学校でトイレ禁止のいじめ

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亜美は肩を小さくすぼめてうつむいていた。
そんな亜美を横目に、菜月と奈々海はひそひそと何やら
話し合っている。
明日香に目をやると、彼女も落ち付かなさそうな様子で体を
揺すっていた。はたから見れば、自分も同じような様子なのだろう。
だが奈央はその動きを止めることはできなかった。
奈央の守りをこじ開けようとする内側からの力は、少しずつ、
しかし確実に高まりを見せていた。
時計を見る。あと20分弱。
無理だ。これ以上我慢できない。
奈央は、先ほどの考えをもう一度呼び起こした。
先生に言ってトイレに行かせてもらおうか。亜美を見る菜月たちの態度からして
何をされるかはわからない。しかし、このまま授業中におもらししてしまうことより
悪い結果などあるだろうか。
そうだ。この後何をされようとも、そんな恥ずかしい結果を招くよりは
ましに決まっている。やっぱり、今行くしかない。
そう考えはしたが、それを実行に移すにはなかなか勇気のいることだった。
もう尿意は限界を迎え始めているのだが、あと一息の所で立ちあがることが
できない。もじもじと体の動きが大きくなる。
その時、急に不自然に落ち付かない様子を見せ始めた奈央に気付いたのか、
後ろからどんと椅子が蹴られるのを感じた。千春だ。
その振動にさえ、奈央の膀胱は悲鳴を上げる。
後ろから、無言ではあるが痛いほどの視線を感じた。
「わかってんだろうね…」
そんな脅しが込められた視線。
(だめだ。私にはできない…)
結局、立ちあがるきっかけを逸し、2度とそのきっかけをつかめないまま
授業は続いた。今にも屈服してしまいそうなほどの尿意と闘いながら、
奈央は机の上でこぶしを握り締めていた。じっとりと汗ばんでいるのは
手のひらだけではない。顔が火照るのに、背中から腰が冷えきったように
震えを誘う。ときおり強まる尿意の波に、奈央は全力で抗った。
全身が過敏になっている奈央の腰を、ふたたび千春の指がつついた。
びくりと肩を震わせる。
「つらそうだねぇ…次の休み時間には、楽になれるかもよ?」
小声で千春がささやく。
本当だろうか。彼女たちのことだ。一筋縄でいくはずがない。
だが今の奈央は、その言葉に一縷の望みを託すしか方法はなかった。
残りの数分、精一杯の力で尿意をこらえる。
そして、あわや下着を濡らしてしまうかというところで、
永遠とも思えるような長い長い授業の終わりを告げるベルが響いた。
19000:2001/08/05(日) 21:23 ID:GKNXHi42
「やめて…やめてください・・」
先ほどトイレに立った亜美が、奈々海と陸上部の雪乃に連れていかれる。
どこへ行こうというのだろう。だが、そんなことは今の奈央にとっては
他人事でしかなかった。小さく震える尿道は、いつこらえを失ってしまって
もおかしくない。
それでも、奈央と明日香は菜月たちの前で品定めされるように
立たされているのだった。
奈央は声をあげることができなかった。今すぐにでもトイレに行かなければ
ならないというのに。それは明日香も同様のようだった。むしろ、彼女の方が
危ないのかもしれない。下腹に両手を当て、膝をきつく閉じてどんどんと片方の
かかとで床を踏みつけている。上半身が不自然によじれ、見ているだけでも
苦しくなってしまいそうだ。奈央は思わず目をそらした。
すると、繭子が掃除用のバケツを持ってくるのが目に入った。
「持って来たよー」
どんと青いプラスチックのバケツが奈央と明日香の前に置かれる。
楽になれる…という千春の言葉。目の前に置かれたバケツ。
信じたくはなかった。しかし、どうしても目の前に置かれた状況は
ひとつの結論にしか辿り着かなかった。そして菜月が口を開く。
「ほら。つらそうだからさぁ、ここにしてもいいよ。」
「そんな…」
菜月が言い終らないうちに明日香が絶望的な声をあげる。
トイレに走ろうというのか、前かがみのまま1歩あとずさった
明日香の腕を繭子ががっちりとつかんだ。
「していいって言ってんだからさ、ほら!」
繭子は明日香の脚に自分の脚を絡ませ、力ずくでバケツの上に
明日香を座りこませた。
そんな光景を目の前にしながら、奈央はその出来事も、今自分を責めたてる
尿意も、何もかもが現実とは違うところで起こっているかのように
信じられずにいた。
「や…いやぁっ…!」
バケツの上に座らせられた状態で、上からしっかりと肩を押さえ込まれた明日香。
脚でバタバタと床を蹴りつけ必死で抵抗する明日香のスカートを、菜月が
めくりあげた。いまどきの女子高生らしくない長いスカートは、めくり上げると
明日香の肩のあたりまでとどく。それを肩の所で押さえたままにすると、
明日香のかわいらしい白いショーツがあらわになる。
お尻が半分バケツにはまったような格好の明日香が、とうとう力ない声をあげた。
「あ…あぁ…」
20000:2001/08/05(日) 21:24 ID:GKNXHi42
バタバタした脚がふと静かになると、明日香は体をこわばらせそれっきり
凍ったように動かなくなった。口を半開きにさせたまま、表情も凍り付く。
白いショーツの真ん中にじわりと染みが広がると、それはすぐに薄い布を越えて
バケツに滴り始めた。ためらうような滴りは、まもなく強い流れとなって
バケツの底を鳴らした。
「嫌…いやぁ…」
明日香が両手で顔を覆ったまま放尿を続ける中、菜月が大声をあげた。
「おいおい。バケツにおしっこしてるよー。なにこいつー!」
関わらぬようにと目を背けていた級友達も、思わずそこに目を向ける。
クラス中の視線を浴びたまま、明日香の放尿は続いた。
やがておしっこの音がぴちゃんぴちゃんという滴の音に変わると、
菜月と繭子は満足したかのように明日香から手を離した。
明日香はバケツに腰かけた無様な格好のまま、膝の上で腕に顔をうずめ、
そのまま顔を上げなかった。
自然と、菜月たちの目が奈央に向く。奈央ははっと我に帰った。
視線ではなく、自分の体の異変に。
一瞬堰が切れた尿道から、こぼれ出した滴がショーツに吸い取られていく。
反射的にきびすを返した奈央の右手首に、予想通りというように菜月の手。
片手を後ろ手に取られたまま、奈央は左手でスカートの上から股間を押さえた。
そこまでだった。
固く押さえた手の下で、屈辱的なぬくもりが広がる。それは下着とスカートを
熱く濡らし、内股へと伝った。
とどまらない流れ。太ももから膝、ふくらはぎへ。
ソックスと靴を濡らして床に水溜りを広げる。
「あ…あ…」
その流れが止まらないうちに、奈央はあまりの屈辱と羞恥、絶望感にうちのめされ、
その場にしゃがみこんだ。菜月の手は離れない。片手を赤ん坊のように握られたまま、
床を濡らしつづける。
そんな中、以外に落ち付いた様子の頭の中に亜美のことがよぎった。
(そういえば、亜美はどこにいったんだろ…どっちがよかったのかな…
 私たちと、亜美と…)
どうでもよかった。自分はこっちを選んだのだ。クラスの冷やかな視線の中、
始めから正しい答えなどなかった選択を、何度も何度も頭の中で繰り返し、
奈央は何もかもが間違っているというように首を振りつづけた。
教室に2つの見世物が置かれたように、クラスは異様な雰囲気のままで
それらを見比べていた。