ドラゴンクエスト官能小説Part2

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 ムーンブルグの城の陥落以来、ムーンペタの町は混乱しつづけていた。
 城から逃れてきた者と、物見遊山で流れ込んできた者が行き違い、朝から晩まで落ち着かない。
 外のモンスターは手強さを増し、ハーゴンの軍勢がいつ来るか知れぬ。
 自暴自棄になった者が羽目を外し、風紀が乱れるが、取り締まれるものは皆、戦の露に消えていた。

 薄汚れた裸足の娘は、流れ者を見つけると、近寄って腕に凭れる。
「遊ぼうよ」
「何の遊びだ、えぇ?」
 肘に当たる服越しの乳房に、無精髭の流れ者はにやにや笑う。
 やつれて凍りついた表情に、目だけがぎらぎらした娘は、男を引きずるように路地裏に誘い込んだ。
「いくらだ?」
「お金はいらない」
 娘の指が、服の上から下腹部をなぞる。
「はは、戦で気が昂ぶって、男欲しい訳だ」
 言ってる間に娘の指はあっけなく男根を引きずり出した。
 細い指が大きさを確かめるように触れている内に、それは醜く膨れ上がる。
「お金はいらないから、ムーンブルグまで一緒に来て」
 根元から先まで、するすると指がなぞる。
「な、なでてばっかいないで、もっとちゃんとやれや」
「お城まで行きたいけど、モンスターが多すぎて近寄れないから、護衛して頂戴」
 ぐい、と握り締められ、男は腰を引く。
「馬鹿、優しくやれ!」
「聞いてる?」
「道中好きなだけやらせるってんなら、リリザまで送ってやってもいいぜ」
「好きなだけやらせるから、ムーンブルグからモンスター追い払って」
 相変わらず指は男根をまさぐっているが、次第にそれは元気を失っていく。
「あのなぁ、あそこは焼け跡荒らしの盗賊も怖がって行かないところだぞ」
 娘の手が、男から離れる。
 少しついた粘液を男の服で拭い、振り返りもしないで行ってしまった。
「あんた助かってよかったなぁ」
 間の抜けた声に男は振り向く。
 中年の男が、バケツをぶら下げて突っ立っていた。
892:01/09/27 03:19 ID:7dLZknQ2
「なんだありゃ」
「可哀相に戦の時にモンスターにやられちゃったらしくて、魔物に憑かれてんだよ。
 男誘っちゃ噛み付いてね…噂じゃ、下にも歯が生えてるんだと」
 馬鹿な、と流れ者は笑おうとしたが、娘の無表情と、血走った目を思い出し、縮み上がった。
「はよ宿に戻って寝な」
「…おぉ」
 すれ違って男が路地に戻る頃、激しい水音と、中年男の怒鳴り声が聞こえた。
「相手構わずさかってるんじゃねぇ、この牝犬が!」
 しばらくして、ばつが悪そうにびしょぬれの若い男が逃げ出してきたのだった。

