…あげちゃった…(滝汗
>>564続きデス。
自分の屋敷に戻ると部下が奇妙な異国の男女と向き合っていた。
銃弾をものともしないとは。
応接間に通し必要なだけ言葉を交わし席をはずし様子を見る。
書棚から一冊の本を手にした男が言う。
「いったい奴は何物なんだ。」
(゛何物なんだ゛か――。)
自室に戻りソファに腰掛けワインを注ぐ。
ようやくまわりの喧騒から逃れ落ち着ける時間に戻った。
冷えた空気と変わった形の十字架のようなものが立つ場所に彼は立っていた。
珍しくはない。また、この夢だ。
景色が消え去り、不思議に思い振り返ると見たことのない少女が座り込んでいた。
長い漆黒の髪を持つ異国の娘。
「おまえは誰だ。」
言葉が通じないらしい。
自らを指差し名乗る。
これだけは理解したらしく少女の顔の緊張が解け笑顔が浮かぶ。
「―――ランゼ。ラ・ン・ゼ。」
少女の名前らしい。
「ランゼ…。」
初めて会ったはずなのにどこか懐かしく、とても惹かれる。
これは何だ―――?
何故こんなにも心引かれるのか。
彼には珍しく身の上話を口にする。
言葉が通じないとわかっていながらも
彼女がそこにいてくれるのなら。
「何故だろう。私は以前からおまえを知っていたような気がする…。
どうして、こんなに愛しいと思うのだろう。
おまえは何処から来たのだ。」
先程の客人と部下達のやりとり。見つめる自分の姿。
少女は何かを叫びながら駆けて行った。
(…。うたた寝をしていたか。…不思議な夢。……!人のいる気配!)
銃を取りソファの後ろに回る。
目に入る長い黒髪。
そこには少女が横たわっていた。
(……この娘だ…!)