場所は西の大陸
シド・ハイウィンドとガーネット
(寝れねーな…)
男は一人コテージを離れ川辺リへ歩く。適当な岩場に腰を下ろしタバコに火をつけた。
ふいに背後に何かの気配を覚えた。
振りむいて、見知った女性の姿と知り安堵する。
「おう、どうしたんだ?」
「私にも眠れない夜ぐらいあるわよ」
そう言って座るが、
座り込む距離が近過ぎて、思わずぎょっとする。
「…元アレクサンドリア女王さんでもそんな心境になることがあるんだな…」
「そう私は女王としていろんなことをやってきた。
…その上「こんなこと」をすればまた、罪を重ねることになる。」
「こんなこと?」
ガーネットが細い手を回してぎゅっと抱きつく
「お、おい…」
「こんなことをすれば「シエラ」さんを裏切る事になる…」
「あいつとはそんな関係じゃねえって…」
それに対するガーネットの返答はない。
ガーネットは無言のままに眉をしかめるだけだった。
「ガーネット…」
「それでも…どうせ地獄に落ちるなら、あなたとの思い出を抱いていきたい」
単なる抱擁の意味ではない、女は男に体重を預け目を閉じた。
あのガーネットと、胸の中で身を任せるガーネット…
どっちが本当の顔なんだ、
迷いつつ、
下着と共にブラウスをまくりあげると、豊かな胸が肩ひもの間からこぼれた。
肩紐をはずし、服を脱がすが、途中軽く腰を浮かせただけで
なめらかで華奢な身体は何の取っ掛かりもなくするりと衣服が脱げる。
「……。」
裸を見たことはあったが、ガーネットの身体をこんな風にするのは初めてのことだ、
手にのせる乳房に十分な重量感があり、かつ、掴む度に内側がから押し返し弾力がある、
若さある体だ。男は欲求に突き動かされ、小さな突起を口に含んで吸い上げた。
「ああっ…」
ガーネットは思わず男の頭に手を回し胸元に押しつける、
(おい…窒息死させる気か?)
乱れたガーネットの息遣いを耳にしながら、自身の下半身にも堅さを覚えた。
そんな時に突如浮かぶ顔…
皮肉なものだ、ガーネットへの肉欲を通して、
「もう一人の女」への思いに気づいた…。
今まで、一度だって女として考えたことなかったのに。
「頭の中に浮かぶもう一人の女」は、泣くでもなく責め立てるでもなく、
ただ悲しそうに男の事を眺めている。
共に同じ目標を追う中で確実に築き上げられた二人の絆、
それを男自身より鋭敏にガーネットが察していた。
(くそっ…)
岩場ではやり難い。
ほんの少し場所を移動し、巨木に手をつかせ、後背位をとる、
背後から触れる指先。
「これなら入るな…」
ガーネットはその声だけをきき、先端が触れる感触に気づいた。
身長差のため、やや苦しい体制となった。
痛みを伴いながら乱暴に侵入する異物。
「う…んん…」
望んだはずの行為なのに、苦痛が上回る。
肉棒が体内を前後する。
(なんでだ…)
男根に刺激は十分にある、それでも迷いのために絶頂までいたらない。
迷いを振りきろうとした、その結果「放出する」ただその目的のために
彼女の腰を押さえ、激しく激しく前後運動を行った。
(…あーくっそ、なんでいかねーんだよ…!)
どのくらい、行為を続けたか。
「あっ…あ…ん…」
ガーネットの切ない喘ぎ声が、苦痛を帯びたものに変わっていた。
モノを抜く。「すまんな」その言葉が口を突きそうになるが、やめておいた。
それはかえって彼女を傷つける。
代わりに肩を抱き、川に足をすすめた。
体を洗う場所というと、ここしかない。
「水、冷たいね」
「そうだな…」
中途半端にほてった体を川の急流が冷ましてゆく。
結局最後までいかなかったが、
(これで良かったのかもな…今ならまだなんとか
何も無かったことにできるかもしれない。
服を着て、しばらくふつうの話をして、テントに戻って寝るんだ。)
「私の体魅力ない?」
「そんなことはねえよ、ただ俺も年なのかな、」
「……やっぱり、あの人のことが…」
言い掛けてやめる。
ちゃぷん。ガーネットが川底にひざをつける。調度良い高さとなった。
モノに手を添えて、口内に呑み込んだ。
「…おい、ガーネット」
「したいの…させて…」
今しがた冷水にサラされた局所に、口内の暖かい粘膜が心地いい。
口中いっぱいいっぱいに広がるそれを一生懸命にやさしく動かした。
急流が体温を奪い、神経は唯一温度を与えられるその場所に集中した。
どのように舌が動き、吸い上げるかよくわかる。
モノの次は、その下の袋を口に含んで内部タマを転がされた。
その間外気に触れて物足りなくなってた陰茎をガーネットの細い指が丁寧にスライド運動を
繰り返す。
それにもまして、…眉をこまらせ、懸命に愛撫する仕草が、感情をひきつけた。
(…かわいいな。)
そう感じるのに嘘はない。
「もういい、十分だ。」
頭を掴んで離させた。
「まだ…」ガーネットはそんな顔をする。
「身体冷えるだろうが。」
強引に手をひいて立ちあがらせた。目で目を見る。
一瞬の沈黙のあと、ガーネットの艶やかな唇にきつく唇を押し当てた。
冷静に考えれば今しがた自分のモノに触れてた場所だが、かまうものか。
「んっ…」
かきまわしたい、その欲情のままに舌を動かす、
夢中になって、舌で舌を追いかけた。