エンジェル・ハイロウの最終決戦が間近に迫ってきた。
今まで幾多の戦いの中でもアットホームな雰囲気を保っていたホワイトアークの艦内もこの最終結成を前にして緊張感が張り詰められていった。
特にトマーシュ=マサリクの緊張は並ではない。
「今度の戦いは今までにない激戦だ。この僕の腕を持ってしても……」
武者震いに震えるトマーシュの脳裏に、ふとこの船で共に戦ってきた仲間達の事がよぎる。
「ダメだ! 僕がしっかりしなくてどうする!」
トマーシュは自らに活を入れた。
「この戦争を終わらせて、みんなで生きてカサレリアに帰るんだ!」
トマーシュは自らの中で確固たる、この戦いの先の未来を見つめた。
結論が導き出されたトマーシュは自らの武者震い収まりを感じつつ、今日はもう遅いから寝ようと仮眠室に向かった時だった!
(なんだ……?)
仮眠室から声が聞こえた。荒い息遣いだ。
トマーシュは息を潜め覗いて見ると、なんとそこには互いに全裸のオデロとエリシャがベッドの上で重なり合っていた。
思わず声を漏らしそうになったトマーシュは慌てて自らの手で口を塞いだ。
「オデロ……」
「エッ、エリシャ!……」
二人がそういう関係なのはトマーシュはそれなりに知ってはいたが
まさかここまで発展しているとは思ってもみなかった。
(そうか……)
トマーシュは混乱から立ち直り納得した気持ちに落ち着いていった。
エリシャもそういう年頃なのだ。
トマーシュにとってエリシャは幼馴染みであるとともに妹のような存在だった。
それは昔からの事。トマーシュ自身もいつも頼れる兄として振舞ってきた。
そんなエリシャが戦場に向かう男を精一杯に愛している。
男も自分のよく知る、ともに戦ってきた戦友であり相棒だ。
互いに相手を思い合い、ほんの少し先の輝ける祝福の未来に祈りを込めて愛し合う
それを止める権利は誰にもない。例え二人に関わりの深い自分であっても…………
(それにしても……)
トマーシュは艶然とオデロの体の上で揺れ動くエリシャの裸体に唾を飲みこんだ。
大人と呼ぶにはまだふさわしくなくとも
はっきりと大人に向かって成長していると分かる
綺麗な赤みの映えを見せるリンゴのようなエリシャの裸体は
もう完全にトマーシュの知っている体ではなかった。
「また、ちょっと胸が大きくなっていないか?」
「分かった。うん、オデロのおかげね」
(ハァハァ……)
トマーシュは、本当はここはクールに立ち去るべきだとも思いつつも
異常な興奮に駆られ目を離す事が出来なかった。
「今日は、サービスするからね」
「うっうおぉぉ!」
エリシャはオデロのオチンチンをパクッとくわえてフェラチオを始めた。
オデロは情けないほど大きな声でうめいた。
(エッ、エリシャ、お前、どこでそんな事を!…………)
ギンギンに開かれ血走るトマーシュの目は、オデロに対して奉仕するエリシャに向けられた。
「ダッ、ダメだ、エリシャ、イカせて……」
「まだよ、ダメ、イカせない」
「はぁうん……」
完全にイニシュアティブを取っているエリシャに、オデロはすでに限界の崖っ淵状態に立たされ懇願する。
(ええい、情けないぞ、オデロ! お前はそれでもMSパイロットか!)
トマーシュは心の中でオデロに激しい檄を飛ばしながら、股間はパンパンに膨らんでいた。
「たっ、頼むよエリシャ、イカせてくれ……」
「ダメよ、私がいいとい言うまで絶対にイカせないわよ」
泣きそうな表情で頼むオデロを楽しむようにエリシャは意地悪い笑みを浮かべながら答える。
(エリシャめ、これから命を賭ける男に対して……)
トマーシュの中でエリシャの生意気さが目に付いた。
確かにエリシャは自立心が強いというか気の勝ったところがある少女であるのはトマーシュも知っているつもりだった。
だが、こうも男を弄ぶ趣味があったとは初めて知る衝撃の一面であった。
(武士にの情けを知らんとは……)
トマーシュは心の中でオデロが責め返す事を期待し応援した。
「ほらほら、ここがいいんでしょ」
「あっ、ひやっ! やめて、やめてエリシャ!」
一方的に責め抜かれ防戦一方のオデロには、まったく逆転の可能性は見えなかった。
「あっ! イクイクッ……」
オデロはエリシャのフェラチオに登りつめ様としていた
しかし、エリシャはサッとオデロのオチンチンから口を離し両手でギューッとオチンチンの根元を握り締めた。
「簡単にはイカせないと言ったはずよ」
「あっ、あああっ!」
痛烈な悲鳴をあげるオデロ。そのオデロの悲鳴にトマーシュの心は震えた。
(なんと言う女に成長したんだ。エリシャ、お前と言う女は……)
トマーシュはオデロを翻弄するエリシャに怒りを覚えた。
オデロは共に幾多の死闘を乗り越えた仲間であり、互いに人格を尊重し認め合った掛け替えのない親友だ。
その男に対してここまで恥辱を見舞わすエリシャにトマーシュは怒りを覚えた。
(待っていろよ、オデロ。今、助けに行くぞ。それにエリシャ、お前にはタップリと……)
トマーシュは自らのズボンのベルトを緩めた。下着に手を掛けた。
これ以上、自分の親友、オデロに恥辱を見舞わせたらトマーシュは
自らの暴れん棒将軍でエリシャを成敗するつもりだった。
「オデロ、約束して」
「やっ、約束?」
「今度の戦争で絶対に生きて帰ってきて、約束したらイカせてあげる」
エリシャはさきほどとはうって変わって真剣にオデロへ語り掛けた。
(エッ、エリシャ……)
トマーシュの中で、エリシャへの怒りがフッと消えた。
エリシャは好きで意地悪をしていたのではなく、オデロが自分の約束に
しっかりと真剣に答えて欲しいために、わざと意地悪をしていたのだ。
「エリシャ」
「お願い、オデロ!」
エリシャはオデロの胸に飛び込んだ。
オデロひゃエリシャのしおらしい態度に戸惑いつつも、ゆっくりと優しく
エリシャを抱きしめ甘い抱擁を交し合った。
「絶対に生きて帰るよ」
「オデロ!」
エリシャの感激する声にトマーシュは今までの二人に対するモヤモヤ感が消えた。
(エリシャも、もう一人前の女だ……)
トマーシュはそう淋しくもあり嬉しくある心境に酔った。
そして準備していた暴れん棒将軍を収めようとしていた時だった。
「絶対に俺は生きて帰る。今度ばかりはエリシャの為を思って戦うよ」
「うん、トマーシュがいつも迷惑を掛けてごめんね」
(えっ!?)
