昼休み、吉野真一は購買部にパンを買いに行った。
その、途中なんとなく女子トイレの入り口を見た。
そこには、「故障中、使用禁止」と張り紙が張ってあった。
(またかよ、女の子達もさいなんだなぁ。)
この学校はよく女子トイレ「だけ」が使えなくなるのだ。
それも、学校中のすべての女子トイレがである。
男子トイレは使えるのだが、あまり女子には使われていないようである。
唯一使える、部室棟のトイレひとつが使えるだけだ。
そこは休み時間、長蛇の列になる。
当然、トイレに行けない女子もいるわけだ。
そんなことを考えながら、真一は購買部に向かった。その時
「真一君。」
後ろから女の子が呼ぶ声が聞こえた。虹野沙希だ。
「お昼ご飯はもうすませたかな?」
「いや、まだだけど?」
「お弁当作ってきたんだけど一緒に食べない?」
「え、いいの?じゃあ、そうさせてもらうよ。」
二人は、屋上でいっしょに昼ご飯を食べた。
「ありがとう、おいしかったよ。」
「そう?じゃあ、また作ってくるね。」
「楽しみにしてるよ。」
二人はそのような会話をしていたが、彼は沙希がモジモジ
していたことは気付かなかった。
放課後、真一は野球部で練習していた。
彼は、野球部のキャプテンであり、部のみんなから慕われていて、
マネージャーの沙希とは公認のカップルみたいになっていた。
しかし、今日は監督が少し荒れていた。
「そこ何やってるんだ、ボヤボヤしてんじゃねえぞ!」
監督の怒号が聞こえる。
真一は沙希の方をみた。
(そういえば、沙希も何か調子が悪そうだな。)
沙希は、少しうつむいていた。監督が怖いのだろうか?
監督はお構いなしに怒鳴り続けていた。
(なにもあんなに怒鳴らなくてもいいのに。)
「吉野!ボーとしてんじゃねえぞ!」
「は、はい!」
真一は監督に怒鳴られた。
そんなこんなで監督は怒鳴り続けていた。
そして、沙希の真後ろでまた怒鳴った。
それはこのとき起きた。
沙希は監督に後ろから怒鳴られて(沙希を怒鳴ったわけではないのだが)
怖かったのだろうか、目に涙を浮かべていた。
(でも、監督の怒鳴り声を聞いたぐらいで沙希が泣き出すわけ無いよな…。
…まさか?)
真一がそう考えると、彼は彼女の下半身をを見た。
(!!!)
沙希のジャージの股の部分から、液体が染み出てきた。
その液体は彼女の足の部分を濡らしながら伝って、
足元に水溜りを作っていった。
彼女の股の部分から水溜りに水滴が落ちていた。
彼女は失禁してしまったようだ。
その場は騒然となった。
監督は顔面蒼白になった。
「に、虹野、すまん、俺が悪かった。」
「監督が…悪いんじゃ…ありません。」
沙希はそうポツリといった。目には涙を浮かべていた。
「き、今日はこれで解散とする。か、各自、自主トレをするように。」
監督はあせるように解散した
「虹野先輩…。」
後輩の秋穂みのりは心配していた。
野球場は二人だけになった。
「沙希…。」
真一は、沙希に声をかけた。
しかし、彼女は黙ったままだった。
しばらくして、彼女はポツリとつぶやいた。
「どうしよう。」
「…・」
「みんなにこんなに迷惑かけちゃって…。」
「…そんなことないよ。」
「もう、部活は続けられないね。」
「…。」
しばらく、沈黙が続いた。
しかし、真一の言葉が沈黙を破った。
「沙希…。」
「…。」
「沙希が辞めるっていうなら、俺も辞めるよ。」
「え!?」
沙希は驚いて真一の方を向いた。
「俺は、沙希のお陰でここまでなれたんだ。
沙希がいなくなったらこの後続けていく自信なんてない。」
「そ、そんな。」
「この部だって、沙希がいたからここまで強くなれたんだ。
きっと、他のみんなだってそう思ってるよ。」
また、しばらく沈黙が続いた。しかし、今度は沙希が口を開いた。
「うん、わかったよ。でも、私を離さないでね。」
「もちろんだよ。」
ふたりは、更衣室にむかった。
沙希の運動靴はクチュクチュいっていた。
男子更衣室にはもう、真一以外誰もいなかった。
彼は学生服に着替えて更衣室を出ようとした。
そのとき沙希が制服とかの着替えを持って入り口の前に立っていた。
「ちょっと入っていいかな…。」
真一は驚いた様だが、誰もいないことを確認して、
「いいよ。」
彼は、沙希を更衣室の中に入れた。
