五角形の面積比問題

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154132人目の素数さん
証明してみました。

T=S'/S≦(1+√5)/2

(証明)
X={(A,B,C,D,E)|ABCDEは相異なる5点でその凸包の周上にありこの順で正の向きにならんでおり凸包の面積は0でない。}
としておく。F:C→E^2 を直線 BD,CE の交点をあたえる関数としておく。
(A,B,C,D,E)∈X ならこの2直線は平行でないのでwell defined。
同様に関数G,H,I,Jをそれぞれ対角線の交点でその凸包の周上でこの順にならぶようなものとする。
関数 S,S',T は X の内点で全微分可能であることに注意する。
次の3つをしめせばよい。

(Claim1)
関数 T は X 上で最大値をもつ。

(Claim2)
関数 T の X の境界上では最大値をとらない。

(Claim3)
ABCDE が Affine 変換で正5角形にならないならそこでの T の微分 dT は 0 でない。
155132人目の素数さん:2001/05/07(月) 10:22
(pf. of claim 1)
M = T の上限とする。(M=∞も可) p_n=(A_n,B_n,C_n,D_n,E_n,)∈X を T(p_n)→M (n→∞) となるようにとる。
Affine 変換で A_n=A=(0,1), C_n=C=(-1,0), D_n=D=(1,0) としてよい。
このときPQRSTはACDにふくまれるので S'≦1。
一方
 ABCDEの面積
 = ABCの面積+ACDの面積+ADEの面積
 = √2(Bと直線ACの距離)+1+√2(Eと直線ADの距離)
より定数 k を(B_nと直線ACの距離),(E_nと直線ADの距離)≦k ととれる。
(もしそうでなければ S(p_n)→∞なのでT(p_n)→0。これはM>0に反する。)
よって E_n は領域 {(x,y)|x+y≦k} のなかにある。
一方 A,D が凸包の内点にないことから E_n は領域 {y-x≦1},{y≧0} になければならない。
これらの領域の共通部分は compact なので E_n はある E に収束するとしてよい。
また E_n→A または E_n→D ならやはり T(p_n)→0 なのでそうはならない。
よって E≠A,D ととれる。同様に B≠A,C を B_n→B ととれるとしてよい。
このとき (A,B,C,D,E)∈X なので m<∞ かつ m は X における最大値となる。

(pf. of claim 2)
領域 X の境界は
 ∂X={AはEB上}∪{BはAC上}∪{CはBD上}∪{DはCE上}∪{EはDA上}
なので{AはEB上}では最大値をとりえないことをしめせば十分である。
この領域の点(A,B,C,D,E)で最大となったと仮定する。
Bの変分B'=B+δBを線分BC上にとる。(5角形ABCDE-5角形AB'CDE)=(3角形ABB')
でBB'を底辺と考えれば高さは共通なのでδSはδBに比例する。
一方H→H',I→I'とすると(5角形FGHIJ)-(5角形FGH'I'J)=(3角形AH'I')で
AH'I'=1/2(sin∠CAD)AH'AI'、AH',AI'ともにδB に比例することを考えれば
それはδBの2乗に比例する。ゆえにδT=(SδS'-S'δS)/S^2>0 (δB<<1)。
これは仮定に反する。
156132人目の素数さん:2001/05/07(月) 10:22

(pf. of claim 3)
(A,B,C,D,E)∈X をδT=0 なる点とする。ことときAB//CE//HG,BC//DA//IF,...,
EA//BD//GI を示す。そこで A を通るBEに平行な直線lをとりこのl上をBにちかづく
方向にAを微小距離hだけずらす変分をかんがえる。この変分でA→A',G→G',H→H',
I→I',J→J'と変化したとする。(他の点は動かない。)
よってδS=0,δS'=(II'J'Iの面積)-(GG'H'Hの面積)。
Jを通りlに平行な直線mをとりmとA'Cの交点をJ"とする。h→0で(JJ'J"の面積)=0+o(h)
(small o)がわかる。(証明略。もっと正確には 0+O(h^2))
ここでAと直線BEの距離をsとすると

 (IJJ'I'の面積)
 =(IJJ"I'の面積) + O(h)
 =(1/2)(II'+JJ")IJsin∠BIC + O(h)
 =(1/2){(CI/CA)h+(CI/CA)h)IJ(s/AI) + O(h)
 =(sh/2)(IJ/CA)(IJ+2JC)/AI + O(h)

同様にして

 (GHH'G'の面積)=(sh/2)(HG/DA)(HG+2GD)/AH

よってδS'=0より

 (IJ/CA)(IJ+2JC)/AI=(HG/DA)(HG+2GD)/AH...(*)

同様にして

 (JF/DB)(JF+2FD)/BJ=(IH/EB)(IH+2HE)/BI
 (FG/EC)(FG+2GE)/CF=(JI/AC)(JI+2IA)/CJ
 (GH/CD)(GH+2HA)/DG=(FJ/BD)(FJ+2JB)/DF
 (HI/CE)(HI+2IB)/EH=(GF/CE)(GF+2FC)/EG

から

 (IJ/CA)(IJ+2JC)/AI=(JI/AC)(JI+2IA)/CJ

よってAI=JCを得る。同様にしてBJ=FD,CF=GE,DG=HA,EH=IB。
JC=AIよりIJ+2JC=IJ+JC+AI=ACを(*)の左辺に代入すると(*)の左辺=IJ/AI。
同様にして(*)の右辺=HG/AH。よってIJ/AI=HG/GD。以下同様にして

 AI=JC,AH=GD,AI:IJ:JC=AH:HG:GD
 BJ=FD,BI=HE,BJ:JF:FD=BI:IH:HE
 CF=GE,CJ=IA,CF:FG:GE=CJ:JI:IA
 DG=HA,DF=JB,DG:GH:HF=DF:FJ:JB
 EH=IB,EG=FC,EH:HI:IG=EG:GF:FC

よってAB//CE//HG,BC//DA//IF,...,EA//BD//GIを得る。
これらの条件からABCDEを適当なAffine変換で正5角形に移せる。