合理的平等♪

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617522 突然変異で遺伝病が累積のうそ
530で仮に突然変異で発生した中立遺伝子でも世代を越えて生き残るは難しい、
と言う説明をした。(>>530)
しかし、もし突然変異が頻繁(消滅率以上)におこるなら、一つの突然変異遺伝子が
生き残りにくくとも結果として一部の突然変異遺伝子が生き残る。
問題は突然変異の起こる確率である。
一つの遺伝子座あたりの突然変異率はふつう10^-5〜10^-6にすぎず、したがって
世代当たりの遺伝子頻度の変化量も10^-6程度しか期待できない。
従って突然変異遺伝子が世代を越えることはない。(ただし、十万年単位ではあり得る。)

[突然変異による遺伝子頻度の平衡状態は存在しない]
・今、対立遺伝子A1,A2の遺伝子頻度をp@`q 、
 A1→A2への突然変異率(世代あたり)をu、逆方向A2→A1をqとする。
        uv
       A1⇔A2
        p q
以上の条件の基に次世代でのA2の頻度q´を求める。
   q´=up+(1-v)q
=u(1-q)+q-vq (∵ p=1-q )

で、一代あたりのA2の変化量Δq は
   Δq=q´-q=u(1-q)-vq
すなわち、増加分u(1-q)と減少分vq の差が世代あたりの変化量となる。
十分な世代が経過すれば、増加と減少が釣り合った「Δq=0の平衡状態になる」。
A2の平衡状態はqbはvqb=u(1-qb)から
   qb=u/u+v
が期待される。
618続き:2000/07/16(日) 20:58
教祖はこの「Δq=0の平衡状態になる」を指しているのかも。(どっちでもいいけど)
しかし突然変異は稀にしかおこらないということを忘れてはならない。
最初に書いたように突然変異率はふつう10^-5〜10^-6のオーダー、すなわち、
遺伝子頻度の変化量(Δq)も10^-6程度になる。

今、最も変化のはげしい場合、すなわち突然変異が1方向のみにしかおこらない(v=0)
を考えて見る。(すなわち、A1⇒A2だけがおこり逆がおこらない)
t世代後のA1遺伝子頻度Ptは
   Pt=p(1-u)^t
で u≪1 なので近似的に
   Pt=p・e^-ut (e は自然数)
になる。
これからA1遺伝子頻度が半減する(Pt=(1/2)・p)のに必要な世代数を計算すると
t=0.69/u となる。
u=10^-5 とすると半減するのに69@`000世代かかる。
人間の1世代を20年とすると「140万年!」かかることになる。
従って、突然変異(のみ)による遺伝子頻度の平衡状態は現実には存在しない。

なお、以上のA1、A2は中立遺伝子であり、教祖の言う有害遺伝子であれば
それが(完全)劣性遺伝子であっても更に生き残りが難しいのは言うまでもない。

あと、2つね。
説明が足りないとこ、間違っているとこは是非、指摘下さい。