孫正義氏:高速通信網普及で省庁、企業などの非効率を猛批判
「このままでは全国敷設には3万年もかかる」。自民党の会合に参考人出席した孫正義ソフトバンク社長は9日、通信市場の規制緩和を徹底させ、NTTとの公正な競争を促せば、光ファイバー網が早期普及し、「総額100兆円以上の経済効果がある」と訴えた。
これに対しNTT擁護派の一部議員が「全国一律料金のサービスが守れない」「外資の参入増で、日本の通信主権が危うくなる」と反論し、「競争があって初めて料金が下がり、高速通信網が普及する」と述べる孫社長との応酬を演じた。
孫社長は、05年までに全国4000万世帯の高速インターネット接続を実現する政府の計画に触れ、01年見込みが150万世帯にとどまっているのは、通信市場の競争条件の未整備にあることを強調した。
グループのヤフーのADSL(非対照デジタル加入者線)参入も例にあげ、「基幹の光ファイバーを668本敷設するのに、積み上げれば50センチを超す書類の提出を求められ、事務作業に半年もかかった」「単純計算すれば、全国サービスのために3万メートルの高さの書類が必要で、事務作業には3万年もかかる」と新規回線敷設に関わるNTTや電力会社、各省庁・自治体の非効率な対応を厳しく批判した。
【竹川正記】
[毎日新聞8月9日] ( 2001-08-09-19:40 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20010810k0000m020062000c.html