>>166-169@`185
好評を得ているようで、大変嬉しいです。今夜も逝きます。
「ほれ、詠美。まだ寒いか?」
「ううん、へいき…あ、ありがと…」
普段は照れくさくて躊躇う言葉を何気なく口にして、詠美はほこほこと湯気の
のぼるマグカップを和樹から受け取りました。甘やかなチョコの匂いでもう待ち
きれず、詠美はおちょぼ口になってふうふうしてから、そおっとすすります。
すずずっ…
「どうだ…?」
「…ちょ、ちょっと熱すぎ〜。まぁ飲めないってことはないから、いちおー飲ん
であげるわっ。」
「はいはい。」
同じくマグカップを片手に和樹は目を細めて問いかけますが、それでも詠美の
返事は相変わらずのあまのじゃくです。それでも和樹は気を悪くすることもなく、
苦笑しながら自分の座布団に腰を下ろします。
結局あれから詠美は、ダウンジャケットから何からが乾くまで和樹から借りた
厚手のパジャマを着ていることになったのです。
シャワーを浴びた髪はまだ湿っていますが、こうしてファンヒーターを独り占
めするように体育座りしていれば、すぐにでも身体は暖まるでしょう。普段より
美味しく感じるホットチョコもあって、心の中からぬくもりが拡がってくるよう
です。