刻限は夕方、学校帰りの風景だとでも思いねぇ。
玲 「穂希ちん、次のコス決まった?」
穂 希 「うんにゃ。さやかの本の内容に合わせっから、そっちが決まり次第」
さやか 「うん、早く決めちゃうね」
樹 「またヲタくせー話か?よくも飽きねーもんだな」
穂 希 「あんたも四の五のうっさいね。さやかが好きなら趣味くらい理解してやれっての」
玲 「そうだそうだ、けーれけーれ!」
さやか 「………(赤面)」
樹 「だ、だから何でそっちに話持ってくんだよ!そうじゃなくて……(同じく赤面)」
??? 「ターゲット・インサイトでつの!☆」
さやか 「え?」
樹 「あ?」
??? 「兄チャマをチェキでつのーっ☆」(しゅたっ)
樹 「おわぁっ!」
どんがらがっしゃーん!
玲 「ぁゎゎゎ、何事!? 」
穂 希 「小学校3年生程度と思われる女子が、樹めがけてトペ・スイシーダで突っ込んできた!(説明的台詞)」
樹 「い、いってぇ…」
??? 「お久しぶりでつの! 樹お兄さま、あなたのいすずが参りましたでつの☆」
穂 希 「え……いすず、ちゃん?」
さやか 「…あなたの……?」
いすず 「どうしたでつの、お兄さま? まこぴーにつままれたような顔をしてるでつの☆」
樹 「なんでもいいから…どいてくれ……痛い…」
いすず 「あら、面目ないでつの☆ 未来の旦那様に、ご無礼つかまつりましたでつの☆」
玲 「未来の」
さやか 「旦那、様?」
樹 「なぁぁ!?」
いすず 「お兄さまったら、いやでつの☆ 許嫁のいすずの顔をお忘れでつの?☆」
さやか 「樹…君?」
樹 「ちょ、ちょっと待てぇ、何の事ったかわかんねぇって!」
いすず 「いやでつの、お兄さま☆ いすずとお兄さまは、親同士が約束し合った許嫁の関係でつの☆」
穂 希 「…ああ、お母さんだ、そういう事しちゃうの……」
樹 「だから、そんなの知らないって…いつ決まったんだよ、そんなの」
いすず 「今さっきでつの☆ 『うちの娘を樹君に許嫁にしたいですの☆』『うん、いいねいいね』って言ってたでつの☆」
玲 「茶飲み話かよ!」
穂 希 「お母さん……」
樹 「あほかーっ!」
さやか 「あの…いすずちゃん?」
いすず 「あ、さやかお姉様、おひさしぶりでつの☆」
さやか 「あのね、さっき言ってた…」
いすず 「許嫁のことでつの?☆ 心配いらないでつの、いすずは樹お兄さまに幸せにしてもらうでつの☆」
さやか 「………」
いすず 「そして、さやかお姉様にも幸せにしてもらうでつの☆」
さやか 「……え?」
謎の影 「なにをッ!?」
いすず 「今日、お母様は彩おばさまともお話ししてたでつの☆
『せっかくだから、さやかちゃんも許嫁にしちゃうですの☆』『…さやかは女の子…いえ…いいですね』って言ってたでつの☆
いすずはさやかお姉様と華燭の典を挙げるでつの☆ ラヴィンニューでつの〜!☆(;´Д`) ハァハァ」
玲 「また茶飲み話かい!」
さやか 「い、いやぁ〜」
謎の影 「ちょおっと待ったぁッ!!」
いすず 「さやかお姉様との愛の語らいを邪魔するは、何奴でつのっ!?☆」
晴 海 「貴様如きリアル消防にさやかを渡しはしないわ!その首掻っ切ってくれる!」
さやか 「晴海ちゃん!」
穂 希 「神出鬼没な…」
いすず 「上等でつの!☆ 愛は障害が大きいほどに燃え上がるものでつの!☆」
晴 海 「覚悟しろ! キエエーッ!」
いすず 「ホホホ、一瞬で滅びよ!」
玲 「あ、キャラ変わった」
樹 「女ってのは一体何考えてんだか、最近ますます解んなくなってきてさ」
ぃょぅ 「ぃょぅ」
樹 「相談相手がおまえってのもなぁ」
ぃょぅ 「貴様如きに女性心理を理解なんぞ、百年早いんだょぅ」
樹 「てめえ」