(於 針の城・アセルスの部屋)
ゾ「いつまで、こんな城にいるつもりだい?
ア「私だってイヤだけど、
どこにも行き場がないんだもん。
ゾ「いいこと教えてあげよう。
町外れの焼却炉。
あの炎は別のリージョンからの
炎なんだよ。
ア「火の中に
飛び込めって言うの?
ゾ「それは君次第さ。
じゃあね、
こんどは別のリージョンで会おう!
君が望めばいつでも帰れるさ。君のリージョンだ。
(於 焼却炉)
ア「この炎が、どこか別のリージョンに
つながっているって本当かい?
紅、答えて!
紅「はい、本当です。
ア「それじゃ、
ここに飛び込めば‥‥
白「焼き尽くされるでしょう。
・ゾズマを信じる
・あんな奴信じられない
白「私もご一緒しますわ。
ア「白薔薇‥‥いいの?
白「オルロワージュ様はアセルス様の
教育をお命じになりました。
アセルス様について行くのが
私の役目です。
ア「ありがとう、白薔薇。
紅「白薔薇姉さま‥‥ご無事で。
アセルス様を御護り下さい。
白「ありがとう、紅姫。
(炎に飛び込む)
(於 ムスペルニブル・雪山)
ア「白薔薇‥‥
白「燃え尽きずに済みましたわ。
肌も髪も再生しました。
服は燃えてしまいましたけど。
ア「寒い‥‥
白「それはアセルス様が
人間の証拠ですわ。
私は何も感じませんもの。
ア「ここ、どこだろう?
白「空は燃え、地凍るリージョン、
ムスペルニブルですわね。
参りましょう。
ア「どこへ?
白「「妖魔の君」の御一人、
ヴァジュイール様の宮殿です。
心配なさらないで。
ヴァジュイール様は
オルロワージュ様と違い
陽気な方だとうかがっています。
(於 ヴァジュイール宮殿)
ヴ「これは珍客だな。
その格好、よほど暑い所から
見えられたようだな。
白「ヴァジュイール様にはご機嫌麗しく
何よりでございます。
私、オルロワージュ様に
御仕え致しております
白薔薇と申します。
こちらの方は、
オルロワージュ様の血を受けられた
アセルス様でございます。
ヴ「ほー、そなたが噂の娘か!
オルロワージュも酔狂なことをする
よほど退屈と見える。
白「さっそくで失礼とは思いますが、
アセルス様のために
御召し物を賜りたく存じます。
ヴ「うむ。
(ヴァジュ、服を着せる)
ヴ「やはり、この方が良いな。
人間どもなどは裸の方を
好むようだが、理解に苦しむな。
さて、事情をうかがおうか?
ヴ「妖魔の時はゆっくりと流れる。
アセルス殿の時は
激流の様に流れておる。
なかなか楽しめそうだな。
ア「楽しくなんかない!
ヴ「白薔薇姫、
何か望みはあるか?
白「はい。
どこか別のリージョンへ
送って頂きたいと思います。
ヴ「よかろう。
では、さらばだ。
(ヴァジュ、2人をワープさせる)
ヴ「オルロワージュめ、
己の血によって
破滅するやも知れん‥‥