意地悪く、焦らすように刺激を与える。
「んぁ、言えな…ああぁ!」
「それじゃあ…ここはもうおしまい、な」
そう言うと、敏感なところはわざと外して、感度の薄い所ばかりを手の平でなぞっていく。
「ひどいよ…っ、バッツ…何でそんな意地悪するんだよ…っ!?」
思わずぽろぽろと涙がこぼれる。
「お前が一週間もおあずけにするのがいけないんだろ?
それに、俺は最初に言ったぜ? 手加減はできそうにないってな。
もう一つ…優しくできそうにないって。もう忘れちまったのか?」
「そうだけど…」
「それでも欲しい…か?」
やや強引に、敏感な部分に指がめりこんだ。
「ああぁっっ」
びくんっ、と身体が跳ねる。
そのまま、彼女のそこをもてあそぶように、指が蠢く
「んっ…っく…っはぁあん」
我慢しようとしても、耐え切れず甘い声がその唇から零れる。
花弁から激しく零れ落ちる甘い蜜をその指で確かめながら、耳元に囁く。
「そんなに欲しいか……?」
途端に、きゅっと指が締め付けられる。
「バッ…ツ…はぁん、ほ、し…ぃ…ぁん」
バッツはにやっと笑い、埋め込んでいた指を一度引き抜いた。
「きゃぁうっ」
一種悲鳴にも近い声があがる。
途端に、じわじわとファリスの身体の奥にこらえきれない疼きが走る。
「ん…んっ……ん」
震える手はシーツを握り締め、両の脚をよじらせてうめく。
「や…バッツ…もう…はや…く……熱…い」
まるで、自分のものではないような感覚。身体中が熱を帯び、沸き上がってくる身体の疼きに戸惑って、
潤んだ碧の瞳が、彼の蒼い瞳を助けを求めるように見つめていた。
「我慢できない………?」
今の彼は本当に意地が悪い。
「もう…だめ…お願い…どうにかなっちゃうよぉ…」
「どうにかなってみるか?」
くす、とまた笑う。
いやいやをするように、ファリスは首を横に振り、懇願の眼差しを向ける
荒い息を途切れ途切れに吐きながら、ファリスは、なんとか言葉を紡ぐ
「もぉ…がまんできないよぉ……いれてぇっ」
自分から擦り寄ってくちづけを交わす。次第に深く絡み合ってベッドに堕ちる。
「あんまりいじめてたら可哀想だもんなぁ……」
うっすらとかいた汗で額にはりついた紫色の髪をやさしくよけてやりながら、いきなり彼女の脚を開かせる。
「こんなファリスをみせられて、俺もそろそろ限界だしな」
腰が持ち上げられ、びくんっ!と彼女が震える。
「ほんと、かわいいのな」
「…っ…っはぁあん!」
次の瞬間いきなり貫かれて、襲って来た快楽の波に意識が遠のきそうになる。
ぴくぴくと、打ち震えるファリスの腰を引き寄せ、深く深く貫く。
ファリス自身も、自らの意思とは裏腹に、彼をもっと奥へと導くように、腰をくねらせていた。
「はぁ…はぁ……バッ…ツ……」
閉じられた瞳の端から涙がつたう
「きもち…いいよぉ…」
深く深く密着させ、締め付ける彼女を味わうかのように、腰をきつく抱きしめる。
そのまま、身をかがめると、彼女の熟れきった乳首へ舌を這わせる。
「んっ…」
堅く尖った部分を舌先でつつく。ちゅくちゅくと音をたて、先を吸う。
そのまま、ファリスの身体のあちこちに跡を残しながら、上の方へと口付けていく。
彼女の細い腕を、自分の首に回させて、軽く、そしてだんだん深く口付けていく。
薬のせいか、いつもは追いかける彼女の舌も、彼を求めるようにからみあう。
熱い息をと切れがちに吐き出しながら、時々こくん…と彼女の喉が動く。
お互いをむさぼるように口付けながら、バッツは、ゆっくりと腰を動かし始める
「う…んん…」
口付けたままのファリスの口からかすかに喘ぎが漏れる。
バッツは、やがて名残惜しそうに、唇を離すと、白い首筋に一つそっと口付けると、今度は激しく動かし始めた。
「はぁっ、あん、あああっ!」
律動に合わせて甘い声が響く。
熱い吐息も甘い声に混じっていた。
びくん、とファリスの背が反る。
頭の中が真っ白になって、もう何も考えられない。
