へぼい本を読むと・10

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330162@ついでに昔のネタを
友達からもらった星座戦士の小説本です。上手に要約できませんでしたがどうぞご勘弁願います。

主人公は無宇、木貴への昔語りという形で進行します。
幼い無宇はセイント修業のためにある女性(オリキャラ)に師事します。彼女はアテナの戦士ではなく、
ゼウスの戦士というオリジナル設定です。このゼウスの女性戦士の元にはオリキャラの弟子があと
2人います。少年と少女です。はっきり言ってこの作品はほとんどオリキャラしか出て来ません。
そしてゼウスの女性戦士と射手座とのラヴストーリーがメインらしいのですが、射手座はラストの
方にしか出てこず、幼い弟子たちへの性教育が大半を占めるという大変啓蒙的なお話です。

弟子の少女が初潮を迎えた時に怪我してしまったと師匠に報告したり、月経痛に悩む少女のために
無宇ともう一人の少年が薬草を採ってきて、「これは病気ではないのよ」などと諭されます。
無宇が師匠と弟子の少女の夢を見て夢精してしまった時に、おねしょしてしまったと師匠に報告
した所、どんな夢を見たの?と質問され、詳細に答えさせられるという羞恥プレイの後、「それは
恥ずかしい事ではないの。大人になりつつあるのよ」とまたしても諭されます。
というか、いちいち体のしくみから何から解説される事自体がとても恥ずかしいのではないでしょうか。
そしてこの子供達はなぜいちいち報告をするのでしょうか。無邪気にも程があると思います。

さて、そんなこんなでいたいけな少年少女がいい加減耳年増になった頃、ようやく本題に入ります。
ゼウスの女性戦士が聖域に召喚されるのです。ここで解説。このゼウスの女性戦士はアテナを産む
ためにたった一人だけ任命されるもので、確かクロスは存在してませんでした。
聖域に行ってなにをするかというと、体にゼウスを宿らせた男達とまぐわってアテナをその身に
宿すのです。女性をなんだと思っているのでしょうか聖域は。
ここで唐突に射手座が出て来ます。実はここまで何の前振りもなかったのですが、射手座とゼウスの
女性戦士は相思相愛だったのです。苦しげに「俺がお前を抱く時は俺じゃなくなっているが…心は
お前を愛している」などと突然メロドラマです。彼女も「わかっているわ…」と寂しげです。

いったん切ります。
331162@省略されてごめんなさい:2001/05/26(土) 19:21
(続き)
しかしこのゼウスの女性戦士はなかなかしたたかです。愛する射手座の子を産むために、他の男達と
まぐわる日は必ず避妊用の薬草を飲んでいたのです。「石女と言われてもいい…あの人の子供が産みたい」
……いやまぁ、女性としてわからなくもないのですが。妊娠するまで5年を要してしまいます。

5年間。ローマに盆正月クリスマス休暇があるようには思えませんので、毎日と仮定しますが、
野郎どもは中4日の登板ですが、彼女は毎日お勤めです。すごく疲れそうです。
しかし射手座。365÷5(人)×5(年)=365回励んでやっとご懐妊です。ちーとばかり遅いような。
神話では一発必中のゼウス様がむせび泣いているような気がしてなりません。
そして射手座は原作にもあった通り、命を狙われたアテナを守って死んでしまうのです。

ここまで主人公のはずの無宇は何もしていません。せいぜい夢精したぐらいです。困った主人公です。
それまで延々と下ネタを聞かされていた木貴がやっと登場します。「それからどうなったんですか?」
可哀想に、この質問の為だけに彼は存在したようです。そこで無宇は感慨深げにアテナはどこへ行った
かわからないが、必ず生きて聖域に戻り、聖域を正しい姿に導いてくれると信じている…射手座が命を
かけて守ったのだから、と。
「…彼女はそう言ったのですよ、ベッドの中で……」
オイオイオイ。出来ちまったのかお前ら。(後書にバッチリ「二人はやりました」と書いてありました)
それまで射手座への愛をかたくなに守った彼女はどこへ行ったのでしょう。
その後ゼウスの女性戦士は行方不明になったと語られてお終いです。

本自体はもう手元にないのですが、あの頃感動の涙を滂沱と流した作品よりも、この作品の「…彼女は
そう言ったのですよ、ベッドの中で……」というフレーズや月経は病気ではないだの夢精は大人への
階段だとかの解説がたまに懐かしく頭に浮かんできてしまいます。

これはイベントで配っていたそうですが、B5コピーで60ページを超えるという超力作でした。