 ローレシア王子アベルと、サマルトリア王子コナンは、ムーンペタの町を行く。
 武術の心得があるといっても箱入り坊やども、緊張とお荷物な相手のフォロー(双方)で肉体も精神もよれよれである。
 被害状況、王家の生存者探し、それぞれ実家に報告、とやることはたくさんあるがなによりまず休息。
 這うように宿にたどり着いた時、だった。
 薄汚れた裸足の娘が立っていた。
「…見ない顔だけど被災者?」
 アベルとコナンはふくれる前に自分たちの姿を見直す。
 モンスターの残骸、泥、血、汗にまみれた二人は、お世辞にも王子様ではなかった。
「信じてくれなくていいけど、向こうはローレシア王子アベル、俺はサマルトリア王子コナン。
 ハーゴン討伐に向かう途中だよ」
 娘の顔色が変わる。真正面から向き合ったコナンも目を見張った。
「ナナひ、」
 皆まで言う前に、娘はコナンの口に指を突っ込み、噛み付きそうな顔で二人を睨む。
「大きい声出さないでこっち来て」
 宿に行こう、と誘っても、娘は聞かず、湿っぽい路地裏に二人を押し込んだ。
「一目でばれると思わなかった」
「小さい頃会ったしこないだ肖像画見せられたばっかりだからね」
 散らばるガラクタで、三人は思い思いに座り場所を作って落ち着く。
「無事でよかった」
 言ったアベルはナナの射竦めるような視線にたじろいだ。
902:01/09/27 03:22 ID:7dLZknQ2
「本隊はどこ?」
「本隊って、今来てるのは俺たち二人」
「偵察かねてるんだ。これからお城の方にも寄らせてもらって、それから何を手伝えばいいか報告するよ」
 まっすぐなアベルをフォローして、コナンが説明してもナナの表情は強張ったまま。
「表歩けないほど滅茶苦茶なの見ればわかるじゃない、坊や二人挨拶によこして、それでお茶濁しておしまいにする気?」
「だから、滅茶苦茶なのもわからなかったから調べに来たんだって。ぴりぴりするなよ」
 アベルが伸ばした手をひっぱたいてナナは立ち上がる。
「ローレシアもサマルトリアもハーゴンと一緒だ!弱みにつけこんで乗っ取ろうとしたってそうはいかないんだから!」
「待て、こら」
「うるさい、ムーンブルグに土足で踏み込むな!出て行け!」
 突然の剣幕に怒るよりあきれているうちに、ナナは二人から離れ、やがて、見るからに質の悪い男の腕にぶら下がっていた。
「…何怒ってんだ…」
「それよりなんだよあの親父…」
 さっきの剣幕は嘘のように話が進んでいる。
 二人はため息をついて、宿に転がり込んだ。
「お姫様は魔物に憑かれて、あんなになっちまったんだよ、可哀相に」
 宿のおばちゃんが涙ぐむ。
「助けてあげたいんだけど、町の者は近寄らせないんだよ、おかしな男にはついていくんだけど…」
 おばちゃんはエプロンで力いっぱい洟をかんだ。
 アベルとコナンは、ぬるくなったエールをすする。
 疲れきった喉に貼り付くようで、ひどくまずかった。

 出かけようとすると、宿の前にナナがいた。野宿しているのだろうか、それとも、と、余計な方に気が回る。
「臆病者、さっさと出て行きなさいよ」
「そうするよ、お元気で」
 コナンにあっさり言われても、ナナは顔色すら変えなかった。
「だいじょうぶなんだから、強い人集めて、私一人で立て直してやるんだから…」
 コナンはアベルを引きずるように、町を出る。ナナは、ずっと突っ立っていた。
「…あれ、魔物憑きじゃないだろ」
「思い詰めちゃってるんだよ」
 これから向かうムーンブルグ城の惨状が、見なくてもわかる気がした。
912:01/09/27 03:24 ID:7dLZknQ2
 路地のガラクタの上にナナはうずくまっていた。
 二人とも行ってしまった。
 ひどい事を言ったから、ムーンペタの援助はしてくれるかもしれないが、もうナナにはあきれてしまったろう。
 自分一人でムーンブルグを立て直すと息巻いても、実際は屑のような男一人捕まえられない。
 ぼんやり壁にもたれていたナナを、優男が一人覗き込んでいた。
「犬娘ってのはあんたかい」
「牝犬以下よ」
「ムーンブルグまで送ってってやれば、やらせるって?」
 ナナは跳ね起きる。
「ムーンブルグ城のモンスターを追い払って、ハーゴンを討ち果たすのを手伝ってくれるなら、なんだってする」
 よしよし、と、優男はナナの腰を抱いた。
「この辺だといい雰囲気になると水ぶっ掛けられっから、町の外に行こうぜ。
 うーんと可愛がってやるからなぁ」
「本当に、本当に一緒に来てくれるの?」
「おぉよ、ここで一肌脱がなきゃ男じゃないぜ」
 突然の安心感は全身の神経を一度に刺激し、疲れ果てているナナの理性をさらに曇らせていった。

