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356346=347,,2000/11/14(火) 02:18,続きを期待してくれるなんて思ってもみなかった……。
また駄長文でスマソ

彼女は次の朝、予定より一日遅れでまた実家に帰った。
「大好きだ」って別れる前に言ったら「うん私も」っていってくれた。
今みたいに携帯が普及してなくて、
ポケベルでの会話しかできなくなった。
一度実家にも電話したけど、留守だった。
なぜか避けられてる気がした。
俺はわけわかんなくなって、彼女の親友に相談した。
付き合っていると話したらすごく驚かれた。
拗ねて冗談交じりに、「俺じゃあつりあわないのかよ」って言ったら、
「一生誰とも付き合わないって言ってたのに」
かなり強引に理由を聞いたら、中学のときの彼女はにいじめられっこで、
性的ないたずらもされていたそうだ。そしてそれ以来、
男性に対して恐怖心と嫌悪感を抱くようになっていたとのことだった。
ショックだった。今の彼女からは想像も出来なかった。
だけど彼女のガードの固さや抱いたときの涙の意味がわかった気がした。
悩んだ挙句、俺はこう思うようにした。
だけど彼女は俺を受け入れてくれたのだ。
俺なら彼女を癒せるんじゃないか。彼女をわかった気になっていた。
でもそれは俺の思いあがりだった。
後期授業の受講登録の日、俺は彼女と会うことにした。
昼飯を食べ、他愛もない話をして、さりげなく
「連絡くれなくて寂しかったよ。避けられてるかと思った」
といったら、
「ごめん。私**に話さなきゃいけない事があるんだ。
なかなか話せなくて…でも話さなきゃ会えないと思って」
彼女は俺の家で話したいといった。彼女は家に着くまで無言だったけど
俺には余裕があった。慰めの言葉まで考えていたから。
だけど、彼女の話には続きがあった。
彼女はいじめが嫌で学校を休むようになった。親にも相談できず
学校に行くふりをして昼間から公園や図書館でぼうっとしていたそうだ。
それが親にばれて怒られ、何もかもがどうでもよくなって、
ナンパしてきた男と付き合って、
そいつの知り合いの男に金で抱かれたりしたこともあるといってた。
結局、妊娠して男に捨てられてどうしようもなくなって
彼女は親に相談することが出来た。
結局高校は地元には通えず、遠くの女子高になったといっていた。
話の中の女が目の前の彼女のことだとどうしても認識出来なかった。
彼女の話す姿もまた、他人事のように淡々としていた。
「もう自分の中で整理がついているし、誰とも付き合えないと思っていた」
俺は何も言えなかった。混乱してしまっていた。
彼女を捨てた男に腹がたったし、
彼女に対し打算入りで接していた自分を恥じた。
なんでそこまで気づかないのか、周りの人間に腹が立った。
責めるつもりはなかったけど、彼女は泣き出していた。
彼女は泣きながらごめんなさい、って謝りつづけた。
「ごめんなさい、今まで黙ってて。
ほんとはこの前、話そうと思ったんだけど、嫌われるのが怖くて。
本当にごめんなさい、知ったらこんな女、抱いてくれなかったよね。
気持ち悪い思いをさせてごめんなさい」
あまり覚えていないけど、彼女は泣きながらこんなことを言っていたと思う。
俺は変な義務感から泣きじゃくる彼女を抱いた。
気持ち悪くなんかないよとか言いながら。
彼女はこの前が嘘であるかのように、消極的だった。
後で知ったことだけど、
この前のように歯止めがきかないのが怖くてずいぶん押さえていたそうだ。
そのときは、この前はずいぶん無理をしていたんだなと思った。
でも俺はフェラまでさせてちゃんと逝った。
中に出すのがなんとなく怖くなったから口の中で逝った。
彼女は全部飲めずに咳き込んでティッシュの中に吐いた。
逝った後ですごい自己嫌悪に陥った。今までで一番最悪のsexだっただ。
ずいぶんと時間がたって、彼女が帰るといったとき、俺は慌てた。
このまま帰したら関係が終わる気がした。夢中で抱きしめて好きだって言った。
今度は俺がごめんって謝った。彼女は大丈夫だって言ってくれた。,
357346=347=356,,2000/11/14(火) 02:33,ラストっす
彼女のことを思い出しながら一気に書いてしまった。

