加藤くんが電波と交信中のうちに、
オレの分かる範囲で疑問にお答えをば…。
>>549とか、「議論の場」にあった、
>あとかりに 投稿者:たぬき 投稿日: 2月13日(火)09時57分46秒
>有限責任社員扱いになると、毎年会計報告をみせてもらう事が
>できるのでしょうか?
っていう書き込みへのレスとして。
まず、
>>549にあるとおり、合資会社の場合、
社員(=会社の所有者、出資者。株式会社でいうところの株主)は、
無限責任社員と有限責任社員から成ります。
で、「無限or有限責任」の意味(違い)は、
「○×会社」という法人が第三者に対して有する債権債務関係(=責任)が、
当該法人とは本来別人格の社員にも及ぶか否か、の違いです。
これを事例を挙げて、簡単に説明すると、
無限責任社員の場合には、例えば、
「○×会社」の契約の相手方から、債務の履行を迫られたときは、
その請求に応じなければなりません。
これが有限責任社員だと、同じような場面では、
「オイラは『○×会社』とは別人格だから、アンタにお金を支払う義務はないよ」
といって、請求を逃れることが出来るのです。
まだ、続くよ!!
>>556 (続き)
このように、その責任の重さは、無限>有限責任社員ってなります。
で、この責任の重さの代償として、
定款(=その会社の「法律」みたいなもの。要は校則と同じ)に特別の定めがないときは、
自動的に無限責任社員に対して「業務執行権」(≒会社の代表権)が認められます(商151条1項)。
一方、有限責任社員には「業務執行権」は認められませんが、
代わりに、会社の業務執行が適正かどうかを監視する権利(監視権)が、認められるのです。
そして、「監視」を具体化する手段として、
会社の賃借対照表の閲覧請求権や、会社の業務・財産の状況を検査する権利が明文で認められます(商153条1項)。
さらに、同条2項により、「重要ナル事由」があるときには、
裁判所の許可を得て「何時ニテモ」さっきの検査権を行使できます。
また、「役職名」の話ですが、
>>552にもあるとおり、
「取締役」という名称は、商法第4章の「株式会社」、
及び商法の特別法である有限会社法には出てきますが、
合名会社・合資会社については出てきません。
で、役職名でなじみ深い「社長/副社長/専務/常務」等の名称については、
法律上の名称ではないので、これを称することはある種「自由」といえますが(商262条参照)、
「取締役」は、れっきとした法律用語である以上(商254条以下を参照)、
たとえば、合資会社の無限責任社員が「代表取締役」と記名して、契約書を作成した場合、
その契約書の法的有効性には疑義が生じ得ます。
今まで、合資会社の対外的な法的文書で「取締役」という名称を付したものは、
私はお目にかかった覚えがありません。
もっとも、そのように「詐称」した判例にも今までお目にかかったことがないので、
実際争われた場合に、どのように裁判所が判断するかは何とも言えませんが…。
あまりに、「おヴァカ」な話ですから…(w