深く深く突き立てられ、彼の呻きと、ファリスの声にならない声が重なり、
ばらばらになってしまうのではないかという感覚の中で、燃えるような熱さを感じて、ファリスの意識は一瞬遠のいた。
気がつくと、やさしくファリスの髪をなでている、バッツと目が合う。
髪をなでていた手が、ふいに首筋へと降りると、とたんにぞくりっと震えが走り、自分の体がまだ疼き続けていることに気づく。
「まだ欲しいんだろ?」
囁くように耳元に呟きを落とす。
バッツの指が、いまだ熱く火照った躰に、滑るように這いまわる。
「ん、んあぁ…」
いつもなら、こんなに求めることはないのに。
ついっ、とバッツの指が胸の頂をなぞる。
「ひぁぁん!」
ファリスの体がびくっと震える。
「…欲しいだろ?」
確かめるように、いじわるく続ける。
「やぁ、バッツ…」
「ん?どした?」
「わかってる、くせに…」
「…オレは、お前に言ってほしいの」
羞恥心は、もちろん残っていたが、こらえきれないほどの渇きが、それを押しとどめた。
「お願い…めちゃくちゃにして…欲しいんだ…バッツが…。」
あたしの言葉に、バッツの瞳が、獲物を見つけた獣のような、光を放つ。
「めちゃくちゃに…か。ちゃんと意味分かって言ってんだろうな?ファリス。俺の『めちゃくちゃ』はすごいぞ?」
笑うバッツの瞳が怖い…なのに、俺は、期待してる。
こんなことを思ってしまうのが、媚薬のせいなのか、それとも心の奥に潜んでいた本当の俺なのかは、もう分からなくなっていた。
そんな中、ファリスはほとんど無意識につぶやいた。
「きて…………」
「その言葉、後悔するなよ…」
耳元で、熱い声が囁く。
いきなり、ずぷりと彼が入ってくる。上げようとした声が、荒々しいキスで塞がれる
「はうっ…うくっ……んんっ!っはあぁ…んむっ…!」
下から突き上げてくるそれも、あまりにも荒々しく、ファリスは、意識を失う一歩手前でをさまよう。
追い込むような刺激に、ファリスの全身が引きつった。
まるで、電気が疾ったかのような感覚が突き抜ける。
「ああああああっーーーーー!!!」
ふいに開放された唇から、叫びがほとばしる
びくびくと痙攣し続ける。外も中も。奥底へと貫かれ、もう、声も出ない。
「っ…く、はぁ…はぁ…はぁ……はぁ………っ、…!?」
荒い息を整える間も与えられず、違う体制で再び攻められる。
今度はねじり込むように後ろから。
後ろだから見えないし、この体勢は初めてで。
「んはぁっ!」
余韻に浸る間もなくまた、熱いものが侵入してきた。
それに気がついたのも、深く深く奥まで貫かれたあとだった。
恥ずかしいという感情は、悦楽という波によって、瞬く間に打ち消される。
更に激しく叩きつけられるように、中をかき混ぜていく、熱い動きに、ファリスは、ただ、喘ぎ続けるしかなかった。
さっきまでの戯れと、その後も途切れなく溢れさせられているもので、ファリスとバッツを繋ぐ部分は、ぐちゅぐちゅと淫らな音をたてている。
ファリスは溺れていた。
バッツから与えられ続ける快感にか、自分の中から沸き上がる欲望にか。
それは分からない。
ただ、ぎゅっとシーツを握り締めて、喘ぐことしか今のファリスにはできなかった。
バッツは浅く、深く、微妙な角度でファリスを攻めたてる。
動きは高まりながら、彼の指は、奏でるように、ファリスの胸の先を愛撫していく。
「…はぁあん…。バッ…ツ…。…あ…ん」
甘く紡ぎ出される声に、バッツの動きが更に激しくなる。
びくびくと小さく痙攣するファリスの躰から、例えようもない快感を与えられ、バッツは高みへと昇りつめていく。
「くっ…ファリス…」
彼女の一番深くを求めるように、強く彼女を引き寄せる。
これ以上ないという程、密着した中で、熱いものが迸り、彼女は躰中で、それを飲み干す。
「ふ…ぅ…んん。……っはぁ…はぁ…はぁ…。」
そんな彼女の耳元で、熱を帯びた囁きが、こう告げる。
「楽しみは、これからだからな…。」
