発達・認知心理学って役に立っているの?

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74名無しさん@お腹いっぱい。
法学教育について
>>73
1,教育技術的な面
>法律のお勉強を国が教えるそうです。
>教科教育すらあやしいらしいのにこの分野はどうなのでしょう?

「教える技術」という面に関しては、心理学の出番は大いにあるはずです。
例えば、多くの学生が初めて学ぶ実定法である民法ひとつとっても、
その中の個々の部分を学ぶには、民法全体や訴訟法、執行法などの理解が
必要になるという真性の悪循環があります。
(例えば担保物件法を学ぶためには債権法を理解する必要があり、
債権法を学ぶには総則を一応知っておかねばならない。
しかし抽象的な総則の規定を理解するには、民法全体の具体的な知識が必要、など。)
いくら相手が大学生であると言っても、こういう複雑な体系を
初学者に理解させるためには、教授者に相当の技術が要求されることは疑いありません。
その意味で学習心理学の知見を法学教育の実践に生かすことは
望ましいに違いないでしょう。

ただ、ロースクール構想において問題とされている現行教育システムの欠点は、
もうすこし現実社会的な問題であるように思われます。
大学生が法論理的思考の訓練をおこたって司法試験予備校教材の丸暗記に走ることを
どうくい止めるか、というような問題の立て方をすれば、
それは完全な行政マターです。
その行政目的実現の過程で「教授法の改善」が必要になれば、
学習心理学が役立つだろうとは思いますが。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 08:49
>>73
2,より本質的な面
>ピアジェが子供の法意識(心理学的専門用語はわからん)について
>研究していたことは知っています。 それだけですか?
>憲法・民法・刑法にでてくる人間像はそれぞれ違います。
>また結果のみで罰したり形式的行為(手形関係)、
>または実質的な行為で罰したりします。
>初期の法意識で通用したり、発達した法意識が必要となったりします。

「憲法・民法・刑法にでてくる人間像や、違法性の概念がそれぞれ違う」というような、
法概念の相対性を教えること自体は、相手が子供ではなく大学生なのだから、
別に困難なことではありません。
(現在の法学部の教授でも、そんなことで苦労している人はいないと思います。)

しかし、法が前提としている「人間」や「行為」そのものの理解が、
心理学において実証的な研究の結果得られた「人間」や「行為」の理解と
大きく異なっているとしたら、
心理学者は、法学者や実務法曹を含めた社会全体に、
その研究成果を強くアピールしてゆく必要があるでしょう。
(例えば、刑法の行為無価値論が前提とする「人間」理解や「行為」理解は
事実に反しているからもはや維持し得ない、
現在の裁判実務は虚構の上に成り立っている、など。)
まあ、当分相手にはされないでしょうけど。

とりあえず上っ面をなでただけの意見で失礼。
どなたか、もっと掘り下げてみてくださいな。