アレクサンドリア許さない×2〔DISC5〕

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369名無しさん@sage
ーーATEーー数ヶ月前のアレクサンドリア城ーー
エーコ相手に捕虜を取っていても意味は無かろうと「処分」することにした。
大広間、捕虜となったリンド兵の一人が両腕を後ろで縛られ、ひざをつかされる。
アレク兵に髪を掴まれこれから首を跳ねようという姿勢にされた。
…ガーネットの声が響く。
「首は刎ねるな。ちょうどいいアンデットの実験代とする。心の臓を突け。」
捕虜ははっとなり、顔をあげる。
その場にいたものは捕虜の顔にくぎつけとなる、若い…。16か18といったところだ。
運が無いな…と絶命の瞬間を避けるべく目を伏せるもの、
意気揚揚と眺めるもの、それぞれだった。…しかしただ一人、
「女王陛下っ…!」
一人の女アレク兵が悲痛な声を上げた。
「お願いですおやめください…」
「…何様のつもりだ、下がれ!」
それでも、女アレク兵はひくことはない。前にでようとした兵を同僚らが必死に押さえる。
(…これ以上逆らうとあんたの命も危ないよっ…)
そう耳打ちするが、女兵は押さえつける手を力づくで振り払い、
ガーネットの足元にひざまづいて懇願する。
370名無しさん@sage:2000/10/29(日) 01:45
「そのものは、私の弟なのです…!母が違うゆえリンドブルムとこの国と別れて暮らして
 おりました…」
「それが…?」
「弟をお助けください…」
足元にすがりつく女アレク兵士。その目には涙が溢れる。
「弟はおそらくリンドブルムにやむなく徴兵されただけなのです…、
 これからはアレクサンドリア国民として
 兄弟ともどもこの国に尽くします…どうか…どうか命だけは…」

処刑に胸躍らせていたような兵たちも、女アレク兵の懇願を見守った。
ガーネットに意見するものなど久しくいなかったというのに…あの女兵士は…。
しかし…
「…貴様のような者がいると士気が下がる」
その一言とともにライトブリンガーを振り下ろした。