おら正助だ。part4

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112名盤さん
「さてと、厨房と遊んでやるかな」
1は、自らが厨房という事実を全く認識しないまま、今日も
駄スレを立てるのであった。そしてパソコンの電源を切り、
どんなレスが付くのだろうと一人、布団の中でニヤニヤしながら
妄想に耽っていた。1は真性のマゾであった。煽られれば煽られる程、
快感を覚えるという、異常性癖があった。 「逝ってよし!」「ドキュソ」「放置だな」
様々な煽り言葉が、1の頭をよぎる。 (あぁ、もっと、もっと煽ってくれ!)
興奮の渦の中、1は眠れない夜を過ごした。
翌日、目が覚めると同時に1はパソコンを起動させ、昨夜自分が立てた
スレを探した。今までの経験上、すでに沈没していて見つけるのに苦労する
のだが、今回は違った。なんと、一番上にスレがあったのだ。
しかも、多数のレスが付いている。 「おぉ、今回は大漁だ…」
1は期待を胸に、レスを順に読んでいった。しかし、何かが違った。
今までの「逝ってよし」といった、見慣れた煽り文句は無く、
「IPが残るのにね…」「警察に届けました」「晒しage」
といった、何やら物騒な言葉がそこにはあった。
113名盤さん:2001/07/31(火) 03:19
「は?このくらいで逮捕される?やっぱこいつら厨房だよ!!」
1は、自分が置かれた状況を全く理解していなかった。
1は自らが立てたスレッドでのカキコを眺めながらニヤニヤしていた。
「今頃、1は震えているんだろうな」「逮捕age」
(俺は煽りが欲しいんだ! あぁ、もっと、もっと煽ってくれ!)
少しセンセーショナルなスレッドを立てれば、自分が話題の中心になれる。
その恍惚感が忘れられず、1は毎日のように糞スレッドを立て続けた。
しかし…。

>>1ちゃん、朝早くからごめんね…あのね…」>>1の母親が>>1の部屋をノックする。
「んだよ!うるせぇんだよ!」実社会では他人に文句の一つも言えない>>1だが、母親には強い。
しかしその後の母親のセリフは、>>1の眠気を吹き飛ばすのに十分な内容だった。
「あ、あのね、警察の人が>>1ちゃん、訪ねて来てるんだけど、何もしてないわよね?」
その母親の泣きそうな声を遮るように、野太い声がドアの向こうから>>1を射抜いた。

>>1さん…ですね?裁判所から公務執行妨害の疑いで、あなたに逮捕状が出ています。」
>>1は足下が不意にぐらつくのを覚えた。そしてドアを開けた。あまりの衝撃の強さに、>>1はドアを
開けた自覚も感覚も無かった。ドアの前には、5,6人の人間が立っていた・・・。
114名盤さん:2001/07/31(火) 03:19
「あ、あのぅ…な、な、何かの間違いでしょう・・?」>>1はそう言いかけたが、言い終わらないうちに
「すべて、ログは取れています。時間、場所、アクセスポイント、すべて証拠はそろっています。
地方裁判所も、この証拠を認めて逮捕状を発行しました。あなたに対してね。」
あくまでジェントルに、しかし無慈悲な捜査員の声が高らかに響く。
呆然とした>>1は、夢ならば早く醒めて欲しい、そう心の中で叫び続けた。
「認めるんですね?」捜査員の声にビクッと反応した>>1は、こっくりとうなずく。
それを聞いた捜査員は、これまでとはうって変わったような低い口調で、同僚に告げる。
「6時2分、容疑者逮捕。おい鑑識、容疑者のパソコンの電源を入れろ。証拠写真を撮る。」
「ハードディスクはどうしますか?」まだ若い捜査員が答える。
「システム一式、丸ごと押収する。そのままでかまわない。…お母さん、とりあえず>>1さんに
向こう3日分の下着を用意してあげてください。署に連行して聴取しますので。」
母親は力が抜けたようにその場に崩れ落ちた。あわてて女性捜査員が、母親を支える。
>>1が震えながら訴える。目は泪で潤んでいた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!本当にそんなつもりはなかったんです!」
「君がそうだったとしても!!」突然大声になって捜査員が、>>1の蚊の鳴くような声を遮る。
「…君は刑事犯罪を犯してしまったんだよ。ネタじゃ済まない。もう、逃げられないよ。」

>>1に対する司法の制裁は、まだ始まったばかりだった