 藪に、見覚えのある男が二人。昨日交渉決裂した振った流れ者と、若い男。
「…仲間だったんだ…」
「さっきなったばっかりだけどな。これから兄弟ってわけだ」
 下草の上に、ナナは放り出される。
「牝犬ちゃん、護衛してほしけりゃ、跪いて俺たちのちんぽにお願いしてみな」
 剥き出しの男根が三つ、目の前にうなだれている。
 両膝をついて男達を見上げると、違う、と頭を押し下げられ、顔が流れ者の男根に触れる。
「私ムーンブルグの姫でございますが皆様の勇気に感謝して男根様にご奉仕申し上げます、ってご挨拶してみな」
 ぽかんとあきれたナナの頬を、若い男が張り飛ばす。
「わかんねぇ奴だな、言って、犬みたいにぺろぺろなめるんだよ」
「しゃぶって立派に大きくしてから、牝犬の私を哀れんでお股につっこんでくださいませってな」
 ナナは、台詞は言わずに、亀頭を一舐めずつ。
「三つもお行儀よく並んでると笑っちゃってそんな事言えないわ」
 そうかよ、と流れ者が王女を突き飛ばし、優男が両足首を掴んで持ち上げる。
 起き上がろうと体をひねる前に、若い男が羽交い絞めにしていた。
922:01/09/27 03:28 ID:7dLZknQ2
「少しは楽しく遊ぼうかと思ったけど最初っから教育してやらなきゃ話にもならねぇな!」
「お姫様ったってただのみなしごじゃねぇか、素直に可愛くならねきゃ世の中渡っていけないぜ」
 粗末な服はあっけなく引きちぎられ、放り捨てられた。
 流れ者と優男が二人掛かりで足を押し開き、節くれ立った指が秘所をまさぐる。
「舌噛んで自害するか? 出来ねぇよな、ムーンブルグの最後の生き残りだもんな」
「安心しな、俺たちでたっぷり種付けてやるから」
 若い男は両の乳房を面白がって揉みしだき、流れ者と優男の指が秘宝をまさぐり、泉を掘り当てる。
「…なんで、姫って」
「ばれてないとでも思ってたのか、町中が気の触れたあんたをはらはら見守ってらぁ」
「変な虫がつかないようにバケツ持って追っかけ回してよ」
 びくり、と、泉が指に食いつき、優男が思わず引っこ抜く。
 疲れ果てたムーンペタの民にこれ以上の負担をかけたくなくて、ナナは誰にも甘えずにいようとした。
 そんなナナを町民は痛々しく眺めながら守っていてくれたのだ。
 ムーンブルグ兵と兄は、死してもナナを守りきった。
 それなのに当のナナは、便所代わりに犯して捨てるつもりでいる屑どもに組み伏せられている。
「ふぁ、あ」
 漏れた嗚咽と、こぼれた涙は、肌を裏からなで上げ、ならず者の陵辱と無関係に、ナナに一時の快楽を与える。
 跳ね上がったナナの体を、流れ者が押さえつけ、秘宝をつまむ。
「くぅ、」
「なんだよ正体ばれたら反応よくなったじゃないか?」
「楽しませてばかりいないで、懲らしめてやれよ」
 そりゃそうだ、と、結局手伝わなくても勃起した男根を、ナナの泉にこじ入れる。
「い、たぃ、や、だぁ」
「何でもいいからきゃーきゃー声出せよ、盛りあがらねぇ」
 まだ、快楽がわかるほど慣れていないナナに流れ者は激しく突き立て、自分勝手に射精する。
 すぐに優男の指が精を掻き出してナナの顔になすりつけ、無遠慮に挿入し、果てた。
932:01/09/27 03:29 ID:7dLZknQ2

