LAS厨/LRS厨対決スレッド4

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321千屋
議論が多少混乱しているようですね。
>>261の問いに答える前にまず最初に私なりの問題設定について述べておきます。
(目的)
・本編重視系LAS/LRSの物語の構造分析
・なぜかくも多くの人々がLAS/LRSにこだわるのか分析すること
(手段)
・本編におけるシンジ、レイ、アスカ3者の心理について論理的で妥当性を帯びた解釈を行う
(ただ論理的なだけでは多くの人々が納得するとはいえない)→第1段階
・第1段階に基づきLAS,LRSの物語の構造(テーマ性、SRAそれぞれが象徴するものなど)
について明らかにする→第2段階
(手段の前提)
・第1段階→TV1-19、25,26話、ビデオ20-24話、劇場版25,26話の本編解釈を前提とする
 DEATHのSRAKの四重奏は説明不可能なので除外、ゲームも除外、
 庵野監督の考えに触れる作家論、シナリオ原案(最終話が「たった一つの冴えたやり方」のやつ)
 及び劇場版原案も混乱を招くので除外、なるべく純粋に「本編から読み取れること」を抽出する
・第2段階→第1段階の結果に加え本編系FFの実例を示し解釈する
LASとしては22話分岐のBEGINNING、EOEアフターの二人の補完などを考えています。
LRSの実例の明示をお願いしたい。
322千屋 : 2001/03/24(土) 20:48 ID:???
春休みも終わりが近いんで途中で消える可能性もありますがこんな感じで考えてみたいと思います。
LRS派の方にお付き合いいただければ幸いです。LAS派には援護をお願いしたい。
あと、議論は必要に応じ第1段階と第2段階を往復する可能性もあるでしょう。

現在の議論は第1段階、「レイの願い」がMM氏のおかげで明らかになり、
「アスカの願い」を私が示した、というところです。
その段階でR→Sであることは論証されたが
A→Sといえるのかという問いが残されました。
323千屋 : 2001/03/24(土) 20:50 ID:???
>>261
「アスカの望みが愛されることだったとして、
どうして彼女の相手がシンジじゃないといけないのか?
たとえばケンスケじゃだめなのか?
極端な話、オリキャラでもきちんと愛してくれればアスカは補完されるんじゃないのか?」

まず私は「本編重視」の、つまり「本編の文脈からの説得力ある想像が可能な範囲を前提とする」
立場に立ちますのでオリキャラは存在そのものが否定されます。
たとえばムサシ・ストラスバーグが出てきてアスカを愛する、というのは
本編無視の文脈で語られるべき内容でしょう。
ケンスケ、トウジなどにしても本編でアスカが彼らに愛される、彼らがアスカを愛するようになると
いう説得力をもった解釈の出来るシーンは存在しません。

あと、LASの意味は必ずしも「アスカの補完」に限ったものではないと私は考えています。
それは議論が進んだ段階で論じてみたいと思っています。
324千屋 : 2001/03/24(土) 20:51 ID:???
ではアスカは誰に愛されたいとねがっていたのか。
エヴァ世界の時系列に沿って考えてみます。

まずアスカの恋愛感情の対象になったのは加持です。
22話冒頭「バカなガキに興味はないわ、私が好きなのは加持さんだけよ」
「そいつは光栄だな」
「もう!加持さんならいつだってOKの三連呼よ、キスだって、その先だって!」
「アスカはまだ子供だからな、そういうのは大人になってからだ」
「私はもうオトナよ!」だから私を見て!

ここからは加持に自分を見てもらいたい、愛してもらいたいがゆえに
加持に好意を見せるアスカと、
知ってか知らずかそれをやんわりと拒絶、ないし無視する加持という構図が見て取れます。
その後11話のショッピング、17話のトウジのチルドレン選出を知るシーンなど、
アスカと加持がからむシーンはいくつかありましたがこの構図が変わることはありませんでした。
加持は21話の退場に至るまで、アスカが望んでいたものを与えることはありませんでした。

脇にそれますが、加持のアスカに対する心情を解釈するとおそらく
「背伸びしたがりのこどもが恋愛ごっこをしたがっている、
アスカもそれにはやく自分でそれに気がついて欲しい」というあたりだったのではないかと思う。
自分にとっての真実、自分で考え、自分で決めることを大切にしていた加持は
シンジにそう諭したようにアスカにもそうして欲しかったのかもしれません。
アスカの本音はもっと深いところにあったわけですが。
325千屋 : 2001/03/24(土) 20:52 ID:???
さて、次にアスカの前に男性として現れたのはシンジです。
8話〜15話にかけては実戦で負けなしという余裕から
アスカのシンジへの感情は悪いものではありません。
仲間として親和的な感情を持っていたといっていいでしょう。
11話「みてみてシンジ、バックロールエントリー」「バカ、無理しちゃって」
12話ミサト「ステーキおごるから」にかかわるやり取り、
15話「継続は力か、少し見直しちゃった」など。
しかしこれは「シンジが好きだ」という恋愛感情ではありません。
15話のキスシーンもアスカの主観では加持やミサトへのあてつけ半分でしょう。
ただ、実はこの時期にも裏はあったのですがそれは後述します。

