剣道の起源は韓国にあり!?Part9

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883名無しさん@お腹いっぱい。
705 名前:娜々志娑无 投稿日:2001/07/21(土) 01:06 ID:9/R0vWDs
>>682の記事を見る限り、まともなご研究のようですよ。要するに、『日本書紀』の
万葉仮名は原則として漢音(隋唐時代の平原音)系の字母を使用しているが、朝鮮
の地名や人名の表記に関しては、百済から伝わった朝鮮漢字音系の字母がそのまま
使用されているということがわかったってことでしょう? ま、『日本書紀』は
『百済記』や『百済本記』『百済新撰』のような百済の資料を結構沢山引用してい
ますからね。そういう意味では当然の結果のように私には思えますが。

 なお、この朝鮮漢字音とは別に、金石文や推古遺文、『古事記』といった比較的
由来の古い資料にはしばしば不思議な万葉仮名が登場します。例えば、「奇(カ)」
「宜(ガ)」「移(ヤ)」「意(オ)」「止(ト)」「里(ロ)」などですが、いず
れも現代日本人の漢字音知識からは奇妙に見えるものばかりだと思います。これら
の漢字音は呉音(六朝時代の南方音)よりも古い時代の漢字音を反映しているよう
でして、漢代の漢字音に由来するものではないかと推定されています。それが朝鮮
半島を経て日本に伝わったというのが通説です。記事ではこの漢字音も百済から伝
わったような書き方をしていましたが、『日本書紀』のはともかく、こちらの漢字
音まで百済から伝わったと断言できるのかしらんというのが正直な感想です。まぁ
日本と百済の関係を考えれば一番可能性が高いことは確かでしょうが、百済の成立
以前に伝わった可能性だってあるでしょうしねぇ。何にせよ、水野さんがそれを立
証したというのであれば、それはそれで素晴らしいことですが、何せ彼の論文を読
んでいないので、これ以上のコメントは差し控えることにします。

>>694名無しは、ひとりじゃない。 さん
>百済語が記載された文献資料って、あるの?
 『日本書紀』に固有名詞が収録されています。あと、同書の古訓(奈良〜平安期)
の中に若干の普通名詞を拾うことができます。「城(サシ)」「王(コニキシ)」
などがそれです。尤も、本当にこれが百済語かどうかはまだ検討の余地があるでし
ょうね。確率は少ないでしょうが、新羅語か高句麗語である可能性もありますので。
884名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 01:21 ID:jV3HiR7k
710 名前:娜々志娑无 投稿日:2001/07/21(土) 01:13 ID:9/R0vWDs
 そうそう。言い忘れていましたが、>>705でいうところの朝鮮漢字音と、現代の
朝鮮語で使用されている朝鮮漢字音はまったく別物ですので、誤解なきよう。前者
の漢字音は吏読や郷歌の借音表記に痕跡を留めてはいるものの、朝鮮半島ではとう
の昔に滅び去って、今朝鮮に残っている漢字音は、唐代以降に流入した由来の新し
いものばかりです。