葉鍵ロワイヤル!

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735文章書きは苦手なんですよね
「ようやくだ。ようやく、この悪夢も終わる……」
 オフィスビルの一室で、有島は呟いた。
 傍らには四つの死体、その中にはこのゲームの管理役、ナカムラもいた。
 有島の突然の訪問にもナカムラは疑問を持つことはなかった。
 正確には、持つことを許されていなかった。
 鈴木の部下になるということは、自分を捨るということ。
 絶対服従。
 その四文字だけが、今の彼の全てだったのだ。
 故に有島が自分に銃を向けた時も同じ、ただ目の前の光景を見つめ、受け入れて、逝った。

「生存者は……なっ! これは……」
 有島はこれ以上続けることはできなかった。
 機械を操作し、ディスプレイに生存者リストが表示され……。
(YETさん……久弥さん……)
 そこに、彼等の名前はなかった。
 彼の憧れのONE製作メンバー。
 その中でもYET、久弥、麻枝に対する感情は特別だった。
 シナリオライターとして、久弥と麻枝は彼の目標であり、そしてタクティクスに配属になった際に、YETには本当に世話になっていた。
(忘れるものか、ONEを全て終えた後の、あの感情を!)
(感動した? ふざけるな! そんな言葉で済まされるものじゃない!)
(茜の別れのシーン……あんなに美しいシーンを編み出せる人がいるなんて、俺は知らなかった)
(俺もいつか、この人達みたいな、いや、それ以上のライターになりたかった)
(第一歩に、まずは彼等と同じ職場で彼等の手助けをしたかったんだ)
(それなのに……それなのに……っ!)

「また俺は! 間に合わなかったのかっ!!」
736続き:2001/04/03(火) 03:10
 誰が死んでも、感情を表に出すことはなかった。
 その程度の冷徹さは身に付けたつもりだった。
 それに、これは充分に予想される事態であったのだ。
 しかし、そんなものは現実の前には、紙より薄いものに過ぎなかった。
 あるいは誰かが側にいたら、これほど取り乱すことはなかったかもしれない。
 だが、ここには彼独り。
 噛み締めた奥歯は砕け、握りしめた拳で何度も床を叩き、その手からは血が流れ出て……。
 堅く閉じた瞳からは、それでも、とめどない涙が流れ続けた。

(ふざけるな……)
(ふざけるなっ……)
(ふざけるなっ……!!)
「もうこんなことはたくさんだ!!」
 島内放送のスイッチを入れ、力の限り叫ぶ。

「聞いて下さい! 皆さんはもう、殺しあう必要はありません!」