16話でシンジにシンクロ率を抜かれますが、それでも19話冒頭までは
シンジに対する行動、感情にさほど悪影響は出ていません。
16話シンジの病室を覗くアスカ、
17話トウジ「また夫婦喧嘩かいな」に照れるアスカ、
19話「あのバカ、立ち直れないわよ」と少し心配をみせるなど。
326千屋 : 2001/03/24(土) 20:53 ID:???
19話〜22話前半にかけてゼルエルに敗北したせいでアスカは深刻な自己不信に陥ります。
19話「もう二度と負けらんないのよ、この私は」
20話「バカシンジに負けたなんて…悔しい」
22話「一ヶ月もエヴァの中に溶け込んでたくせに、なによ、しっかり元の鞘におさまっちゃってさ、
どうせ私は負けたわよ、あんたなんかに」
ミサトの「シンジ君に負けたと思い込んでるほうが大きいわね」からもわかりますが、
このときのアスカは負けた自分への怒り、不信、エースの座についたシンジへの嫉妬などの複雑な状態にあります。シンジへの感情は一言で言えば「嫉妬」でしょう。
ともあれアスカは感情を整理できないままアラエル戦に臨みます。
327千屋 : 2001/03/24(土) 20:54 ID:???
そして22話アラエルの精神攻撃によりアスカの精神が暴かれますが、
ここでシンジへの屈折した思いが明らかになります。
「何であんたがここにいるのよ!私を見てくれない、抱きしめてもくれないくせに!」
このシーンがA→S感情の論拠といえるのでくわしく描写しますが、
・加持の陰から顔を出すシンジ、ぎょっとするアスカ
・9話「エリコの壁」を閉めてうなだれるアスカ(アスカ派にとって一番つらいシーンですね)
・12話マグマの中で弐号機をつなぎとめた初号機
・15話キスのあとうがいして複雑な顔をするアスカ
このシーンを解釈すると
・自分でも認めたくなかった感情へのとまどい
・9話、本当は受け入れて欲しいのに自分から壁を作ってしまう自分へのいらだち
・12話、シンジがマグマの中に飛び込んで助けてくれたうれしさ、シンジへの期待?
・15話、抱きしめて欲しかったのに指一本触れないシンジへのいらだち、
そういう期待、加持やミサトへのあてつけをしている自分への嫌悪
という感じでしょうか。
アスカはなんと登場序盤の9話からシンジに「自分を見て欲しい」と願っていて、
22話までその気持ちを引きずっていた、ということが明らかになるのです。
328千屋 : 2001/03/24(土) 20:57 ID:???
上の解釈を踏まえると23話の「何よ、私のときは出さなかったくせに」も
単なるネルフへの恨み言というだけでなく、
シンジに助けて欲しかった、という解釈も可能ではないでしょうか。

EOEも解釈したかったのですが長すぎるのでいったん切ります。
最初の問いにもどって答えると、本編から言えることとしては
「アスカはシンジを愛していた」とはいえないが、
「アスカはシンジに自分を見て欲しいと心の一部で願っていた」
「加持でもよかったが彼はアスカを愛することを否定したまま退場した」
「シンジ・加持以外の男にはアスカは愛されることを望んでいない」
という流れでアスカにはシンジしかいない、ということに落ち着くのではないかと思います。
329千屋 : 2001/03/24(土) 20:58 ID:???
レイの思いに比べアスカの思いは弱いように見えますが、
レイがシンジを求めた気持ちが恋愛感情だったとするならば、
アスカがシンジに向けた感情もまた彼を求める気持ち、「恋愛感情」を含んでいたといえると思います。
EOEで「あんたがぜんぶ私のものにならないなら、私、何もいらない」と言わしめるほどに。
レイの場合は「シンジを愛している」という能動、
アスカは「シンジに愛されたい」という受動であるという差はありますが、
思いがあったという点ではレイもアスカも変わりはありません。
レイの愛を受け入れるか、アスカを愛するようになるのか
あとはシンジ次第ということになります。

私の解釈が受け入れられるかどうかはわかりませんが、
R→S、A→Sが論証されたならば次の論点はS→R、S→Aの可能性についてとなるでしょう。