>536の続きです
ラニ「あーちょっと待ったあ」
ブラネの墓の前へ戻った
頭蓋骨を拾い上げる、両手で抱えるとカスタネットのようにカツカツと鳴らした。
ラニ「うふふ、やっぱり思ったとおり!」
してやったりの笑みを浮かべて、上顎めがけポイズンアクスを振り下ろした。
ガツッーン、、白い破片が飛びちった。
リンド兵「何をしているんだ…?」
ラニ「うわっ、なんだリンド兵さんか、マリンと行ったんじゃなかったの?
何ってほら、歯よ歯、ダイヤが埋め込んであるのよ。いいねえ金持ちは遺体も
金になるんだから。」
リンド兵「……。」
ラニ「何見てるの?あんたに渡す分なんてないからね?」
引き続き、ラニは切り裂かれたブラネの衣服を剥ぎ取った。巨大な骨がごろごろと転がる、
いくつかの骨片が棺の外に落ちたが、お構いなしだ。
ラニ「んー上等の布地ねえ」
傷んでしまい布そのものとしての価値は薄いが、散りばめられたスパンコールは
本物の宝石が使われていた。ブラネの巨体を覆った巨大な布地だ、小さな宝石も
かき集めれば手のひらからあふれるほどになるだろう。
ラニ「まさにブラネさまさまね、でも私がブラネなら無駄に着飾る前に整形でもするわよ、
ふふふ仕方ないかきっと直しようもなかったのね」
そして上腕骨を拾うと軽く振るって見せる
ラニ「それにしても人間の骨には見えないわー、あんたらがばかすか壊さなきゃ
この骨格自体、売れたかもね。トレノあたりのの悪趣味貴族が飾ってくれたろうに、」
ラニ「ついに発見、ベヒーモスと人間の混血児!とか」
リンド兵「おい」
ラニ「はい?」
振り返った直後、
剣がラニの眼前をかすめ…はらりと前髪が散る…
恐る恐る自分の額に指先を触れると、わずかに赤い血が付着した
(なにすんのよ!)そう叫ぼうと顔を見やった直後、一気に血の気がひき、腰を抜かした、
リンドブルム兵の鎧をまとった、その人物の顔は…
ラニ「が、が、が、ガーネットォ!!!!」
ガーネット「…死者を辱めるのはその辺にしてもらおうか、そんな女でも私の母なんでな」