死を覚悟した瞬間

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276あなたのうしろに名無しさんが・・・
深夜の東名高速、鮎沢PA付近を東京方面に100キロほどの速度で走行。
前後に車なし。当時そのあたりに照明は無かった。
割ときつめの左カーブ。
下向きのヘッドライトがアウトからインへ回り込み、照らし上げたのは
10tトラック。
横転して2車線を塞ぎ、こちらに腹を見せていた。
路肩が空いているが間に合わない。
急ブレーキを踏んだが、こちらはまだカーブを抜けきっていない。
尻が流れ、逆ハンを当て、また尻が流れ・・・
そんな最中にトラックから人が飛び降りた。しかも俺のまん前。
背中を丸め、蛇行する車の直前を走り抜ける姿。
しかも3人。幸い衝撃は無し。
その間にもトラックは近付いてくる。巨大な燃料タンクが見える。
衝突コースだ。
どうにもできない。横転する覚悟でブレーキを目一杯踏み込むと
横転はせず、車は追い越し車線上で真横に滑って止まった。
トラックとの距離は3メートル足らず。
飛び降りた運ちゃん達は呆然としている。
俺もしばし放心状態。
角度が悪く、路肩に向かえないのでバックしたところから
次の恐怖が始まった。
277あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/15(金) 19:31
>>276続きが気になる…
278あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/15(金) 19:32
おもしろすぎ〜 良スレだ。
279276:2001/06/15(金) 19:56
>>276 からの続き
バックすると、カーブの頂点付近に後続車のヘッドライトが
見えていた。車を発進させて逃げる時間はない。
しかもその後ろのガードレールの光り方は、さらに多くの
後続車がいることを知らせている。
高速道路上でよくある、数十台が一塊になっている車の群れだ。
トラックの運ちゃん達は放心状態で発煙筒も焚いていない。
俺はドアを開け、いつでも逃げられるようにしてから
ハザードランプを点滅させ、ブレーキを繰り返し踏んだ。
とにかくここが危ないことを早く知らせたかった。
かなりのスピードで後続車が次々に路肩へ滑り込む。
だが
右車線に10tトラック。
周りの車に照らされ、荷台のパネルが光っている。
排気ブレーキの音が夜気を震撼させ、左に寄ろうとしているが
左車線は塞がっている。
東京向けの荷物を満載した、ずっしり重いトラックが簡単に
止まれるわけもない。
ようやく左車線にまたがった。
急減速しているが止まるためではない。
路肩を目指している。衝突を避けるにはそれしかない。
しかしヘッドライトは大きく、眩しい。
車から飛び降りようとした瞬間、トラックは完全に左車線に
入り込み、そのすぐ後で俺の車の横を走り抜けた。
風圧で大きく揺さぶられたが、衝突は免れた。

次の群れが来る前に車を発進させる。
運ちゃん達に「発煙筒!」一言叫ぶのが精一杯。

走り出してすぐ、スピードが出過ぎていると思った。
メーターを見ると針は60キロを指している。何?
直後に震えがきた。歯の根が合わない。
吐き気もする。
猛烈に小便がしたくなり、たまたま目の前に現れたPAに
入り込む。
PAにいる人の中の何人かがこちらを指差している。
当時、国産でさえ、町で四駆は珍しい時代だった。
俺が乗っていたのは、そのあまり見かけない四駆。
あの人達、あの中に居たんだな、と思いながら小便を済ませ
個室で思うさま吐いた。血が出るほど吐いた。

助かった
心からそう思い、便所でしばらくへたりこんでいた。

おしまい。ネタじゃないよ。
>>276
文章じょうず。

>下向きのヘッドライトがアウトからインへ回り込み、照らし上げたのは10tトラック。

>周りの車に照らされ、荷台のパネルが光っている。
>排気ブレーキの音が夜気を震撼させ、左に寄ろうとしているが左車線は塞がっている。

カコーイイ。
アクション映画を見ているようだ。