彼は、沙希に質問した。
「でも、今日はなんで?」
「う、うん。今日は忙しくて…。それに、学校のトイレがどこも使えなくって…。」
「そうなんだ、でも昼休み俺に弁当を持ってきてくれたよね。」
「そ、それは、せっかく作ってきたお弁当だから、あなたに食べてもらいたくて…。」
「!!」
彼女は彼に弁当を食べてもらうためにトイレを我慢していたのだ。
「そうなんだ…。そりゃ、責任重大だな。ゴメンな、気付かなくって。」
「ううん、あなたは悪くないよ。オモラシしちゃったのは私の責任だから…。」
「そんな、運が悪かっただけだよ。」
「でも、高校生になってオモラシだなんて変だよね。」
「…。」
「あなたも私のこと少し嫌いになったんじゃないの?」
「そんなこと無いよ。」
「…。」
「…。」
「…。」
「実は…。」
「え?」
「俺、女の子のオモラシ見るの好きなんだ。」
「!?」
「さっき、沙希がオモラシしている所をみて少し興奮したんだ。」
「…そうなんだ。」
「…俺のこと幻滅したよね。でも、沙希のをみれて、内心少し嬉しかったんだ。
だって、俺沙希の事…。」
「ちょっと待って。」
沙希は真一の口を覆って、少し微笑んだ。
「その続きは卒業式まで待ってくれないかな?」
「え?それって。」
「でも、良かった。あなたに嫌われてなくて。」
「とにかく着替えないと。」
「ジャージがうまく脱げなくて…、ちょっと手伝ってほしいんだけど。」
彼女のジャージは足の内側の部分が濡れていて、足にくっついていた。
彼女は、ジャージを下ろして足から外そうとしたときよろめいた。
「キャッ!」
真一は彼女を支えてあげた。
「ありがとう。」
「いや、いいよ。」
彼女はジャージのしたにブルマーを履いていた。
しかし、そのブルマーも股の所が黒く濡れていた。
「後は、大丈夫だろ?あっちの部屋で…。」
「ここで、着替えちゃだめかな…?」
「…沙希がいいなら、別に構わないけど。」
沙希は、足を拭いて靴下を履き替えた。
そのあと、上半身のマネージャー着を脱いだ。
「お、おい…。」
「や、やっぱり、ちょっと恥ずかしいな…。」
彼女の白いブラジャーが露になった。
「…。」
スリップを着て、その上に制服の上下を着た。
これで、見た目は普通になった。
真一は口をはさんだ。
「着替えはもっていないの?」
「うん、さっきのでブルマーもパンツも汚しちゃったから…。」
そういうと、彼女は横からスカートの中に手を入れた。白いスリップが見えている。
そのまま、ブルマーとパンツを一緒に降ろした。
彼女は汚れた服を袋に入れた。
「着替え終ったわ。」
「ちょ、ちょっと待って、もしかしてそれで帰るの?」
「しょうが無いよ、恥ずかしいけど…。」
今の彼女は見かけは普通だけど、スカートの中は何も着けていないのである。
真一の中でなにかはじけた。
「沙希!」
彼は沙希を壁に押し付けた。しかし、彼はすぐに我に帰った。
「ゴメン。」
彼女は驚いたようだったが、すぐに落ち着いて彼に微笑んだ。
「いいよ。」
「え?」
「真一君、あなただったらいいよ。」
そう言うと、沙希はスカートの裾を持って、そのまま捲り上げた。
「!!!?」
彼女のスカートの中身が露になった。
真一は、沙希のあそこを目の当たりにした。
しかし彼は沙希の手をスカートから離させた。
「その続きも卒業式の後だね。」
「…真一君ってやさしいんだね。」
二人は帰る準備をした。
下校時、
「今日は付き合ってくれてありがとう。」
「いやいや、こちらこそ良い物を見せてもらって。」
「でも、恥ずかしかったな。」
「沙希。」
「何?」
「沙希って、あそこの毛は生えてないの?」
「…もう、剃っているだけだよ。
…あなたは生えているほうがいいの?」
「生えてないほうがいいな。そっちの方がよく見えるし。」
「そう、良かった。」
「ねえ、話は変わるんだけど?」
「…。」
「マネージャーは続けてくれるよね。」
「…うん、あなたが望むなら。」
「良かった。じゃあ、辞めないんだね。」
二人は沙希の家の前に着いた。
「じゃあね、真一君、今日はありがとう。」
「じゃあ、また明日。」
次の日。
その日も女子トイレが使えなかった。
(2日連続ひどいなぁ、もしかして誰かの陰謀か?)
