>>404つづき
首すじにふれるかふれないかという微妙な真壁くんの手の動きとともに
身体中をえも言われぬ快感が走り抜ける。
堪らず彼の背中に回した手に力が入る。
「や・・・やめて…」
「本当にやめていいのか?」
スカートの中に手を滑り込ませると蘭世のそこは薄布の上からでも
はっきりとわかるくらい湿り気を帯びていた。
「でも・・・あぁんっ」
自分でも彼にどうしてほしいのかわからなかった。
やめてほしいのか、それとももっと続けてほしいのか…。
その時。
「ただいまー!」
どきーっ。
望里と椎羅が地下から上がってくる音がした。
蘭世は慌てて真壁くんの膝から飛び下りスカートの裾をなおし、
真壁くんはいつものポーカーフェイスを取り繕う。
「あら? 鈴世も帰ってたの?」
「う、うん。行こう、なるみちゃん」
こどもの走り去る足音が聞こえると同時にドアが開いた。
「お、おかえりなさーい」
「いやもうアロン様のワガママには疲れるよ」
二人と入れ違いに真壁くんは無言で軽く会釈だけしてリビングを出て行った。
「…アロン様の文句で気を悪くさせたかな」
「そ、そんなこと、ないと、思うよ、アハハハハ」
適当に笑ってごまかし真壁くんの後を追う。
蘭世の部屋に入り鍵をかけてからようやく二人は大きく息をついた。
「びっくりしたあぁ〜」
「心臓に悪いぜ…」
「もう、真壁くんがいきなりあんなことするから・・・」
「喜んでたのは誰だった?」
真壁くんは蘭世を後ろから抱きしめる。
「そ、それは・・・」
赤くなって口ごもったかと思うと顔を彼の方に向け悪戯っぽく笑う。
「ね、ここなら誰にも邪魔されないから…続き、しよっ」
蘭世のうなじに唇をすべらせながら真壁くんは考えていた。
ったく誰だよこいつをこんなにスケベにした奴は…。
………おれか。
おわりです。