アレクサンドリア許さない×2〔DISC5〕

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22名無しさん@LV2
エーコは笛から口を離すと、バイロイトの方に視線を投げやり見つめた。
それはカトブレパスの悪魔の瞳とほぼ同じ物であり、一般の兵士であったら石化していたところだが、バイロイトは涼しい顔をしている。
続いて黒龍も黒い牙を行使したが、それも効かなかった。
エーコ「何者だ?」
目の前からやってくる兵士が、普通の兵士と勝手が違うことに気付きエーコは問い掛ける。
バイロイト「私ですか? 私の名はバイロイト。ガーネット女王陛下に仕える兵士です」
バイロイトは丁寧且つハッキリとした声でエーコの質問に答えた。
エーコ「だが普通の兵士ではあるまい…。いや…それ以前に貴様は人か?」
バイロイト「さあ…」
バイロイトは肩を竦めておどけて見せると、腰からミスリルソードを抜きエーコに向って突進した。
エーコ「フン…ブリザガ」
エーコの指先から巨大な氷柱が放たれる。
バイロイトはそれを避けることも出来ず、腹に大きな穴を開けながら吹っ飛んで、瓦礫の壁に叩きつけられる。
エーコ「他愛もない…。あの奇妙な感覚は勘違いだったか」
23名無しさん@LV2 :2000/09/20(水) 14:26
エーコが僅かに傷痕の残る左手で髪を掻き上げて倒れたバイロイトを見やると、
彼は腹に穴を開けたまま立ちあがり、どこか狂った視線をエーコの方に向ける。
バイロイト「フッフッフ…痛いじゃないですか…。
      ですが、この程度では死にませんよ」
エーコ「やはり人ではないか…。だがこれはどうかな」
エーコは黒龍の上に座ったままでホーリーを放った。
天から降りてきた光がバイロイトを照らし、彼の身体は青白い聖なる光に包まれる。
それ当時に巨大な爆発。
バイロイト「ドッゲェ―っ!」
身体を損壊させるその聖光とそれによって引き起こされる爆発に、彼は苦痛の叫び声を上げた。
その様子を、エーコは黒龍の上から愉悦の表情で眺めていた。