ドラゴンクエスト官能小説Part2

このエントリーをはてなブックマークに追加
68うさぎさん
 港町ルプガナ。
 どこか禁欲的なローレシア、サマルトリア、ムーンブルグと違った盛んな交易地には、享楽の雰囲気が漂っている。
 戦と長旅で心身ともにくたくたの三人は、早速今日を休日と決め、のんびり町を散歩する。
 屋台で買った素朴な菓子を立ち食い、なんて小さな冒険に喜んでいた王子たちは、通りの向こうに目をやり、そのまま固まった。
 海風は涼やか、町行く人々はどちらかといえば厚ぼったい長袖を着ている中、その人は立っている。
 お洒落のつもりなのか目印なのか、うさ耳の髪飾り。
 艶やかに、滑らかな曲線を描いてすらりと伸びた足。
 しなやかな指先、柔らかな腕と剥き出しの肩。
 深い谷とそびえる連山、絞ったように細い腹に豊かな腰は、やっと胴体を覆い隠せるほどの小さな服に押し込められているが、今にもはちきれそうだ。
 手足を剥き出しにする事すら、はしたないお国柄に育った三人にとって、その人はあまりにも衝撃的だった。
 王女すら、食いつきそうに目を見張っている。
 道の向こうにいた彼女は、菓子を握りつぶしそうに驚いている三人ににっこり笑いかけ、手招きした。
「お、おいでってさ」
 王子たちは思わず王女に振り向く。
 ただ、言って見ようと提案するだけだったのだが、どうしても目線は王女の体をなぞる。
 が、王女は気にせず彼女に歩み寄る。
「寒くないの?」
「あなたたちの視線で燃え上がりそうよ」
「そんな格好をしていたら、触られたって文句言えないわ」
 うさ耳さんは、王女の手を取り自分の胸に押しつける。
 おぉ、と王子たちが身を乗り出すがうさ耳さんは気にした様子もない。
69うさぎさん:01/09/23 15:21 ID:YchLXKuw
「こうやって触らせるために、挑発するために寒い格好してるのよ」
 王女も動じず、軽くうさ耳さんの胸を握り返した。
「触らせてどうするの?」
「お金を貰うのよ、世間知らずちゃん」
 うさ耳さんはするっと王女の胸に触れる。
「あ、」
 僅かに王女が顔を伏せ、うさ耳さんが微笑んだ。
「男相手のお仕事だから、お嬢ちゃんは関係ないのよ」
「…何で男の人はお金払うの?」
 うさ耳さんは、目を細め、王女の腰に手を回した。
「いろいろ教えてあげてもいいわよ。おいでなさいな」
 王女はうなずく。
 ついていこうとした王子たちにうさ耳さんは振り返り、ひらひら手を振った。
「坊やたちはお菓子食べてなさいね」
 坊やたちは呆然と、連れられて行く王女を見送った。
「…王女もうさ耳さんになってくんのかな」
「…したら胸…」
 ぽーっとなった王子たちは、空ろに菓子を齧る。
 お財布係が連れて行かれたので、買い食いどころか宿にも行けない、ここで待ってる以外ないのに気が付いたのはしばらくたってから。
70うさぎさん:01/09/23 15:22 ID:YchLXKuw
 長椅子に、やや向かい合いぎみにうさ耳さんと王女が座る。
 嫣然と、しかし目は真剣にうさ耳さんは王女の頭を胸に押し付けた。
「ふぁ…」
 谷間にすっぽり顔が埋まり、ほおに量感たっぷりの乳房が当たる。
 うさ耳さんは両手でたぷたぷと乳房を揺らし、それから、王女を仰向かせた。
「これが、ぱふぱふ」
「…うん…」
 ゆっくり、うさ耳さんは王女をつき放し、目を覗き込む。
「挟んで揺らしてやるだけ。触らせないのよ」
「うん」
「あなたまだぱふぱふするほど胸ないし、お嬢様っぽいからね、あたしみたいにどーんとやっちゃだめ。