バッツがファリスに飲ませた薬が、ちょうど効力最高を迎える頃合いになる。
「…ちょ、ちょっとやすませ…あっ」
逃げようとするファリスを仰向けにひっくり返し、無理矢理足を割る。
彼が入ってくる、今度はゆっくりと。
薬は、ファリスに、これまでに無いほどの飢えと乾きをもたらしていた。
完全に奥まで入りきったところで、彼は動きを止める。
熱く、逞しいモノを自分の内にいやというほど感じながら、増していく疼きに彼女は苦悶の吐息を漏らす。
「……は…ぁ…バッ…ツ…っ、……思いっ切り突いてぇ……!」
とうとう限界を超えたらしく、貪るように自分で腰をゆらした。
そんなファリスを見て、バッツはにやりと、まるで悪魔のように魅力的な笑みをつくってみせた。
「我慢できないのか…?」
自ら腰を振ろうとするファリス。そんなファリスの腰を、バッツは、そのたくましい腕でがっちりとつかんでしまい、腰の動きを止めさせた。
「あ…あっあ…やだぁ…バッツ、止めないで…っ、動かし…」
「…ずいぶんといやらしい事を言うようになったじゃないか。そんなに欲しいのか?」
「…ああっっ、おねがい…もう…じらさないで…バッツが欲しくて…気が狂いそうだよぉっ…」
シーツを握り締め、懇願する彼女。
そこでバッツは思った。…少々強すぎる薬を飲ませてしまったようだと。
「もうそろそろ喰べ頃かな」
意地悪く笑い、彼女のうなじから、顎のラインを指でなぞる。
「どうしても我慢できない?」
引き寄せていた、彼女の腰を、引き離し、再び叩き付けるように、突き上げる。
「あああああああっっっっーーーーー!!!」
叫びが迸る
「んあっ、あっっ……バッツ…ぅ」
びくびくっと体を震わせて、直後全身の力が抜ける。
あれだけ焦らせば仕方ないかも知れない。
内心ほくそえみながら、そんな事は微塵も見せない声で言う。
「まだ、足りないだろ、…ファリス」
「う…ん…もっと…もっとして…。まだ…熱い……。」
熱に浮かされたように、言う。
「…じゃあ、どうしてほしい? もっと熱くなりたい?」
「…もっと…バッツを…感じたいんだ…」
荒い息の中、完全に欲情の虜になった翡翠の瞳がバッツの内の獣を再び呼び覚ましていく。
繋がったまま、ファリスをベットの縁に座らせ、脚を大きく開かせて、激しく動かす。
「あ…あ…あ、…っあぁん…!」
ベットの縁に手をかけ、激しく身悶えるファリス。
「あっっ…!!あんんっ!バッツ、バッツぅ…っ!!」
バッツは激しくファリスの中に、狂気にも似た想いを叩きつける。
「…ああっっっ…すごい…バッツ…あつ…くて……どうか…なっちゃうっっ」
激しく続くその波に何度ものまれそうになりながら、月明かりの中、熱く見つめる蒼い瞳に射すくめられる。
自分の意思とは関係なく、躰がどうしようもなくひくつき、彼の迸るものを飲み干す。
例えようも無い、心地よさに包まれて、身体の力が抜ける。
「あ…ふうぅっ……はあっ、はあっ…」
急激な脱力感に,深く体をシーツの海に沈める。
しばらく頭の中が真っ白で,なにも考えられない。
なのに身体はもうすでに、次のバッツからの行為を待ち望んで待っている。
バッツがあたしの腰を掴んだまま自分はベットに寝そべる。
「バッツ……なに…?」
掴んだ手で腰を誘導し、そそり立つモノにあてがうと、ゆっくり引き降ろしていく。
「っ…!!…っは…あぅ……」
ぞくぞくした快感が、背中を迸り抜けていく。
「はぁ…ファリス……」
バッツが息を吐いて眉を寄せる。その表情に、中からふつふつとなにかが湧きあがってくる。
先が奥まで届いているのが分かる。けれど、それよりも強い刺激をファリスは求めていた。
貪欲なまでの欲望に、ファリスはいつの間にか自分で腰を揺らし、バッツを貪り始めていた。
いやらしい音が繋ぎ目から、ひっきりなしに漏れ出す。音に刺激されて、ファリスは腰の動きを速める。
