「そうですね……では、何をお話しましょうか?
私のことでございますか?
ええ、私はイタリアという国で生まれました。
そうですね……この国でいう、中学校をでてすぐに、この道に入りましたの。
それから、世界中を回りました。たいていのばあいは、もなこさまくらいの、
小さな子……あら、失礼でしたかしら……の、お世話をさせていただいておりました。
でも、いつもはたくさんの子供たちが相手でしたから、こんどのように、
もなこ様お一人のお世話をさせていただくのは、初めてですの……
どうか、よろしくお願いしますね。」
デンパ)ちょっと重いのでレス遅れがちです。ご容赦を。
「ここに来る前、ですか?」
それまでニコニコしていたのに、急に暗い顔になって
「C国におりました……ご存知でしょうか? 戦争があったこと……
お父さんや、お母さんを亡くされた子供たちが……
いえ、それどころか、手や足……
もなこ様、ごめんなさい。まだこのお話は、今のもなこ様には
ふさわしくないようです。
……もちろん、いつか考えなくてはならないこと。
ですが、そのためにはお勉強して、自分で考えられるようにならなくてはね。
……そうですよ。もなこ様がお勉強しなくてはならないのは、
そういう理由なのですよ」
ちょっと、暗い話をしてしまったことを後悔して、笑顔でもなこに話し掛ける。
「もなこ様は、お勉強はお好きですか?