人身事故目撃談・その３

この前、某私鉄線の某駅隣（下り側）の踏み切りで。
南口の駅前の富士銀行にいこうと思って、急いでたんですが運悪く踏み切りに
引っ掛かったんです。方向指示器？は下り電車の矢印だけでした。
通過電車だったらいいなぁと思ったんですね。駅の側の踏切でも通過電車だとわりかし早く開くじゃないですか。
そんなことを思いつつ駅のホームの方向を見やったわけです。見てすぐでした。
男の方だと思いますが。ホームから線路にジャンプして飛び降りちゃったんです。
まさか、自殺だとは思いませんでしたね。なにか物を落としたのかなって。無茶する人だなって。
まぁ、急いで拾って上り線路に駆け込めば、大丈夫なタイミングでしたから。
隣で自転車押しながら待ってたオバちゃんも俺も、そんな風景を物も言わず見てたんですね。

そしたら、その人ホームの方向を向いて下り線路にしゃがんだんですよ。
とっさに「何やってんだあれ！」と小声で叫んでしまいました。
そして、あっこれが自殺なんだなって思いました。あの馬鹿でかい音のはずの警笛が不思議と小さく聞こえてました。

電車は通過電車でした。本能的に目をそらしてしまいました。ドーンと言う音と砂利をえぐるような音が一緒に聞こえて。
気が付いたら、電車の７両目くらいが目の前にありました。腕のようなものが手前の上り線踏切上にに転がっていました。
下り線踏切上にはひきづられたような痕が見えました。電車の通風孔からの強い風にのって焦げ臭い匂いが、私達を取り巻いてました。

電車が何か怪物のように見えました。一番前で車で待ってた人が外へ出てきました。
俺も含めて６〜７人くらいが踏切前で呆然と立ち尽くしてました。