初音ちゃん萌え〜

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888波路上はつね
01/02/27 PM 6:17

「じゃあねーっ!」
「また明後日ね、はつねちゃー!」
二泊の京都旅行を終え、仲良く手を振り会う。
ここで加奈子と由岐と別れると、家まではもう独りだ。
アンテナを風になびかせ、たったかたったか駆けてゆく。

(今日の晩ご飯は何かな〜♪)
お兄ちゃんも、家にいてくてるかな・・・
そんなことを考えながら息せきかけかけ門をくぐる。
「ただいまーっ!」
ぱたぱたと元気のいい音が柏木家に響く。

静寂。

(あ、あれ?)
妙に屋敷の中は静まりかえっていた。
生きとし生けるもの悉く死に絶えたかのようだ。
「おねえちゃーん?おにいちゃーん?」
返事がない。
889波路上はつね:2001/02/28(水) 00:04
部屋に戻り、着替えてから暫く時間が流れた。
(みんな、どうしちゃったのかな……)
することもないので机の上のペンダントに目をやる。
あの日、もらった大切なペンダント。
(お兄ちゃんも、お姉ちゃんも私の誕生日、忘れちゃったのかな……)

祝って欲しい、とは思わなかったが
それでもせっかくの誕生日、一言おめでとう、とでも言って欲しかった。
(お父さんなら、、、お母さんなら、、、)
きっと、こんな日には「おめでとう」っていってくれたのに、、、

在りし日の思い出にふれ、ふと目頭が熱くなった。

かち、、、こち、、、かち、、、と時計が等しいリズムを刻んでゆく
ぽさ、とベッドの上に倒れ込むと、白い天井が広がっていた
890波路上はつね:2001/02/28(水) 00:05
7時の、鐘が鳴った。

(お夕飯、私が作らなきゃ、、、)
もそもそと立ち上がり、台所へと向かう。
近道をしようと暗い居間に足を踏み入れた、刹那。

「きゃっ?!」
突然まばゆい光が瞳に射し込み、ぱぱーーんっ!と軽快な音が鳴り響いた。
つづいて、紙吹雪が舞う。
「ななな?」
「おめでとう!初音ちゃん!」
「おめでとう、初音」
「初音、お誕生日おめでとう!」
「…おめでとう、ハツネー」
891波路上はつね:2001/02/28(水) 00:05
慌てる初音ちゃんに四人が群がる。
「ははは、驚いた?いや、みんな初音ちゃんのお誕生日だし一生懸命準備したんだよ〜」
「もう、驚いたぜ。デパートに行ったら楓がじぃーっとディスプレイの前で
かがみ込んでてさ、こっちみて”買って”ってスカートつかんできたんだぜ?」
「……ずーっと悩んだんだもん」
「それに、買ったのは私でしょう?梓なんて、もってくるだけだんだから!」
「え?ええ?え?」
今ひとつ飲み込めてない初音ちゃんに近づき、
俺はわしゃわしゃと髪の毛をなでた。
「夜中にさ、楓ちゃんが来てさ、『ハツネのお誕生日に、何かしてやりたいんです』
っていうからデパートに連れったらさ、梓に千鶴さんとみんなして
初音ちゃんのお祝い選びにいくんだもんな〜。
俺、一日中つきあわされてたんだぜ?」

「はな!はははは!」
梓が近づき、ぽぽーんと初音ちゃんの方を叩いた。
「目出度いじゃないか!ほら、お祝いお祝い!」
と、初音ちゃんの動きが止まった。
見ると、肩をふるわせている。梓も初音ちゃんの異常に気がついたようだった。
「は、初音?」
892波路上はつね:2001/02/28(水) 00:05
「うぐっ、、、くすん、、、ぅん、、、」
見ると、初音ちゃんは大粒の涙を浮かべて泣いていた。
「は、初音ちゃん?!どうしたの?クラッカー、目に入った?」
思わず駆け寄る俺達。
そうだ、部屋を暗くしたりしたせいで何処かぶつけてたんだろうか、、、?

「。。。しいよぅ」
「え?何?」
「わ、、、私、、、嬉しい、、、」
「初音ちゃん!」
初音ちゃんは、どうも何処か悪いようじゃなかった。
「私、、、帰ったら誰もいないから、、、
みんな私の誕生日忘れてたのかと思って、、、
ちょっぴり、、、悲しくなって、、、でも、、、みんな、、、」
893波路上はつね:2001/02/28(水) 00:06
耐えきれなくなったのか、初音ちゃんは俺の胸に飛び込んできて
ぽろぽろ大粒の涙を零し始めた。
「うああぁ、ありがとう、お兄ちゃん!ありがとう、お姉ちゃんたち!」
俺は、胸の中で泣きすくむ小さな、暖かな手応えを感じていた。
みんなが近づいてくる。
「ほら、初音ちゃん、もう泣かないで」
くいっと力を入れると、あっさり初音ちゃんはこっちを向いた。
瞳が、涙に濡れている。
「みんな、初音ちゃんのお誕生日、まってたんだから」
楓ちゃんが畳を三回踏む。用意の合図だ。
俺達は、すうっと声を合わせる。

「ハッピバースデー、初音!」ツマラなかった(゚д゚)?!
ほら、昨日の柏木家の出来事再録だと思って許してクレ……(´Д`)