ーーラニ。ーー
処罰も覚悟してアレクサンドリア城に戻ったラニ。
城内の光景に唖然となる。
無数に転がるリンド兵の遺体…。感電のような表皮の火傷が目に付く。
ある場所では氷塊に体を貫かれながら半身を凍らせる。
また別な場所では火炎地獄の後のように肉を燃やされ異臭と煙が漂っている。
(何が起きた…?)
反射的にそう思うが、そう問うまでもなく…答えが浮かぶ。
こんなことができるのは「あの女」しかいない。
エーコを倒す…それが無謀なことでもなんでもないことを改めて思い知る
単身この城に戻ったのは勝機あっての行為だった。
あのガーネットには雑魚兵の存在など関係ない。
このまま攻撃と逃げを繰り返して確実に兵を削って行くだろう。
そして…エーコの元にたどり着いたら?まあ、MPを消費した後だ、
確率を言えばエーコの方に分があると思うが…それでも
「私」がただでは済まない…。
ガーネットを逃した上、城内に侵入を許したとあってはどうなるか?
せめて…この手でガーネットを仕留めるのだ。そうすれば報奨金だって…
足元でうめき声がする。
「う…」
屍の海の中で辛うじて息のあるリンド兵がいた。ラニはその胸ぐらを乱暴につかむ
ルード(指揮官)「な、なんだ…ラニか…」
ラニ 「捕虜の中にアレクサンドリアの術者はいるか?」
ルード「ああ…。年寄りばかり4〜5人程…」
ラニ 「よし、案内しろ」