葉鍵ロワイヤル!

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「うーん、うまいでしゅね〜」
「あの、みきぽん…。さっき魚捕まえるとき、口からなんか出てなかった?」
「ん? 気のせいでしゅよ。ほらほらいたるっちも食えっっ」
「そうね、食べましょう。先のことを考えたら、体力をつけておいたほうが良いからね」
樋上いたる、みきぽん、しのりーの3人は、近くの池で取った魚を焼いて食べていた。

がさがさっ
近くの茂みが揺れた。
「誰っ?」
しのりーが驚いて立ち上がる。
「やっほ〜」
あか抜けた声とともに、みつみ美里が顔を出した。

「あ、みつみしゃん」
「ん〜、おいしそうな臭いにつられて来ちゃった。ねえねえ、あたしにもお魚ちょーだい」
「いいよ、ちょうど4本あるし。ここ、おいでよ」
いたるが席をあけようとしたその時、
「それ以上近づかないで!」
しのりーが懐からナイフを出し、みつみに向けて叫ぶ。
「なあによう、あんた」
みつみがふくれっ面になる。
「ごまかさないで。私は見てたのよ。貴方が、Charmさんと甘露さんを殺すところを」

しのりーの言葉に、いたるとみきぽんが驚く。
「それも、追いつめられてしかたなく、じゃなくて、平然とした顔でっ…
 すぐにどっかへ行ってよ!でないと…」
「でないと?」
「あなたを、殺します!」
しのりーは脅しをかけたが、みつみは平然と笑っていた。
「…ふ〜ん。おとなしくしてれば、仲良くしてあげたんだけどな」
「あんた、なまいきー」
みつみの左手が動いた。
「わぷっ」
顔に砂をひっかけられたしのりーは、とっさに目をつぶってしまう。
その隙を、みつみは見逃さなかった。

ざんっ
鎌で、横一線になぎ払った。
喉が、切り裂かれた。

「きゃあああっ」
「はわわわっ」
血を流しながら倒れるしのりーを見て、いたるとみきぽんが悲鳴をあげる。
「あたしにかなうわけないじゃない。そんじょそこらの一般人のくせに」
しのりーを始末したみつみは、デリンジャーを取り出し、残りの二人に銃口を向けた。
「さっ、覚悟はいい?」

「逃げるでしゅっ!」
いたるとみきぽんは恐怖に耐えられなくなり、全速力で駆けだした。
ばん
みつみのデリンジャーが火をふいた。
「痛っ」
銃弾が横腹に当たり、みきぽんが倒れる。

「みきぽんっ!大丈夫っ」
みきぽんの悲鳴に、いたるが振り返り、足を止めた。
「ばか!いたるっち、はやく逃げるでしゅ!」
「あたしは逃がすつもりないんだけどな〜」
みつみが近づいてきた。
「いたるっ、逃げて!」
みきぽんは最後の力をふりしぼって、火炎瓶を取り出し、
まだ火の消えてない焚き火に向かって、おもいっきり投げつけた。

ぱりいん。
瓶が割れ、火柱が上がる。近くの枯れ木や葉に燃え移り、たちまち炎が広がった。

ごう。
風に煽られ、炎がみつみを襲った。
「な、なによこんな火っ、あたしは、クイーンなんだからあああっ…」
そしてみつみの声が、炎の中へ消えていった。

「みきぽん、しっかりしてよう」」
いたるは泣きながら、みきぽんに抱きついた。
「私はもう、動けましぇん」
脇腹を押さえて、みきぽんは消え入りそうな声で、いたるに語った。
「…いたる、生きて。私と、しのりーのぶんまで。
 何で…こんなことになったのか、生きて、確かめてくだしゃい」

「みきぽん…」
「泣かないで、いたるっち…ほら、笑って。可愛い顔が台無しでしゅ」
みきぽんはいたるの涙をそっと手でぬぐい、せいいっぱいの笑顔を見せた。
「楽しかったでしゅねー…、みんなと、仕事していた、あの頃…」

「みきぽん? ねえ、みきぽんっ」
「…」
「ねえっ、返事してよっ、みきぽんっ…」
いたるはみきぽんを激しくゆさぶったが、もう、声は返ってこなかった。
「ぷはっ…」
池の中から、みつみが顔を出した。
全身が炎に包まれる前に、とっさに池の中へ飛び込んだのだ。
「ふええん、顔がひりひりするうっ」
少しやけどしたみたいだ。
「あの娘たち、今度見つけたら、ただじゃおかないからー!」


26 みきぽん 27 しのりー 死亡

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