「あたしでも、もう少し時間があったら、
多分すぐ分かったでしょうね」
「負け惜しみを言うんじゃないよ。素直に
ほめてくれたっていいじゃないか」
とぼくは言い返した。
「それにしたって……まあ、いいか。君は
偉い!……これでいい?」
「ところでその宝石やけど……」
覗きこみながら、香山さんが言う。
「何ですか?」
また理屈をこねて、わけ前を……?
「任せてくれへんかな?」
「えっ? どういう意味ですか?」
きょとんとした顔の[真理]。
「わしの知り合いに、宝石屋もおるから売
ったろかっていう……」