アレクサンドリア許さない×2〔DISC5〕

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405名無しさん@LV4
>399の続き
ーー鉄扉の前ーー
ラニは意味をなさないポイズンアクスを捨て、一人目のアンデット兵を払い除ける。
バランスを崩したアンデット兵は派手に階段を転げ落ちていった。
ラニ(…落ちつけ…、今の私はゾディアックブレイブのラニなんだ、
   武器も魔法も無くたって…こんなやつらに…負けるものか!)
先程、武器を失ったガーネットがそうしたように、ラニは手に握力を込め軸足に体重をかけた。

「血…血…血…ダ」
「血ダナ…」
とうに理性を失ったアンデット兵たちとはいえ、元はダリに駐留していたアレクサンドリアの精鋭たちである。
戦いの勘は身体に刻み込まれており、隙のない連携プレイのように一斉にラニを狙った。
「血…ヲ…スワ…」
ラニ「……くっ!」
アンデット兵の顔面にラニの拳が埋まり鼻柱を折った。
が、アンデット兵は臆することなく、突き出したラニ腕にしがみつく。
ラニ「離せっーーーこのくそっ!」
406名無しさん@LV4:2000/11/09(木) 21:08
どっ…
自由になる脚で蹴りを放ち、腕にからみつくアンデット兵をひきはがす、しかし、
ラニ「あっ……!」
別なアンデット兵がラニの軸足をすくいあげる。
いくらラニでも両の脚が宙にういてはひとたまりもない。たやすく床に転がされて、再び頭を打ちつける。
飢えに飢えたアンデットたちがその期を逃すはずはない…
生命の水、すなわちラニの皮膚の下で脈々と流れゆく生き血めがけて襲いかかった。
剥き出しの腕に首筋に足に歯をたて、肉を食いちぎり血をすすった。

ラニ(終わった………)
当然痛みはある、でもそれ以上に圧倒的な絶望感が身を包む、
ラニ(なんで…こうなるの…)
もう…手遅れ…だ。全身に悪寒が走った。本能的にアンデット化の感染を察した……

ラニは反撃の意志を失った。脱力し、アンデット兵どものされるがままになる、
ラニ(どうして…どうしてこうなったんだろ…)現状から意識を遠のけ瞼を下ろした。