「初めての”C”」
設定:前回(
>>592,593)の「初めての”B”」からしばらく後
服装:面倒なので前回と同じ(ワラ
俊とひとしきり睦み合った後、俊の部屋を後にする蘭世。
あれ以来、その全ては俊の部屋で行われている。今日で何度目か、もう覚えてもいない。
2人だけの部屋でキスを交わす。やがて俊の手が、蘭世のブラウスにかかる。
そして、気が付けば上半身を露わにして俊に抱きついている。
だが俊は、決してそれ以上には進もうとしなかった。
帰り道、歩く度にヒヤリとする下半身を覆う布に鼓動を早める。
(あたしってば・・・)
恥ずかしさは、ある。だが期待もそれと同じくらい潜んでいる。
”抱かれてみたい” ―――― 蘭世は少女から女になりつつあった。
俊もまた、同じような葛藤を秘めていた。
理性を失わせる蘭世の甘い声。柔らかな肌・・・
いつまで押しとどめていられるか、自信がない。
ただ、その時が来ても決して蘭世を傷つけるようなやり方だけはしないと、
それだけは堅く心に誓っている。だがその誓いもいつ破られるか、自信はない。
ある日のこと。
「久しぶりに、みんないないの。・・・うちに来て?」
言葉の持つ意味に蘭世自身も恥ずかしさを隠せない。
何を期待しているか、心を読まれるまでもなく悟られているに違いない。
「・・・わかった。」
だが、もうそこで躊躇する俊でも無くなっている。時が彼を男にしていた。
初めてのあの日と同じように、蘭世の荒い息づかいだけが居間に響いている。
目を閉じてもたれ掛かったまま、蘭世は俊に身を任せている。
俊は蘭世の反応を確かめながらキスをくり返し、胸を手で弄んでいる。
露わになった蘭世の上半身は眩しいほどに白い。
そして、先程から俊の目にチラチラと飛び込んでくる別の白い影。
胸のもっと下、小さく可愛いヘソの少し下に見える白いライン。
留まるか。
突き進むか。
俊の中でいつもくり返される、本能と理性の葛藤。
「ずるいよ・・・真壁君・・・」
「え?」
突然の蘭世の声に、俊はその手を止めた。
「いつも私だけ・・・・・・真壁君も・・・脱いでよ。」
思いがけない言葉だった。蘭世は潤んだ目をこちらに向けている。
「俺まで脱いだら・・・大変なことになるぜ。」
あくまで冷静を装って俊は答える。本能の行く末を見据えながら。
「いいよ・・・好きにしてって・・・最初に言った。」
最後の後押しをしたのは、蘭世自身だった。
俊は蘭世をギュッと抱きしめた。応えるように蘭世も腕に力を入れる。
(でもこれ以上は、ここでは無理だな。)
俊の中に冷静な声が響く。煌々と明かりの灯る居間では、蘭世にとって
今が限界だろう。これ以上を望むなら、場所を移さねばなるまい。
その瞬間、俊は蘭世の部屋へテレポートした。