38 :
名無し娘。:
中折れの扉を肩で押し開けるようにして、一人の男がバスに乗り込んだ。
黒っぽいランニングシャツにブラックジーンズ。ジャイアンツの縫い取りのある黒い野球帽を目深に被っている。
「・・・? あー、あの〜何スか?」
声を掛けた矢口には取り合わず、男はズボンのベルトに挟んでいた刃物を取り出した。
刃渡り30センチは優に超える刺身包丁だった。
「なぁ・・・・っ!」
キャベツでも切るようなざくざくという音が社内に響く。運転席側の窓が鮮血で染め上げられた。
39 :
名無し娘。:2001/06/09(土) 22:26 ID:s6yHIDMM
(゚д゚)サゲー
40 :
名無し娘。:2001/06/09(土) 22:30 ID:zfolK1aA
ぐったりとした矢口の身体を男はやすやすと抱え挙げ、無造作に窓の外へと放り出した。
矢口はうつぶせになってコンクリートの上に倒れ込む。
白っぽいザラザラとした地面に赤い水溜りが広がり、ゆるやかに染み込んでいく。
水風船が割れたとき、丁度あんなふうだったかな。。。
辻は見入られたように窓の外から目が離せなかった。
41 :
名無し娘。:2001/06/09(土) 22:32 ID:zfolK1aA
「や! いや! いややって!」
すぐそばで悲鳴があがる。加護だ。
辻はでも、窓の外から視線を剥がすことができない。
隣で起こってることなど見たくもない。
「・・・・っ」