 若い男は、同じ事をするのも芸がないと思ったか、二人の手を借りてナナを這わせ、突き入れる。
「はは、やっぱり犬はこっちがいいだろ」
 腹の下にもぐりこんだ優男が、ナナの秘所を広げ、秘宝に歯を立てる。
「やっ、やめ、ぃたぃっ」
「臭いよ、牝犬、交尾したらちゃんと舐めて綺麗にしとけって」 流れ者はナナの口をこじ開け、押し入ろうとしたが、ナナが歯軋りして見せると、一歩たじろいだ。
「いつまでやってんだよ、早く代われ!」
 ナナは、苦痛と屈辱と、それ以上の悲しみで、涙をこぼしていた。
 最高も敵討ちも諦めて、死んでしまいたい。
 ただ、こいつらに汚された事を理由にするのだけは嫌だった。
 突然、流れ者が仰向けにひっくり返り、のた打ち回って気絶した。
 頭からぶすぶす煙が立ち昇る。
 なんだ、と、抜け出した優男の腹に、ブーツが入る。
「念のため聞いておくけどさ、彼氏だったらごめん」
「彼氏だったらぼこぼこにしてからホイミ一回ずつおごっとくよ」
 何が起こったのか振り向こうとすると、優男を踏みつけながら覗き込んでいたアベルと目があった。
「…ううん」
「じゃ、遠慮なく」
 呆然と、まだナナの腰に取り付いていた若い男の首を、コナンが後ろから締め上げ、ナナから引きはがした。
 支えを失い、ぺたんと伏したナナに、王子たちは一瞬目を奪われるが、そこは由緒正しき王族の誇りにかけて、何もない振り見ない振り。
 コナンがあたふたとマントを着せ掛け、当座を凌いだ所で改めて、二人は遠慮なく三人のならず者を足腰立たぬまで叩きのめしす。
 幸い、体力の消耗はしているが怪我というほどの怪我もなく、ホイミ一つで、ナナの顔に血色が戻った。
942:01/09/27 03:30 ID:7dLZknQ2
「帰ったんじゃなかったの?」
「ムーンブルグ城まで様子見てきたんだ」
 アベルが言い、ナナはうなずく。
「王様と、王妃様と、王太子殿下と…みんなが、ナナの事心配してたよ」
「心配、って、」
 身を乗り出し、ずれ落ちそうなマントをコナンが慌ててかきあげる。
「魂だけになっても、心配で心配で、って」
 さっき乾いたナナの目が、また潤む。
 思い出したようにアベルが、ナナに鏡を向けた。
「俺も、コナンも心配で吐きそうだ。
 自分の顔見てみろよ、髪振り乱して目血走らせて、本当に狂犬みたいだぞ」
 年代物の鏡に手を添え、ナナは自分の顔を覗き込む。
 やつれ果て、目だけがギラギラ光をたたえる顔は、そん所そこらのモンスターよりもよほど凄みがあった。
「怖い顔…」
「そんな怖い顔じゃ、みんな逃げ出すって」
 冗談めかしてアベルはナナに笑いかけ、釣られてナナも目を細める。
「一人で大変だったね。
 俺たち頼りないかもしれないけどさ、何でも助けになるから」
 他の者ならどうとでもなるが、王子たちに気を許せば国ごと乗っ取られる、弱みは見せられない、と必死にナナは突っ張ろうとしたが、緩んだ涙腺が先に降参した。
「…父上も、母上も、兄上も、城のみんなも、私一人置いて…」
 両手で顔を拭おうとしてマントがずり落ち、慌てふためいた二人はとりあえずアベルの胸を貸し、コナンが包みこむ。
 女の慰め方一つわからないガキな王子たちに、ナナは笑い、それから、遠慮なく涙をこぼした。
 城が落ちて以来、こぼせなかった分を全部。
952:01/09/27 03:31 ID:7dLZknQ2
 宿に戻り、ナナの魔物憑きが取れたことを告げると、宿のおばちゃんは大泣きして喜び、体を洗い終える頃には、町じゅうからお祝いが集まっていた。
 瞬く間に場が整えられ、お悔やみやらお喜びやら現在の状況報告が飛び交う中、ナナはすっかり王女の顔に戻り、毅然と応対している。
 すっかり蚊帳の外のアベルとカインは、一晩休んでから、宿を離れた。
「ここにいたほうがムーンペタの連中が安心するな」
「体弱ってるしね。俺んちかお前んちに連れてくのも長旅になるから」
「よろしくね」
 間にもぐりこみ、勝手にナナは二人の腕を取っていた。
「…いや、さよならとかめんどくさいだろ?」
「お見送りじゃないの。一緒に行く」
「ムーンペタの連中が心配するよ」
「心配されすぎて息詰まりそう。気分転換、ね」
 屈託のない笑顔に、アベルもコナンもにっこり笑い返してしまい、ナナがにんまりほくそえむ。

 …ま、レベル1のナナが何とかダンジョンについて行けるようになるまで、ムーンペタにはずいぶんお世話になるのだったが。