ふと気がつくと、繋ぎ目にバッツの視線があった。すごくいやらしい目で、中から出し入れされる所を見詰めている。
「やだ、バッ…ツ…、み…ないでぇ…」
自分のしていることが、急に恥ずかしくなり目を伏せる。それでもファリスは腰の動きを止めようとはしない。
自分の行動、バッツの視線、身体に感じる法悦な快楽。その全てに欲情して、腰を振りつづける。
「そんな眼で…あ、はっ…そんなトコ見ないで…ぇ…くぅ…はあっ…」
動きにあわせて溢れ出る愛液と、バッツの先走りの蜜。
「ファリス…」
バッツの逞しい手が、ファリスの腰をつかみ、上下だけではなく、微妙な動きを始める。
「う…ん、くぅん…。」
彼のその動きにうなだれるように、ファリスは悦びに溺れる。
持ち上げられ、揺さぶられ、掻き回されて、眺められる。
全身が快楽に痺れていく。恥ずかしくてたまらないバッツの視線と動き。
「あっ、ぁあぁぁん…っ!」
バッツが腕の動きを止めぬまま、強く突き上げる。
「…すっごい…バッツ…」
情欲の虜となり、快楽を歓喜の声で迎える彼女の姿。
今まで見たことのなかったファリスの淫らな一面に、バッツは自分自身がますます猛っていくのが分かる。
「ん、はぁっ……」
「…ここも…いじってみろよ…」
ファリスの手を、彼女の尖った乳首に触れさせる。
「え…あ、ああ…ふううんっ…!!」
バッツによってファリスの手が、自身の乳首に導かれる。そして、微かに指先がそこに触れた瞬間襲いくる不思議な感覚。
右手の親指と人差し指で,赤く尖った頂きを摘んでみる。
「あ……」
「気持ちイイんだろ。……やらしいなあ……」
くすくす笑うのが耳元で聞こえた。
笑いながら囁かれた言葉にファリスの頬が赤く染まる。
それでもファリスは今の行為を止めることができなかった。
「…はぁっっ…バッツ…が……こんなに…、あっ…したんだろぉ…」
「違うよ。ファリスがやらしかっただけ…そうじゃなきゃ、こんなにならないだろ?」
くすくすと楽しそうに笑う。
愛しい女が淫らな一面を見せてくれることに、その表情を引き出したのが自分だと言うことに狂気にも似た喜びが湧き上がってくる。
「ちがっ、バッツ、が…あぁぁ!」
ファリスの手を押しのけて、バッツが赤く尖った突起を口に含む。
「もっと素直になれよ、ファリス。こんなに尖ってるのに違うってのか?」
一旦口を離し、ペロペロと先を舐めながら、微妙な刺激を送る。
「はうっ…あっ…やん……あぁ……っ!」
一方をバッツの舌で攻められ、もう一方を自分の手で慰めている。
そんな状況に、ファリスの躰はますます熱を帯び、息が荒くなる。
「…んはぁっ…はあっ……あっ…」
羞恥と悦楽が、交互にファリスの心に押し寄せ蝕んでいく。
「………っはぁ、ん…っ」
「全部喰らい尽くしてやりたい…それほど………」
「…っっ…バッツっ……!」
また、深く深く穿たれて息が詰まる。無意識に溢れ出した涙で視界がにじんだ。
自然と自らも腰を揺らし、バッツに応える。
奥に当たる感覚が、ふたりの熱を呼び覚ました。
「っあうぅ…!だめっ、へんになっちゃ……!!」
奥底の、大事な部分に彼があたっている。それを感じた瞬間感情を抑えていたたががはずれた。
「もっと…!!もっと奥にきて…バッツっ……!!」
理性なんてものは残っていない。そんなものは、バッツの前では必要ない。
そのバッツも、ファリスに答えて、より深く突き込んでくる。
「…ああっ…すごぃ…っ…感じちゃうよぉっ……」
「もっと…よくしてやるよ……おまえが満足できるように…なっ」
強い締め付けに息を吐き、こらえる。
「あっ、はあっ…もっと、バッツ…っ!!」
ファリスのそんな吐息混じりの懇願に、ココロとカラダが喜びに震える。
魂すらも俺のものにしたい。そんな欲望が体の奥から突き上げてくる。
言葉で。甘い吐息で。潤んだ瞳で。俺に応えようとする。
「そうだ……俺だけのものだ」
首筋に唇を押し当て、強く吸う。
長くてスマソ。暫く充電の旅に逝ってくる。