ドラゴンクエスト官能小説Part2

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54ムーンブルグ王女
 すいません、エロくないです。途中でなんか間違えたらしいです。

 突然にムーンブルグの城は邪教の神官ハーゴンの軍勢により、落ちた。
 焼け崩れた城と、数え切れない兵の屍を目の当たりにした王女は、声も出せずにいた。
 戦闘には巻き込まれなかったものの、落ち延びるのは間に合わず、城をあさっていた敵兵に捕まっていたのであった。
 兵といっても、人の形をしているのは仮面を深くかぶった神官の類が数名のみ。
 あとは、得体の知れぬモンスターや獣人が無数に蠢いている。
 王女を羽交い絞めにし、生ぬるい鼻息を首筋に吹き付けているのは、毛むくじゃらの巨大な猿だった。
 すでにモンスターは、兵の遺体を貪り食っている。
「ハーゴン様の賜った神託は『皆殺し』だ」
 鼻先に近寄った神官に王女は蹴りかかるが、非力なキックが命中する前に、ほかのモンスターが両足を掴んだ。
「さっさと殺すがいい!」
「勿論。だが、その前に見事城を落とした部下どもに褒美をやらねばな」
 神官が顎をしゃくると、剣を持ったモンスターが、王女のドレスを喉元から腿まで切り開いた。
 息を飲む王女の口に、ドレスの布地が押し込まれる。
「舌を噛んで自害なさっても同じ事。
 姫君の体が硬くなり朽ち果てるまで、我らで弄び、骨の一欠けらまで食い尽くして差し上げよう」
55ムーンブルグ王女:01/09/21 04:37 ID:WjqwolOY
 もう一度モンスターの剣が、今度は肌身と下着の間に割入って切り裂き、王女の乳房も秘所も、全て侵略者どもの目の当たりに曝される。
 神官は、無遠慮に乳房から秘所までを撫で回し、ぼろきれになったドレスを毟り取る。
「残念な事に、我らが部下のほとんどは人間の女に興味を持たないので、好きにしていいと投げ渡してやっても」
 両の乳房を力任せに握られ、王女は顔をしかめる。
「こんな事もしないし」
 内腿をなで上げられ、王女は腰を引くが、途端、自分を羽交い絞めにしている猿の屹立した男根が尻に触れ、全身が粟立つ。
「勿論こうやって」
 誰にも触れさせたことのない花びらを掻き分けられ、秘宝をつねられ、王女の目から屈辱の涙が溢れた。
「姫君を泣くほど悦ばせることも出来ずに、新鮮な肉として食い散らかしてしまうだけだ。
 それでは仕方ないので、姫君のこの世の最後の思い出に、立派な客を用意して差し上げよう」
 モンスターの唸り声に混ざって、何か呪文の詠唱が響いていた。
 やがて、詠唱していた数人の祈祷士が杖を振るうと、モンスターの群れが動いた。
 違う、モンスターに貪り食われていたムーンブルグ兵が次々に起き上がり、王女と神官の前によろよろと歩いてくる。
56ムーンブルグ王女:01/09/21 04:37 ID:WjqwolOY
 生き残っていた兵が自分を助けに集まってきた、と、思ったのは一瞬。
 夕闇でも見えるほどに近寄ってきた彼らは、半ばモンスターにかじられて崩れた体のまま。
 体内を暖める血を失い、生気も表情も失せた兵たちは、ゆらゆらと傾ぎながら、にじり寄ってくる。
 神官が高笑いし、モンスター達は唐突に王女の拘束を解く。
 地面に膝をついた王女の口から、布切れが零れ落ちた。
 朝に夕に顔を合わせていた親しい兵達。
 雄雄しく戦死した彼らの抜け殻。
 邪悪な魔力に動かされるリビングデッドの群れ。
 驚きと恐怖で立ち上がれない王女は、瞬く間に群れに飲み込まれ、悲鳴を上げる。
 が、近隣に悲鳴を聞き分けられる者はもはや残っていなかった。
 残っていたとしても、誰も軍勢に刃向かう力を持っていなかった。
 群れを眺める神官が、ヒステリックに笑っていた。
57ムーンブルグ王女:01/09/21 04:38 ID:WjqwolOY
 もがくほどにリビングデッドの手が肌に触れる。
 仰向けに引き倒されはしたが、背にも尻にも地面は触れず、全身をくまなく亡者の冷たい手が覆っている。
「あなたたち、しっかりしなさい!
 ムーンブルグ兵の誇りももうなくしたの?」
