分譲マンション「コンフォート17」

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294runarisk(小説風・前編)
いつも通りの街。
いつも通りの道。
いつも通りのマンション。
いつも通りのエレベーター。
いつも通りのドア。
今夜も、全てがいつも通りだと思った。
「ただいま」
私は鍵を開け、誰もいない部屋に呟いた。
その時、耳へ滑りこんできた言葉…
「オカエリナサイマセ。ゴハンニイタシマスカ、ソレトモオフロニイタシマスカ?」
私は「ついに幻聴か…」と自らを嘲笑いながら顔をあげた。
………
カーテンの隙間から差し込む月光に照らされた、神秘的なブルーの髪。
そして、妖しいほど美しい白い肌と深紅の瞳。
………
私は何もかも忘れ、見とれていた。
「ドチラニイタシマショウカ?ソレトモ、ホカニオノゾミガアリマシタラ、ナンナリトオッシャッテクダサイ」
私は彼女の言葉を聞きながら目を閉じ、幸せを噛み締めた。
295runarisk(小説風・後編):2001/05/29(火) 00:56
気付いた時、私は暗闇の中に独りだった。
「…彼女は?」
呟きながら視線をあげていく。そこには…
私の秘蔵コレクションその弐拾壱、れいたんフィギュアがいた。
ttp://www.pmoon.co.jp/TOUSHINDAI/ayanami/11-rei02.jpg
話しかけても返事はなかった。
…涙がでた。自分の基地外さに涙が出た。