後期授業が始まって、始めて俺達は普通のカップルみたいに付き合えた。
授業が終わると待ち合わせて、二人で食事をした。
夜はどちらかの家に必ずいた。
友達は付き合いが悪くなったって言ったけど、そんなこと関係なかった。
だけど、俺達はあれから一度だってsexをしていなかった。
ただ、寝る前ベッドで肩を抱くと、時々小さく震えていることがあった。
彼女はsexをすると自分が自分じゃなくなるみたいで嫌になる。
ただ俺がしたいのなら努力はするって言った。
彼女にそんなことは思いはさせられないって思って、
俺は彼女を抱かなかった。
半年くらいそんな関係が続いて、
俺はだんだんと彼女のことを軽く扱うようになった。
難病患者の介護みたいだとか思って
一丁前に負担に感じている最低な自分がいた。
ナンパした女とセフレみたいな関係になって、
俺はそいつのほうにのめりこんでいった。
彼女に知られないようにしていたが、彼女は気づいていた。
さらに半年位して彼女にもういいよって言われた。
「私と付き合ってても、疲れるだけでしょ。私も疲れた。終わりにしよう」
殴られた気がした。なじられたほうがよっぽどましだった。
唐突に彼女を大好きだったことを思い出した。
そう思うと泣けてきた。
俺は別れたくないって泣きついた。
彼女は別れないと駄目だって泣いた。
負担になるのは嫌だから別れたい。
このままだとますます自分のことが嫌いになる。
気を使わず普通に接してくれるだけでいいのにって。
俺はすべて見透かされていたことを知った。
今思うと最後の半年は、彼女にとってただ辛いだけの日々だったはずだ。
彼女を抱かずに他の女を抱いていたことで、
俺は彼女の最後のプライドをぼろぼろにした。
その後は二人でソファに座って、いろんなことを話した。
彼女の過去にばかりとらわれ、
今をぜんぜん見てなかったことを思い知らされた。
ひとしきり二人で大笑いした後で、自然にsexが出来た。
夢中でむさぼるわけでも、耐えるわけでもないsex。
彼女は目を閉じて、小さく声をあげて感じていた。
何回も抱きしめてキスをした。
sexってこんなに気持ちよかったんだって思った。
始めからこうしておけばって思った。
彼女は最後に「ありがとう」って言った。
そのときは「友達に戻るだけだから、会えなくなるわけじゃないから」
っていって別れた。

俺はしばらく何もする気が起きなかった。
授業もしばらくでなかったし、セフレとも友達とも会う気が起きなかった、
何より彼女に電話したり会いに行ったり出来なくなったことで
することが何もなくなった気がした。
やがて三年になり、学科の違う彼女と一緒の授業は何もなくなった。
たまに学内で見かける彼女は相変わらず綺麗だった。
なんとなく気まずく、俺達は簡単な挨拶を交わすだけの仲になっていった。
何度かもっと話そうとしたが、うまく言葉が出なかった。
卒業して俺は別の大学の大学院に進学し、彼女は希望の職種に就職したと聞いた。
この前久しぶりに、学祭中の大学でOB会があって遊びに行った。
そしたら、来ていたんだ、彼女が。今の住所を交換した。
幸せかってきいたら、ちょっとわらってまあねって言ってた。
今でも彼女のことは好きだし、人間的に尊敬している。
別に恋人に戻れるとは思っていないが、
彼女が幸せかを確認するため、年賀状くらいは書こうと思っている。
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