 声が枯れるまでわめいても、リビングデッドの耳は最早人間の声を聞き分けられない。
 一人一人見知った顔、名前を知っていて話したこともある兵達。
「ねぇ、お願い、誰か返事しなさい!
 操られてるんじゃなくて、一人くらい、生きているんでしょう?」
 答えはなく、肌を這いまわる冷たい手だけ。
 王女の目から涙が溢れる。
 みんなが生きていて、この場を救ってくれるのなら、体くらい好きなだけ与えてやれるのに。
 冷たい指に花びらをこじ開けられ、王女は膝を閉じようともがいた。
 だが、幾つもの手が膝と花びらを押し開き、泉に指よりもっと太いものが押し当てられる。
 本能で危険を悟り、目を見開いた王女は、自分の腰を掴んで押し入ろうとしている亡者を見た。
 物心ついたときから見知った男、五つ年上の兄だった。
「いやだ、いやだ、兄上やめて!目を覚まして、助けて!」
 魔法に優れ、可愛がってくれた兄の抜け殻は、何の感動もなく、恐怖で乾ききっている王女を貫いた。
 亡者の群れに押さえつけられ、逃れる事も暴れる事も出来ず、王女はしゃくりあげる。
 突き入れたまま、腰を掴んだまま、兄はもう動かなかった。
58ムーンブルグ王女:01/09/21 04:39 ID:WjqwolOY
 王女は、ぼんやり空を眺める。
 月が天高く上っていた。
 夢だってこんなに無茶じゃない、と、王女は欠伸を一つ。
 相変わらず、無数の…兵の数だけリビングデッドがいるのなら、百人分の手が、王女の裸身に触れている。
 だが、王女がもがくのをやめてからは、その手はそっとあてがわれているだけ。
 いや、最初から、そうだったのだろう。
 王女の体温を吸ってか、王女の肌が冷え切ったのか、それほど冷たさを感じない。
 動きを止めた兄の亡骸は、王女の腰を抱いたまま、王女を貫いたまま。
 王女が身をよじれば鈍い痛みが戻ってくるが、それだけの事。
 時折、王女を取り囲んだリビングデッドの群れを縫って、女体に興味があるらしいモンスターや獣人が割り込もうとするが、リビングデッドは全く位置を変えず、王女の身に何者をも触れさせない。
 勿論秘所は兄が塞いでいる。
 冷たい亡者の体の上に組み伏せられてはいるのだが、もっと冷え切った地面には王女の体は触れない。
 目を閉じてしまえば、少々寝心地の悪い寝床のようで、実際王女は月が高く上るまで、うとうと眠っていた。
 亡者の群れに弄ばれているのは確かなのだが、同時に、王女は忠実な兵達に完全に守られていた。
 魔術の心得のある兄の、最後の抵抗かもしれない。
 単に神官達の呪文が下手だっただけかもしれない。
 死してもなお残る忠誠心かもしれない。
 王女は、安心しきって目を閉じていた。
 その余裕は、この状況が退屈だと欠伸が出るほど。
59ムーンブルグ王女:01/09/21 04:40 ID:WjqwolOY
 リビングデッドの人垣の外から、神官の怒鳴り声が聞こえる。
「牝犬め、亡者まで体でたぶらかすか!」
 ヒステリックに、犯せ、気が触れるまで嬲れ、と、神官は怒鳴り、リビングデッドに命令するが、ムーンブルグ兵は微動だにしない。
「この役立たずの出来そこないどもめ、もういい、王女ごと焼き尽くしてくれる!」
 兄が崩れるように王女に倒れこむ。
 ムーンブルグ兵は、人垣を一回り縮め、身を寄せる。
 イオナズンの詠唱とともに閃光が走ったその時、王女は聞こえるはずのない声を聞いた。
「しんぱいない、めをとじておいで」
 兄の腕が、しっかり王女を抱きしめていた。

 怒りに任せてイオナズンを唱えた神官は、焼け崩れたリビングデッドの残骸には目もくれず、軍勢とともに立ち去った。
 誰の気配もなくなった頃、骸の山から王女は這い出した。
 その裸身は、火傷一つ、傷一つない。
 王女の盾になってイオナズンに焼き尽くされた骸は、最早誰のものかどの部分かもわからなかった。
 立ち上がって、体の芯に残っていた鈍い痛みに、王女は涙をこぼすが、すぐに振り払い、引き裂かれたドレスの残骸を拾って身に巻きつけた。
「みんなの敵討って、ちゃんと、戻ってくるから、待っててね」
 それきり、王女は振り返らずに、朝日の方角、ムーンペタの町へ歩いて行った。