英語の勉強の仕方・11

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20いいめえる
>>6に貼る予定だった原稿その1です。

● 『ビジュアル英文解釈』および伊藤メソッドの学習法について・その1●
○『英文法のナビゲーター』とは何なのか?
『英文法教室』(研究社)という本がありました。
 この本は、それまでの「文法は暗記するモノ」という概念を根本から覆し、その後の受験英語の在り方を革命的に変えた文法書でした。ただ、たいへん高度で、高校生レベルで読みこなすのは困難です。
 ところで、『英文法教室』のどこが「革命的」だったかというと、それまでは、文法がいわば「英文を説明するためのもの」だったのに対し、この本では「英語をアタマから読むための道具」として再編されたのです。
 『英文法のナビゲーター』は『英文法教室』をさらにわかりやすくした本です。もっと正確に言うと『英文法教室』を問題演習化したのが『新・英語頻出問題演習』その『新・英頻』を講義かした本が『英文法のナビゲーター』です。構文演習への橋渡しとしてはこれ以上の本はありません。

○『ビジュアル英文解釈』とは何なのか?
 名著『英文解釈教室』は英文中に現れるすべての構文を5文型の範囲内で説明しています。また、その構成は「英語をアタマから読むための思考法」ということで一貫します。
 ただ、そういった「メソッドの一貫性の優先」の弊害で、頻度の高い構文も低い構文も同じような扱い方をされ、頻出の大切な構文なのに数がこなせないとか、それほど使われない構文なのに数例の例文が上げられるなどの現象が見られます。その欠点の克服を試みたのが『ビジュアル英文解釈』です。
 『ビジュアル』は、それほど無理のないやや量のある英文の演習を通して、基本的な構文を習得し、既習の構文を使い前よりやや難易度の高い英文で、次に大切な構文を学ぶという、段階式の演習を試みています。
 大切な構文は繰り返し現れ、そうでないものは英文の難易度が上がるにつれ現れるという、わかる人にはため息さえ出るほど、芸術的ともいえる英文選択をしています。そして、最後までいったとき、いつの間にか受験に必要な構文は、その重要度に応じて習熟している、というわけです。
 こんな本は他にはないし、たとえ伊藤先生に「もう1冊書いて欲しい」と言っても、できたかどうかさえ疑ってしまうほど、奇跡的なツクリだと思います。
21いいめえる:2001/01/27(土) 00:11
その2です。

● 『ビジュアル英文解釈』および伊藤メソッドの学習法について・その2●
○『ビジュアル』と『英文解釈教室』との違い
 『ビジュアル』は偏差値50以上くらいから問題なく使えますが、『解釈教室』は最初から60以上を要求します。 また、『解釈教室』はほとんどの構文を網羅した 構文博覧会的な本なので、どこをやっても、あるいは どこで挫折しても、やったぶんだけの力がつきますが、『ビジュアル』は繊細に作り上げられた積み重ね式の本なので、途中で止めると効果が半減以下になってしまいます。最後まできちんと積み重ねないと意味がありません。
 もちろん、どちらも受験生のトップをねらえる本です。 ただ、『解釈教室』のほうが最終的なゴールは高いと思います。 理屈が好きで語彙力も自信がある まどろっこしいのは嫌いというなら、『解釈教室』でもいいですが 『ビジュアル』のほうが万人向けなので、 このスレッドでは『ビジュアル』を中心にお勧めしています。

※『ビジュアル』の勉強の仕方
全訳できれば、全訳したほうが効果があるのは間違いありません。
しかし、時間がかかりますし、挫折しやすいかもしれません。
その際は次のやり方をとってください。

1. 最初に辞書なしでひととおり読む。
2. 次に辞書を使って読む。
(2も、キーワードのみ引くのと全部引くの2回をやる効果的ですが、
しんどかったら1回でかまいません)
3. 辞書を引いてもわからない部分に下線を引いて紙に訳す。
4. 3を解説の全訳と比べる。

ここまでやれば、全訳するのにも効果はひけをとらないはずです

※伊藤メソッドにおける「文型」の考え方
 まずは文型をきちんと覚えることです。まずは解説を追いながら例文を確認し、その例文のなかだけで、「文型という現象」を確かめることから始めてください。
 「現象」というのは、伊藤メソッドだとSVXでSとXの関係がどうなるとき、XがO(あるいはC)になるのか、SVXXで2つのXXのあいだにどんな関係があれば、OO(あるいはOC)になるのか、そこに尽きてくるはずです。
※伊藤メソッドでは名詞句の副詞用法(『解釈教室』では「副詞的目的格」)も、文型を考える上で大事だと考えています。ご参考までに。

 あとは、実際の英文に触れ、動詞のあとをX(あるいはXX)と置いて、そういった考え方を当てはめて読んでいくことを繰り返せばOKです。
そうやって、どんな動詞がどんな文型に使われるのかが、だんだんと覚えられてくるはずです。