され、日本でも長期間使用されてきた。しかし
この薬はアメリカでは未発売で、そのためアメリカでの研究がほとんどなされ
ていない。すなわち、かなり有名な薬物ながら、意外にワールドワイドな薬
でない。
ある時、アメリカの本屋で立ち読みしていると、トピック的にスルピリドのこと
が触れられてあった。非常に短かったが、最後に「まぁこれはいらんだろう」
と書かれてあったので笑った。プロザックなどSSRIの歴史が長いし、これから
アメリカで発売されることは無いと思う。(注:SSRIとドグマチールは効果の出方
は似ていない)