と真一は思った。
今日はそのまま放課後になった。
真一は部活に出た。
沙希が部活に出ているのを見て彼はホッとした。
監督は今日はこころなし大人しかった。
ほかのみんなも、何事も無かったように練習していた。
しかし、沙希は昨日の事があってか、少し落ち着かない様子だった。
「沙希、大丈夫か?」
「う、うん、なんとか…。」
そういえば、みのりもトイレを我慢しているようだった。
しかし、そっちのほうはここではあまり気にしていなかった。
「集合!」
監督の合図でみんな集合した。
監督はいつも通り練習について話した。
しかし、今日は怒鳴ったりしなかった。
今日は普通通り終りそうだった。
しかし、それは解散の合図が出る直前に起こった。
沙希はみのりが前かがみになるのを見た。
「みのりちゃん、大丈夫?」
「…。」
「みのりちゃん?」
「私、もうダメです。」
そう言うと、「ジョ〜」という小さな音が聞こえて来た。
「あ、あ、あ…。」
昨日の沙希と同じようにみのりのジャージの股の部分から、液体が染み出てきて、
足元に落ちて水溜りを作っていった。
その場は再び騒然となった。
「やっぱり…、すごく…恥ずかしいよ…。」
みのりは涙を浮かべていた。
「み、みのりちゃん?」
「虹野先輩…。」
「え?」
「昨日の虹野先輩の気持ち分かりました。」
「…。」
「でも、お願いがあるんです。」
「…。」
「マネージャーを辞めないで下さい。」
「え?」
「私は、今まで虹野先輩を目標にしてきました。
それに、虹野先輩に励まされて着ました。
でも、ここで虹野先輩に辞められたら私どうしたらいいか…。
私にはこれぐらいの事しか出来ませんが、
お願いします、野球部に残ってください!」
みのりは目に涙をためて沙希に懇願した。
彼女はここで「失禁」するために今まで我慢していたのだ。
「…みのりちゃん。」
その時、
「ここはマネージャーのチームワークも最高だね!」
「こんな、マネージャーを持ててうちの部は幸せだよ。」
みんなが、励ましの声をかけてきた。
「みんな…。」
そのとき、沙希の方にも異変が起こった。
「あ…。」
彼女の方も限界が来たらしく、その場で水溜りを作ってしまった。
「…また、やったった、どうしよう。」
その時、また声が聞こえて来た。
「ドンマイドンマイ、気にしちゃだめだよ。」
「そうか、うちのマネージャーはそこまで部の事を思っているんだ。」
「こりゃあ、甲子園に連れて行かなきゃしつれいだよな!」
「みんな…、ありがとう。」
二人は、その場で泣き出した。
監督はほっとしていた。
練習後、その日はふたりで着替えてから、真一と3人で帰った。
そのあと、みのりを家まで送ったあと、また真一と沙希の二人になった。
「うちの部ってみんな良い人達だよね。」
「ほんとだね。でも、みのりちゃんがあそこまでするとおもわなかったな。」
「うん、私もいい後輩をもったよ。」
しばらく、二人で歩いた。
「ところでさ、沙希はいまも履いてないの?」
「う、うん。みのりちゃんもそうだったよ。」
「…そうなんだ。」
「でも、何も履いて無いと、頼りないな…。」
そのとき突風が吹いた。
お約束どうり彼女のスカートがめくりあがった。
「!!」
「キャ!」
彼女はスカートを押さえた。
「今、誰にも見られなかったかな?」
「他人には見られなかったみたいだよ。」
「あなたには、みられたの?」
「バッチリ。」
「もう…、でもあなたならいいや。」
「沙希。お願いがあるんだけど…。」
「何?」
「また、沙希のオモラシ見たいんだけど、いいかな?」
「…二人っきりの時だったらいいよ。」
「ありがとう。」
二人は沙希の家に着いた。
「沙希、それじゃあまた…。」
「ちょっと待って…。」
「何?」
「ちょっと、家に寄っていかない?」
「いいよ」
二人は沙希の家に入った。
終わりじゃん