新観月マナスレ

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326名無しさん@見習い
駅前を歩いていると、どこからか子供の泣き声がする……

「ぅえぇ〜ん!! 痛いよぉ〜!!」
「よしよし。大丈夫、だいじょうぶだからねー。痛くない痛くない」

誰かがその子を慰めてあげているようだ。
俺はふとそっちに目線をやる。

「男の子でしょっ。ほぉ〜ら、泣かないの。よしよし」
「うぇっ、ぐすっ……」

俺は一瞬目を疑った。子供をあやして慰めているその女の子は
どう見ても、マナちゃんだったからだ。

「よーしよし、ほらっ我慢我慢。いつまでも泣いてると
笑われちゃうぞ?」
「ひっく……」

マナちゃんは優しく語りかけながら、その子の頭を撫でて
あげている。

「ほらっ、お姉ちゃんがおまじないしてあげるから」
「いたいのいたいのとんでいけ〜」

飛んで行った先で、俺とマナちゃんの目線が交差する。

「あ……」

固まるマナちゃん。
手を軽くあげて返事を返す俺。
327名無しさん@見習い:2001/06/03(日) 02:29
マナちゃんは一瞬、マズイところを見られたという表情を
したが、すぐにさっきまでの優しい笑顔に戻って、男の子
に話し掛けた。

「どう? 痛くなくなったでしょ?」
「ひっく……(こくっ)」
「よーし、良く我慢したね。えらいえらい」

おまじないが効いたのか、男の子は泣き止んだようだ。

「大丈夫? おうちに一人で帰れる?
お姉ちゃんがついて行ってあげようか?」
「うぅん…………だいじょうぶ」
「そっか、大丈夫か。今度から気をつけなきゃダメだよ?」
「うん……」
「じゃあ、お姉ちゃんは行くからね」
「うん……お姉ちゃん、ありがとう」

マナちゃんは最後にその子の頭にポンと手を置いて、
そして立ち上がった。
帰っていく男の子を見送ったあとで、マナちゃんは
ようやくこっちを振り向いた。

「あ、あははっ……」

顔いっぱいに、照れくさそうな表情を浮かべている。
328名無しさん@見習い:2001/06/03(日) 02:30
「マナちゃん、優しいんだな」
「なっ、なによぉ。どうせ意外だとか思ったんでしょっ!」
「そんなことないって。感心したよ。俺は子供の扱い方って
苦手だから尊敬しちゃうな」
「え……あ、ありがと……」

俺にからかわれると思っていたのだろうか。
マナちゃんは拍子抜けしたような表情を浮かべた。
でもすぐにいつもの笑顔に戻って、

「ふふっ、冬弥さんもこのくらい出来なきゃダメだよ?」

誉められたので、マナちゃんもご満悦のようだ。

「そうだ、これからお買い物行くんだけど……
冬弥さん、もちろん付き合ってくれるよねっ?」

こんな日は、マナちゃんのワガママに一日付き合って
あげるのもいいかもしれない。
329名無しさん@見習い:2001/06/03(日) 02:32
普段は子供っぽいけど、たまにはお姉さんっぽいところを
見せるマナたん萌え〜。と思って書いてみました。