萌えたら走れ!夜明けまで〜慶祝スレッド第十二章

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先日、この様なことがありました。


「・・・・・・ふふふ、ちょっとだけですよ、今日はBコースで行きましょう」
「ふぇ、もなこ、むねがどきどきして、顔があつくなっちゃいます」

宮城の厨房などがある裏方にあたる一画で、名無し侍従@親支派氏は、
己の耳に漏れ聞こえてきた会話に、思わず顎が外れて振り子時計のように左右に揺れてしまった。がびーん(SE(笑))

あの男女二人の声は、記憶が間違っていなければ、よりにもよって、おのが主と決めた萌宮もなこ内親王殿下と、
かの北陸戦争の英雄である善行忠孝少将のはずである。
よりにもよって、最近とみに仲の良い二人が、この様な場所で仲睦まじくしているとは、まさしく青天の霹靂であった。

宮城に詰める多くの宮内庁職員と近衛第五旅団の兵士達にとって、まさしく女神にも等しい萌宮もなこ内親王殿下。
その御心を突如現れて独占してしまったかのように見える、善行忠孝少将。
本来ならば、陰惨ないじめの対象となってもおかしくない彼が、のうのうと宮城内を闊歩していられるのは、
なんといってもあの「北陸戦争」において、塩尻市で10万の赤軍を相手にわずか4000人の兵士を率いて立ち向かい、
凄惨な激戦の後、なんと敵の攻勢を防ぎきったという赫々たる武勲と、
それに続く長野新潟解放戦争の作戦指揮を事実上とっていた、という経歴があるためであった。

こんな「英雄」が相手では、いかに平安王朝以来1300年を誇る陰険ないじめの伝統を持つ宮内庁であっても、
そうそうちょっかいをかけるわけには逝かないのだ。なにしろ、へたに善行の恨みを買ったら、
まんま国防軍を敵に回してお礼参りである。新潟長野で散々人の血を吸ってきた奴等は、
なにしろ善行の事を神のごとく崇拝しているアレが多いのである。

と、さすがにびびっていた名無し侍従@親支派氏であったが、そこでとても重要な事を思い出す羽目になった。
そう、なにが良くてあのヒゲ眼鏡に惚れている(らしい)のか判らないが、
宮城の暗黒、廃テンションな魔王、無邪気な人体実験魔、等々、影で散々な、
しかしことごとく事実なあだ名を奉られている六九式@白衣&壜底眼鏡「教授」のお言葉を思い出したのである。
すなわち、なんとしてでも善行がもなこ様と仲好くなるのを邪魔するのが、六九式「教授」から仰せつかった使命なのだ。
なにしろ、名無し侍従@親支派氏としても、命は惜しい。まして、素直に痛みも感じるまもなく殺してくれるならばまだしも、
あの人体改造魔は、一体全体どんな妙ちくりんなバケモノにしてくれるか、想像もできないのだ。
この宮城のはずれのお堀端の千代田稲荷に住みついているきつねの少年も、実は教授に改造されてしまった
可哀想な軍楽隊の兵士だというまことしやかな噂が立っているくらいである。
それどころか、宮内庁で恐怖と共にその名を囁かれる」菊水」所属の特殊部隊「最後の大隊」の獣型兵士らも、
実は六九式「教授」によって改造された不幸な人間の成れの果てという話もあるのだ。

とりあえず、抜き足差し足で声の聞こえてきた部屋に近づき、そっと耳をそばだててみる。
なにしろ、ここで善行が萌宮もなこ内親王殿下に不埒なまねをしでかしている現場を抑えることができたならば、
まずこれ以上内親王殿下のお傍に侍ることを阻止することができる。
ということは、内親王殿下の神聖を犯す不埒者はいなくなり、宮内庁職員達のハァハァ……(;´Д‘)の邪魔もなくなる、
そして、何より六九式「教授」の意を迎える事もできる、と、みんな幸せな結末を迎えることができるはず、なのだ(笑)

「御免!!」ばばーん!!(SE)

と、中に飛び込んだ名無し侍従@親支派氏が見たもの、それは!?

(改行が多すぎるとはねられましたので、続きます(自爆))




エプロン姿でお好み焼き屋が使うテコを両手に持ち、鉄板プレートに向かっている善行忠孝と、
ほっぺたに青海苔をつけて、ソース焼きそばをつるつると食べておられる萌宮もなこ内親王殿下の姿であった。

「な、なんじゃあそりゃあああっっ!!」

思わず、天を仰いで叫んでしまう名無し侍従@親支派氏。
その目尻に光る一筋の涙を見たものは誰もいない。

「何かありましたか?」

あくまで冷静かつ沈着に、突然の闖入者に相対する善行忠孝。

「ほぇ?」

そして、はむはむと一生懸命ほおばるように善行忠孝お手製のソース焼きそばを食べている萌宮もなこ内親王殿下

「おふたりとも、こんなところでなにをしているのです?」

思わず脱力しつつ尋ねる名無し侍従@親支派氏に、善行忠孝答えて曰く。

「もなこ様に、三時のおやつを作って差し上げていたのですが」
「・・・・・なんで、ソース焼きそばなんです?」
「今日は、授業で体育があったそうなのです。それで、御夕食までお腹がもたないとの事ですので、こうした腹持ちの良いものを」
「・・・・・はあ、それはそれは。それで、Bコースというのは?」
「おや、聞こえてきましたか。ええ、Aコースはお好み焼き、Bコースは焼きそば、Cコースはモダン焼き、Dコースはどんど焼き、としているのですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうかしましたか?」
「ふぇ」
「ふぇ?」
「ふぇぇん・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふぇぇん・・・」

そのまま、ひかる液体を目からほとばしらせながら走り去る名無し侍従@親支派氏。
大丈夫だ、今回はうまくいかなかったが、どうせいつものことだ。
君にはまだ明日がある。もしかしたら、明るい明日が来るかもしれない!!

頑張れ、名無し侍従@親支派氏!!
負けるな、名無し侍従@親支派氏!!



六九式「教授」の手は長いぞ(謎)