「いや、いいって、トマーシュさんも頑張っているから」
「ううん、いつもトマーシュのせいでオデロが危ない目に逢ってるんでしょ?」
「うーん、まぁ、あの人、戦いに酔ってちょっと危ないところがあるから……」
二人はトマーシュの話題に、表情は不安を隠せなかった。
確かにトマーシュは熱血漢で戦場に出ると必要以上に興奮し暴走した事が何度もあり、その度にオデロがフォローにまわる事が度々あった。
しかし、その事をトマーシュは認めているのか?
否! トマーシュにとっては寝耳に水の、まさにとんでもない話しである。
トマーシュはこう思っている。
ウッソ・V2>トマーシュ・ガンイージ=ウッソ・ガンイージ>>>>>>>>>>>マーベット>オデロ
戦友、仲間、相棒、掛け替えのない親友オデロの言った一言は
まさに痛烈な一言、まさに痛烈な屈辱、まさに痛烈な裏切りであり
トマーシュは頭に血が沸騰した。
「オデロ、君と言う男は!」
トマーシュは扉を開けて豪快に吠えた。
「きゃあああ!」
エリシャが悲鳴をあげた。
ドアを開けた調子にトマーシュのズボンがズレ落ち下半身裸の状態になっていたからだ。
しかし、完全な繰状態にあるトマーシュはまったく気がつきもしなかった。
「僕は君の事を本当の親友だと思っていた。それをよくも……」
「ちょっ、ちょっと、落ちつけ、トマーシュさん」
トマーシュは問答無用にオデロに襲いかかった。
オデロはそんな飛び掛ってくるトマーシュからエリシャを守ろうと庇い、トマーシュに背中を向けた、その時であった!
グッ! グイッ! グググッギュウウゥゥゥゥゥゥゥ!
「ウッ……………………!」
オデロは短い呻き声をエリシャに浴びせた。
「あっ、ああん…………」
トマーシュもやけに艶っぽい声をエリシャに聞かせた。
「えっ!?」
エリシャはお腹の上に生暖かい液体のような物を感じた。
手にとって見るとそれはオデロの……
「まっ、まさか……」
「オッ、オデロ……」
「トッ、トマーシュさん……」
オデロとトマーシュは繋がっていた。
オデロがエリシャを庇おうとした時、オデロはトマーシュの
暴ん棒将軍を自らの処女を犠牲にして受け止めてしまった。
そしてトマーシュの一撃。
さきほどまでさんざんエリシャが焦らしていたせいもありあってオデロは一瞬にして登りつめてしまった。
「ぼっ、僕は取り返しのつかない事を…………」
「人は…………」
「いっやああああ!!!」
エリシャは狂ったように悲鳴を絶叫した。
「なに、なにがあった!?」
エリシャの悲鳴にスージィ、ウォレン、マルチナ、トマーシュの弟、カレルが駆けつけた。
みんな、そのオデロとトマーシュの光景に少しの間、息を失った。
「みっ、みんな……」
「あっ、これは……」
オデロとトマーシュは離れる事無く、繋がったまま弁解しようとした。
「オデロ、アンタ……」
スージィ、ウォレン、マルチナは掛ける言葉すら見つからないまま呆然と立ち尽くした。
「兄ちゃんのバカ野郎、死んじまえ!」
トマーシュが心より、尊敬できる兄として信じて敬わなかった、カレルは泣き叫びながら消えた。
オデロとトマーシュのMS出撃準備が整った。
二人はそこでお互い神妙な顔つきで目を合わせた。
二人はあの時以来、完全に周囲から隔離された孤独の時間を送っていた。
宇宙世紀史上かつてない戦いを前に淋しさと不安にさいなまされる
二人であったがトマーシュがオデロに対して口を開いた。
「これが最後の戦いだな、オデロ」
「そうだな、トマーシュさん」
「一緒に死ぬか、オデロ」
「望むところだ、トマーシュさん」
こうして二人のエンジェルハイロウ最終決戦の火蓋は切って落とされた。