530で仮に突然変異で発生した中立遺伝子でも世代を越えて生き残るは難しい、
と言う説明をした。(
>>530)
しかし、もし突然変異が頻繁(消滅率以上)におこるなら、一つの突然変異遺伝子が
生き残りにくくとも結果として一部の突然変異遺伝子が生き残る。
問題は突然変異の起こる確率である。
一つの遺伝子座あたりの突然変異率はふつう10^-5〜10^-6にすぎず、したがって
世代当たりの遺伝子頻度の変化量も10^-6程度しか期待できない。
従って突然変異遺伝子が世代を越えることはない。(ただし、十万年単位ではあり得る。)
[突然変異による遺伝子頻度の平衡状態は存在しない]
・今、対立遺伝子A1,A2の遺伝子頻度をp@`q 、
A1→A2への突然変異率(世代あたり)をu、逆方向A2→A1をqとする。
uv
A1⇔A2
p q
以上の条件の基に次世代でのA2の頻度q´を求める。
q´=up+(1-v)q
=u(1-q)+q-vq (∵ p=1-q )
で、一代あたりのA2の変化量Δq は
Δq=q´-q=u(1-q)-vq
すなわち、増加分u(1-q)と減少分vq の差が世代あたりの変化量となる。
十分な世代が経過すれば、増加と減少が釣り合った「Δq=0の平衡状態になる」。
A2の平衡状態はqbはvqb=u(1-qb)から
qb=u/u+v
が期待される。