 恥ずかしくて恥ずかしくて泣いてしまいそう、って、もじもじやんなさい」
 王女は、真剣にメモをとる。
 うさ耳さんは、足を組んで胸を張る。
「男なんてね、ちんちんついたお財布なのよ。うまく扱って殺さない程度に絞ってやるの。いい?」
 王女はこくこくうなずく。
「常に相手の顔色を見ながら、出方をうかがうの。ぱふぱふでとろんとしたら、そーっと耳元で」
 うさ耳さんは唇が触れるほどに王女の耳に顔を寄せる。
「触りたい?」
 どきんと王女は身をすくめ、うさ耳さんは王女の指に触れる。
71うさぎさん:01/09/23 15:23 ID:YchLXKuw
「この指で、触ってみたい?って、誘って、乗ってこなかったら、あ、そう、と冷たく付き放す。
 深追いしないのよ」
 指も上手になでなでするの、と教えられる指で、王女は熱心にまたメモ。
「乗ってきたら?」
 うさ耳さんの満足そうな笑顔。
「すかさず耳にキスするみたいに『追加料金いいよね』」
 王女は笑い出し、うさ耳さんにもたれた。
「出来たら、まとめて払わせないで、一回一回精算するの。パフパフ100G、右お触り50G、左50G、揉んで80G、生ちら拝んで100G…ってね。最初からセットはだめよ」
 王女は指折り数えて笑いながらうさ耳さんの乳房を掴む。
「拝むまでに破産しちゃうわ」
「そーよ。それでもまだ頑張るなら、太腿とお尻触らせてやんなさい」
「コーフンしちゃって勝手に触ってきたら?」
 うさ耳さんは王女と指を絡ませる。が、目は真剣だ。
「あくまでも主導権はこっち。触らせてやるだけよ。
 むこうが羽目を外したら、指の骨へし折ってやりなさい」
 親指ひねり、小指ねじりの技、それから関節技をうさ耳さんは王女に伝授。
「勘違いした野郎に押し倒されたら、泣きなさい。
 顔を伏せてしくしく涙こぼすくらいじゃ、ご挨拶にもならない、口開けて洟たらしてわぁわぁ泣き喚くの。
 みっともない泣き顔で大抵はひるむだろうけど、まだやるってなら、相手が何しようと構わず泣きなさい。
 …でも、泣くのに夢中にならないで、ちゃーんと相手の動き見てるのよ。
 ちんちん出したら、そこが急所だから、掴む、噛む、握りつぶす、爪立てる!」
72うさぎさん:01/09/23 15:23 ID:YchLXKuw
 わくわくと王女はうさ耳さんと、暴漢対策の型をとる。
 金で身を売るか弱い女とはウサギの毛皮。
 武器も鎧もなしに体一つでしたたかに世を渡る、それが真の娼婦。
 王女は屈強の戦士よりも逞しいうさ耳さんの実力を見抜き、うさ耳さんはお姫様ながら辛い世間を渡らなければならない王女に気付き、女の道の個人教授と相成ったのであった。
「なんか知らないけど、旅なれてないしさ、気になっちゃってね」
「ううん、ありがとう。
 あいつらと友達だけど、女一人だから、いろいろ意識したり気になって…誰かと話したかったの」
「ちょっと見ただけだけど、いい子達じゃない。心配ないよ」
 赤ちゃんのように王女を抱っこしていたうさ耳さんだが、思い出したように王女の鼻をつつく。
「友達だからサービス、なんて寝てやっちゃ駄目だよ?すーぐ自分の女扱いして付け上がるだけだから、小出し小出し、ケチってケチってご機嫌取らせて、二人の競争心煽って上手に使うのよ?」
「はーい」
 王女はうさ耳さんの胸に顔を埋めて、笑った。

「うさ耳は?」
「胸は?」
 寒風吹きすさぶ中、退屈して寒がっていた王子たちは、戻ってきた王女に飛びつく。
 が、王女は余裕の笑みをこぼし、二人をすり抜けていってしまう。
「何?」
「知らん」
 一歩だけ大人の王女に戸惑い、王子たちは首をかしげていた。